第十二話
冒険譚なのに、まったく冒険していないと自分で書いていてそう思いました。次回からは冒険をするかも、と思います。
冒険者になってから4日が経った。明日には【薬草鑑定】と【隠密行動】のスキルが時間切れを迎える。今日はそれを頼らずに三日前に取得した【隠蔽】と2日前にしゅとくした【忍び足】を頼った戦闘訓練に努めながら、4日前のことを遡った。
2日目には、俺は採集した薬草を薬師ギルドに卸して、さらに3級薬草1束を速換金してもらった。3級薬草だと知ったグレイさんはすぐに鑑定士を呼び付けて、鑑定してもらった。鑑定士さんは3級薬草と証明し、グレイさんはすぐさま換金作業をしてもらった。3級薬草の売却金は4級の5倍に及ぶ2500Gである。ちなみに、鑑定で見た価値も2500Gである。
たかが薬草一本に2500Gの価値をしているのは他でもなく、上位ポーションの材料の一つだからだ。上位ポーションは一本数十万Gから100萬Gまでの値段をして、手を切り飛ばされても患部のところに接続させてから飲み込むと、元の状態に治せる効果があって、また呪いを除いたあるゆる状態異常をも打ち消せるようだ。近年には乏しい材料の一つとして数えられたようだ。そのおかげで、22500Gの儲けが出た。グレイさんにおすすめされた宿を取ってから翌朝まで熟睡した。
翌朝、宿でアツアツの朝食を済ませてからまた薬師ギルドにやってきた。昨日の採取量は指名依頼一週間分以上を軽く超えたため、指名依頼は成功したと見做した。報酬はそのまま薬師ギルドか冒険者ギルドのどっちでももらえるため、薬師ギルドからの報酬をもらうことにした。受付から成功証明書を受け取ってから冒険者ギルドに向かった。ちなみに報酬は84520Gで1割の税を天引きされたので76068Gをもらった。3級薬草の売却金もあわせて10万近く一日労働の報酬としては破格を通り過ぎて驚愕である。
とりあえず、【隠密行動】は購入できないから【隠蔽】というスキルを10万Gで買った。【隠密行動】と違い、【隠蔽】は戦闘行動が取れても効果が切れないが、【隠密行動】ほど時間が長くない。Lv1だと、精々1分で効果が切れた。再発動時間は30秒ほどで発動可能となる。【隠密行動】の再発動時間は一度発動してから解除までのじかんで、例えば3時間発動すると、3時間を待たなければ再発動できない。
もちろん、【隠密行動】を発動する間にも【隠蔽】は発動できるので、隠蔽のスキルを鍛える傍ら、薬草採取をした。3日目は2日目ほど多くはないが、それでも6万5000Gを稼いだ。4日目の朝に薬師ギルドで報酬を受け取ったあとに、グレイさんに指名依頼の事項に関する質問をしに行った。4日目の時点で二週間分の指名依頼を完遂したので、次の指名依頼の時限を聞くためだ。この短時間に立て続けに薬草を大量に持ってくることを想定していないグレイさんがやや困って、指名依頼の内容を変えることにした。
依頼の時限遂行を6級以上の薬草を週5万G分から月25萬G分に変更したそうだ。もちろんそれ以上納品してもオッケーだそうだ。そのあとは、グレイさんに伴い、冒険者ギルドに成功報告をしに行った。冒険者ギルドを10級から9級に昇進し、薬草をあと一週分取ってきたら8級に昇進しそうだ。でも7級に昇進するには、討伐依頼、護衛依頼をこなす必要があり、さらに盗賊討伐をする義務があるそうで、どれほど薬草を納品しても8級止まりだそうだ。
そのあとは【忍び足】と言うスキルを購入した。これで盗賊から盗んだお金も含めて、お金が全部使い切った。ちなみに宿代は一週間分も払ったので、スラムに逆戻りする必要もない。日課の串焼きを朝食にして、街を出た。しばらくすると、【隠蔽】と【忍び足】両方も鍛えたいので、【隠密行動】のままに【隠蔽】と【忍び足】も発動した。驚くことに【忍び足】は何時いかなる時でも発動できるので、薬草採取のときには発動しっぱなしである。
で、4日目と5日目の2日で指名依頼の一か月分の薬草を納品し終えたので、しばらくは自由の身となった。で、6日目である今日は朝に報酬を薬師ギルドから受け取ってから、城外に出た。隠密行動はいつでも発動できるように温存し、受け取ったお金を銀貨2枚チャージし、【剣術】と【盾術】のスキルを購入した。
「《オープン(自己開示)》」
とシステムマジックを発動し、自分のスキルを見た。
ライヤ(15歳)
ギフト:【スキルショップI】
スキル:
・【薬草鑑定(20:02:00)】
・【隠蔽行動(20:02:00)】
【鑑定(Lv5)】
【格闘術(Lv1)】
【体術(Lv2)】
【空腹耐性(Lv2)】
【低位収納(Lv-)】
【隠蔽(Lv3)】
【忍び足(Lv2)】
【剣術(Lv1)】
【盾術(Lv1)】
明日、休日が終わったので、不定期更新となります。ご了承ください。




