コオニオドシ
【コオニオドシ】
動物界 節足動物門 クモ綱 ダニ目 マセイダニ科 マセイダニ属
〈体長〉
5mm~5cm
〈身体的特徴〉
大型のダニの一種。
赤い体色に、橙色のラインが蜘蛛の巣状に広がっている。
通常時は5mmと、身体に付着されても気づけないような大きさであるが、餌である血液と陽性魔力を吸うと、腹が膨張する。その膨張幅は非常に大きく、直径で10倍、体積比で考えればより大きな数値が出るだろう。
魔力を多く吸い取り、貯蓄すると、橙色のラインが淡く光る。
〈食性〉
動物の血液、およびそれに含まれる魔力。
吸血する速度はそれ程早くなく、身体のサイズが最小から最大になるまで1時間ほどかかる。(通常のマダニは数日間にわたって吸血するので、ダニとしては非常に早い)
吸血時に動物の表皮に傷を作るが、それと同時に麻痺性の魔力を患部に付着させるため、痛みは感じない。だが、その時に発生する魔力を感知ことができる魔法師などは、即座にコオニオドシを発見できる。
血液と共に吸収した陽性魔力は、エネルギーを奪い、陰性魔力に転化させた後に、吸収した血液の一部とエネルギーを使い、特殊な陽性魔力に変化される。
〈生息・分布〉
数年前までは大陸西部の森林にのみ生息していたが、当時発生したゴブリンキングによって兵器に転用、使用されたことによって、分布域を大きく広げた。ゴブリンキングに侵攻された地域には必ず分布しており、ダニという特性上、他の動物に付着することで、その分布域を徐々に広げていっている。
〈繁殖〉
オスとメスが交尾して生まれる。地中に潜り産卵するので、卵の発見は容易ではない。
〈特性〉
血液と魔力をある程度吸うと、それらを使って血液に特殊な陽性魔力を付与する。
外敵からの攻撃に反応し、その魔力を解放、周囲の全方向に指向性を持たせて爆発する。溜め込んだ魔力量によって威力は変動するが、そこまで大きな物理的威力は出ない。精々爆竹程度である。
だが、その爆発に合わせてコオニオドシの腹も飛び散り、体内の血液を撒き散らす。
血液に含まれた魔力は、コオニオドシ以外の生物を軽い目眩のような症状に陥れる。顔の付近で爆発されると昏倒する場合もある。
血液に含まれた魔力は、更に別のコオニオドシを引きつける効果もあり、身動きが取れない相手にコオニオドシ達は群がる。また、この行動は特殊な陽性魔力を感知しないと起こらない。
〈備考〉
ゴブリンキングによって兵器利用された当初は、周辺諸国全てがなんの生物か検討もつかなかったが、十年ほど前に私が書いたレポートによってその正体が知れ渡り、同時に私の名が有名になるきっかけにもなった。
そう考えるとなかなかに感慨深いものがある。
ちなみに、命名したのもこの私だ。
「コオニオドシ」という名前ですが、これはリリード博士がコオニオドシを研究していた頃に、森林をウロついていたゴブリンに向かって投げて驚かせて遊んでいたことからつきました。
そうです、その被害にあったゴブリンがコオニオドシの特性を学習し、コオニオドシを駆使して強敵を屠り、進化してゴブリンキングになったのです。
自分で災害の種を作り、それを使って有名になる⋯⋯。
リリード博士は結構クズです。
でも本人は無自覚。
あ、悪魔たん⋯⋯。