ヤガエシ
【ヤガエシ】
植物界 ヤガエシ目 ヤガエシ科 ヤガエシ属
〈体高〉
約80cm
〈身体的特徴〉
最大で直径5cmもの太さの茎を形成する一年草。
自然界で最もしなる植物として知られている。
森や林の中などの、木陰が密集している場所でしか育たない。
春の下旬から夏の中旬まで、白色の花を咲かせる。
どれだけ踏んだとしても持ち前の耐久力で簡単に元に戻ることから、「挫けない心」や「折れない関係性」という花言葉があり、山間部に位置する村では新生児にヤガエシで作られた飾りを与える事もある。
なお、頭飾りや首飾りにすると、何かの拍子で首が絞まったりすると、切断するのが大人でも大変なので、大抵は手か足に巻く飾りを作る。
〈生息・分布〉
大陸南部の森林に分布している。
充分な湿度がある森林の、直射日光が当たりにくい木陰などに密集して群生している。
野生動物たちは、狩人たちの魔力を込めた矢──致命傷になりうる攻撃が、ヤガエシに跳ね返される事を学習しているため、よくヤガエシの中に逃げ込んだりする。故に、ヤガエシを放置していると獲物が取れにくくなるというのは、狩人たちにとっては常識である。
〈繁殖〉
被子植物であり、種子を用いて繁殖する。
風媒花。
〈食性〉
水。
日光は微弱なものが好ましい。
〈特徴〉
陽性魔力を込めると、ヤガエシの繊維が異常なまでに硬くなるという特性を持ち、そのことから様々な言い伝えなどに登場している。
英雄がヤガエシを基礎に使った盾で戦場を駆け巡っただとか、村一番の狩人が放った、魔力を込めた矢がたった一本のヤガエシに弾き返されただとか。
なお、2つ目の言い伝えはヤガエシの名前の由来でもある。
これらは全て過去の事実であるため、狩人達は現在でも自分の立ち入る森林の手入れは欠かさずに、ヤガエシ定期的に刈り取っている。
通常の刃物では切りづらいが、だからといって刃を魔力で強化すれば、ヤガエシに魔力を吸われてしまうため、身体強化を施した上で普通の刃物を用いて切断するのがよい。
魔力に関して、ヤガエシ自体には、陰性魔力を陽性魔力に変換する、植物としてはごく一般的な能力しか備わっていないので、何故ヤガエシが陽性魔力を流し込まれると硬化するのか、そもそもどの経路(組織)を通って陽性魔力が流れているのかの解明も進んでいない。
〈備考〉
ヤガエシに流す陽性魔力量を調節することによって、ヤガエシの硬度や弾性の度合いを調節することが出来る。
その性質を用いて様々な用途に用いられるが、最近では総ヤガエシ製の弓というものが話題になっているらしい。
なんでも、弓の弦から矢まで、全てをヤガエシの強度を変えるだけで作ることが出来るそうだ。
繊維を剥いで解すと、糸のようにもなるということがわかったので、汎用性が更に広くなったのだとか。
色んな生物を思いつきはするんだけど、「なんでそんな進化したの?」って考えると、やっぱりトンデモ生物だなあと改めて認識させられるワケで⋯書けないんですよねぇ。