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大団円エンディングの作り方  作者: 吉瀬
第1章 未知との遭遇
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8 特殊耳

 テテレテッテレー

 えいこはイケメン耐性がレベル2になった!


 ……のかどうかは分からないけど、今度は石化しなかったよ!

 なにあれなにあれ。なんなのあの兄弟は破廉恥兄弟か!

 乙女の両耳が犯された!ぎゃーす。


 もしかしてあの兄弟は内緒話する時は相手の耳に口くっつける癖でもあるのか!

 なんて破廉恥なんだ!

 いや、破廉恥なんて生温い。エロだ。歩くエロ。


「そんな癖なかったよ?」


 憤慨したままの私に月子ちゃんが教室で答えてくれた。


「それより、昨日海里はこしょこしょ話す時に、えいこちゃんの耳に口くっつけてたの?!信じらんない」


 月子ちゃんがプンプンという音が出んばかりに怒っている。むふふ。こしょこしょだって。可愛い。


「くっつけたっていうより、ほんのちょっぴり当たっただけだよ」


 当たったというか触れた程度だけど、場所が場所。性感帯はダメです。しかしそれならば、彼らはわざとやったと言うことになる。いやいや今日のはわざとやる意味がわかんない。

 じゃあ距離感分からなくなるくらいテンパってたとか?うーん。


「月子ちゃん、ちょっとこしょこしょ話してくれないかな?」

「? じゃあ……」


 そっと月子ちゃんが近づく。


「あ、ごめん」


 なんと月子ちゃんも当たりました。


「だんだん!もっちゃん!」


 呼べば当然のように現れる彼女達にも試してもらった。


「あたっちゃったよー」


 とは、だんだん。


「わたしは避け切ったよ」


 もっちゃんは忍だから当たらずで、


「だんだんがこしょこしょ話するのをがっつり観察してたんだ」


 と得意げ。

 なんだ。忍だからじゃないのか。つまらん。てか、


「避け切ったって、どゆこと?」


「えっとねぇ。非常に言いにくいんだけど、しーまんの耳が動く」

「は?」

「すごく稀にいるみたいねぇ、耳がめっちゃ動かせる人。無意識に耳元に気配感じたら動く仕様なんじゃない?」


 つまり、事故にあったのは私でなく源野兄弟。


 NOー!


 すいません。ごめんなさい。破廉恥兄弟とか歩くエロとか罵ってごめんなさい。そんな、ラッキースケベみたいな耳だとはつゆ知らずなのです。

 口には出してないから許しておくんなし。


 つまり、源野弟はデモンストレーション中だったから言及せず。

 源野兄は人が来る前に隠れたかったから言及せず。

あー、次顔合わせ辛いわー。いや、いっそ当たってません、もしくは当たったの気づきませんでしたって体でいこう!そうだ、それがいい!

 とりあえず、今日源野弟は教室に来ませんでした。セーフ。

 そんなこんなで放課後となり、「急に頼んでわりーな」とやってきた源野兄の髪は黒かった。顔は普通。でも、こちらの耳を見てる。

 当たった気がするけどー気のせいかもーな感じかな。

 気のせいさーと自分に暗示をかけ、いざ出陣!

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