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リリード博士の魔法生物図鑑  作者: ぬるぬるマン
5/7

カッチュウ

昆虫系ってやっぱり奇抜な能力が書きやすいんですよねぇ。

「まあ虫やったらこんなんでもあり得るやろ(思考放棄)」

【カッチュウ】


動物界 節足動物門 ムカデ綱 ゲジ目 マゲジ科 マゲジ属


〈体長〉

本体  20cm

集合体 約190cm


〈身体的特徴〉

 カッチュウ本体は、ゲジを赤く染め、身体の節々を鋭利に尖らせたような姿をしている。

 というのも、カッチュウはゲジの亜種、マゲジから稀に生まれる突然変異体であるからだ。

 だが、その身体は生物としての欠陥を多く抱えている。

 口吻、消化器官が存在せず、臓器は心臓と肺、脳、それに加えて糸を製造、噴出する器官しか持っていない。

 卵から孵った瞬間から身体の成長は一切なく、生まれ持ったエネルギーが尽きるまでの数日間しか生きることができない。

 だが、カッチュウは突然変異体故か、普通のゲジとは違う能力を持っている。

 カッチュウは己が行動できる数日間に、ガンペキカメムシ、イワワラジムシ、マッシブマンティス、クロカタゾウムシ、キリングホッパー、ヤマヤンマ、サムライバチの7種の卵を確保すると、それぞれに魔力を込める。

 それはゲジにはなく、カッチュウにのみ存在する生得的行動(生まれ持った本能での行動)である。

 それらの卵は込められた魔力によって膨張、巨大化した後、3時間後には孵化する。それぞれから元の昆虫からかけ離れた姿の異形が生まれ、それらはカッチュウの元に統合され、新たな一つの集合体となる。


ガンペキカメムシ⋯⋯顔面

イワワラジムシ⋯⋯兜

マッシブマンティス⋯⋯腕、刀

クロカタゾウムシ⋯⋯鎧

キリングホッパー⋯⋯脚

ヤマヤンマ⋯⋯羽

サムライバチ⋯⋯毒分泌器官

カッチュウ⋯⋯脳、神経


 カッチュウが、変異した虫を糸を使って纏め上げ、1つの『甲冑』となるのだ。

 それが真のカッチュウの姿である。


 鬼の形相を浮かべ、握る刀を振り回す姿はまさに悪鬼羅刹。

 その一太刀は大岩を両断し、その蹴りは大木を抉る。

 動けば辺りに撒き散らされるは汗、いいやそんなことはない、何物をも腐食する毒である。

 見に纏うは何者にも破れぬ鉄壁の鎧。

 背に背負うは大翼、その翅を広げ戦場に訪れる。

 どれ程大きな戦であろうとも終止符を打つ。

 代わりに引き起こすのは災であるが。

 希望などない、絶望を運ぶ鬼である。


〈食性〉

本体  無し

集合体 肉


 集合体になり、顔が備わらなければ食事をすることもままならない。

 顔面であるガンペキカメムシが摂取した栄養はカッチュウの魔力が篭った糸によって全身を構成する昆虫達へ送られる。

 魔力を保有した血肉しか食べないので、人や魔獣を中心に捕食する。


〈生息・分布〉

 突然変異体のため不特定の場所にて出現する。なお、一度発生すれば翅を使って何処へでも行ける。


〈繁殖〉

 突然変異体である為、本体も集合体も生殖器官を持たない。


〈特性〉

 貫通力の高い魔法などで鎧の中にいるカッチュウさえ殺せば集合体を構成する昆虫達はただの異形の生き物であり、単体では生きていけない程の弱者に成り下がる。

 だが、その身は正に宝の山である。

 カッチュウが神経の代わりに使っていた糸が破損せずに残っていれば、腕や足の昆虫が義手、義足として使える為、超貴重品として扱われる。

 作られた義手などは恐ろしい力を秘め、とてつもない強度であるので、普通の生活を送るのには逆に苦労する。


 カッチュウが生まれたとして、完全体に至る為には超危険昆虫達の卵をくすねなければならないので、集合体になれる確率は極端に低い。ヤマヤンマなどは卵を水中に生むのでそもそも卵が見つけにくく、7つ全ての卵を集めるのは至難の技である。

 それこそ他者の手助けが無ければ実現出来ぬ程に。


〈備考〉

 出来心だった。

7つの(たまご)を集めて最強へ至る?

何処かで聞いた覚えが⋯⋯。

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