表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
45/152

拒絶

アルバート視点

柔らかな髪を思う存分撫でてから、レディーナを腕の中から解放する。

「そろそろ戻るか。」

えぇ。と笑んだレディーナが先程迄の幼い顔を隠した。

手を引きながら準備室を出、図書室に戻るとバッと皆の視線が集まった。

その視線にビクッとレディーナの手が揺れる。


「レディーナ、急に出て行ったので心配した。大丈夫か?」

「えぇ、ごめんない、ビート。それにマリアさんも」

レディーナが自分の手元からマリアの元へ離れていくと、ニヤニヤと嫌な笑みを浮かべたビートが近づいてきた。

「気が済んだか。」

「うるさい。」

大体、レディーナを呼び捨てにするあたり、まったくもって納得いかない。

レディーナの友でもあるビートはこの学園で自分以外、唯一彼女を呼び捨てにする奴でもある。

睨む事で牽制したが、ポンポンと肩を叩かれていなされてしまった。


「そろそろ、日が沈む。レディーナとアルバートが戻って来た事だし、お開きにしよう。」

そうビートが図書室内全員に声を掛けると「えーっ!」と非難の声が上がった。

「生徒会長、まだ教わりたい事が沢山あるんです。」

そうよ、そうよ。と周りから賛同の声が上がる。

「しかし、皆親御さんが心配するだろう?学園から街への馬車もそろそろ終わりの時間だ。」

「そうだわ!でしたらまた勉強会を開いて下さいませんか?」

名案を思い付いた!と一人の女生徒が声を上げれば、良いわね。とまた賛同の声が上がる。


「レディーナ様、宜しいですか?」

「えっ!?」

先程名案を思い付いた女生徒が、ビートからレディーナへ視線を移し同意を求めた。

「あ、あの…えっと。」

困っているレディーナへ助け舟を出すべく、足を踏み出そうとしたその時

「ごめんなさい…」

と小さくレディーナが呟いた。

「え?ダメですか?」

自分と同じく、否定されると思っていなかったのだろう、女生徒が再度レディーナへ問いかけた。

途端、レディーナの顔が俯いてしまった。


レディーナが初めて口にする拒絶の言葉に驚き、反応が遅れた自分の横をビートが笑みを湛えてすり抜け、レディーナの元へと向かう。

彼女の肩にそっと置かれたビートの手に、また胸がむかついた。


「申し訳ない。レディーナも私も、明日からテスト直前まで生徒会の仕事があるから、勉強会は開けないんだ。…な?」

その言葉を聞いて驚いた女生徒が目を大きく開きビートを見返す。

その女生徒と同じ顔を浮かべたレディーナも同じく、ビートを見上げてからぎこちなく頷いた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ