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マリアさんとデート

レディーナ視点

「レディーナ様、とっても可愛いです!」

迎えに来てくれたマリアさんに大袈裟に褒められて照れる。

普段はあまり派手すぎない落ち着いた色と形の洋服ばかりを着ているが、今日は何だか変えたい気分だった。

だから薄黄色のフリルの付いた可愛いワンピースに素直に袖を通した。リーナが髪を丁寧に細かく編み込み、最後に黄色い髪飾りで可愛い髪型に仕上げてくれた。今日の私はいつもとちょっと違う。


「レディーナ様、参りましょうか?」

すっとエスコートする様にマリアさんが腕を差し出す。

「くすくす、宜しくお願い致します。」

淑女の礼を一つ。マリアさんの腕に手を添え歩き出す。

今日は女の子デートね。と言えば、ぱぁっとマリアさんの顔が輝いた。


近くにある街の馬車乗合所まで自宅の馬車で送って貰うと言う、二度手間はマリアさんと遊ぶ時の決まり事だ。

一度マリアさんのご実家まで自宅の馬車で行った時は、沢山の人が見物に訪れ殆ど遊ぶ事が出来なかったので、目立たない様にと考えた方法がこれだ。

乗合所から、知らない人に挟まれ揺られ、今日は城下町の商店街で降りる。


「ここから少し歩きます。」

とマリアさんに先導され付いて行ったのは可愛いピンクの屋根に白い壁の小さなお店だった。

「1階は小物売り場で、2階で軽食が食べれるんです。きっと気に入って頂けると思います。」

気に入るのは入り口を見ただけで分かった。

可愛らしい小物が小さな店内に雑多と並んでいる。

「今日はゆっくり見て回りましょう。」

とマリアさんが気を遣って離れてくれた。

人目を気にせず隅から隅まで目に入れ、手に取り、眺めて歩く。


可愛いぬいぐるみに、日用雑貨、ガーデニング用品も充実で、キッチン用品も可愛い上に機能的だ。

必要もないのに、アレコレと欲しくなってしまうのは女の子の性だろう。

一旦、ぐるりと店内を見渡しマリアさんを探せば、カゴに溢れんばかりの品々。


私も、と一つ手に取る。

薄青色の剪定バサミ。手書きで力が無くても切れる!と書かれてあるそれを握ってみる。

デコボコした形の柄の部分は成程、握るとしっくりと手に収まった。


それをカゴに入れもう一つ。ピンクのピンキーリングもマリアさん用にとカゴに入れた。

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