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大団円エンディングの作り方  作者: 吉瀬
第1章 未知との遭遇
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7 早起きして登校

 次の日。


 今日も快晴、ご飯が美味しい。


 昨日は色々あったけど、月子ちゃんとお友達にもなれたし、色々あったけど女子同士の友情を深められたし、結果良かったんじゃ無い!?色々あったけど。


 と言うわけで、ちょっと早めに学校に着いた。決して、朝から源野弟に会わないようにとか、昨日の一件を見た女子達の視線が怖かったから先に来て教室に潜もうとか思ったわけではありません。


「あ、えいこサン!」


 だからこれは空耳ですねん。


「うっす。えいこサンは朝はえーんだな。朝メシちゃんと食ったか?」

「……おはよう。大地くん。ご飯は食べて来たよ」


 校門を入ったところで、捕まった。仕方なく並んで歩く。

 まぁ、今日は衆目が無いからいいんだけどさ。

 何故夜徘徊して寝不足のはずの源野兄が早朝に登校してるのか。イメージ通り遅刻すれすれに来て欲しい。食パンとか齧りつつ。


 彼は、俺は今から、と言ってお弁当箱を掲げる。手弁当?実は厨房男子?なんでも出来る系男子か?


「昨日のお礼に唐揚げ1個くらいならやるよ?」

「昨日のお礼?」

「まさか、本当にあの後まるっと頼まれてくれるとは」


 ニヤリと源野兄が笑う。


「どうやって海里を(ぎょ)したのかはわかんねーけど、さんきゅーな」


 昨日の夜に彼らの間で何かあったのかもしれない。


「どういたしまして」


 唐揚げは要らないけど……チラリと源野兄の髪を見る。ばっちり青い。

 唐揚げの代わりにして欲しいことはある。


「唐揚げはいいから、兄弟間の話し合いをもっとしっかりして欲しいな。その髪の色、地毛でしょ」


 並んで歩いてたのに、彼が立ち止まったから私も止まる。

 源野兄は見るからに動揺していた。なかなか見られない姿の気がする。知らんけど。


「……一応染めたんだけど?」


 多少リカバリー。でも、まだまだ。


「昨日の夜、黒に、でしょ。染まらなかったみたいだけど?」


 立ち止まったままだから、振り返って今度は真正面から彼の髪を見る。誰が見てもハッキリと青、である。

 昨日廊下の蛍光灯下で見た時は気のせい程度に青かった。帰りの昼過ぎの太陽光下では、視力の良いもっちゃんの目でも、青とは分からなかったらしい。

 でも、今朝は青々としている。これは単に光源の種類とは言えない。


 月子ちゃんは源野兄は以前と変わらないと言っていた、源野兄は嘘はつかない人だ。彼は初めから地毛だと言っていた。

 そしてなにより、今朝は爪が黒に染まっている。滅多に染髪しない人がよくやる失敗だ。昨晩黒染めしたのだ。


「朝は青いの?だから早起きして登校して、ギリギリまでどこかに隠れてるのかな」


 イケメンが唖然としてこちらを凝視している。こちとら目の保養は昨日十分したんだから、できたら四秒以上見ないで欲しい。溶けたらどうしてくれるんだ。


 校門から生徒がチラホラ登校し始めた。


「……今日放課後空いてないか?」


 今日?なにかあったかな?と考えてたら、強い力で引き寄せられ、昨日と反対の耳に彼の口が触れた。


「空けてくれ……頼む。迎えに行く」


 返事も確認せず奴は姿を消した。

初めの30話ほどは連日投稿のため短いです。読みづらくてすみません。

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