おじさんと少女(テスト投稿)
なろう小説初投稿となります。
短い文章ではありますが、ご一読いただければ幸いです。
「おじさん、すごいね。」
興味津々という目で、少女が言った。
「こんな大きくて重そうなものを振り回すなんて。」
謎かけは苦手だ。
大柄な男はそう思ったからこそ単純にこう答えた。
「この剣は軽いんだよ。」
そう言うと、男は背に背負った大きな剣をわざと大げさに取り出し、
剣の丈の3分の1もないであろうその子供に差しだした。
「持ってみるかい。」
「い、いいの?」
少女は息をのんだ。
彼女がこの剣に興味を抱いた理由は
専ら剣の大きさとそれを扱う男の異質さによる。
彼女が普段目にする剣といえば、
町の兵士たちが腰に差すようなショートソードだ。
そして、それは彼らが町人同士の揉め事を制止するために使用するものであるため、携帯しやすく、取り扱いがしやすい半面、外敵から身を守るために使うには少々心もとない代物なのだ。
大剣は銀色の光沢を放ち、彼女の小さな顔を映している。
(お母さんの持ってるネックレスよりもずっと綺麗だなぁ。)
彼女の心はこの剣の詳細を見れば見るほど引き込まれていく。
「持たないのかい?」
少女ははっとして我に返った。
男の顔を見上げるとなぜだか少し笑っているように見える。
(私のことをやっぱり騙しているんじゃないだろうか。)
こんな大きな剣が重くないはずがない。
少女は剣を握っている男の腕をちらと見た。
町にも体格のよい男は多くいるが、
それと比べてもこの男の腕は異質なほど太く強靭である。
(でも、こんな機会が今後もあるなんて思えないし。)
彼女は意を決して、その剣を手に取った。
「それじゃ、離すよ。握りの部分はしっかり持ってなよ。」
そう言うと男は、持っていた大剣ゆっくりと離し、彼女へそれを預けた。
「持ってる……。」
少女は自分が今していることに驚きを隠せなかった。
今彼女は男が持っていた剣を片手で持つことができている。
それも、ほとんど力を入れることなくだ。
まるで、紙でも持っているかのように彼女はそれを動かすことができた。
男がしていたようにその剣を振り回すこともまた、容易く行うことができたのだ。
男のごとく剣を扱うことができる事に彼女は喜々としていた。
「ほら、言った通りだっただろ。」
満足げに男はそう言った。
「この剣は軽いから誰でも扱えるのさ。」
テスト投稿の内容は以上となります。
最後まで読んでいただきありがとうございました。