気になる
ディー視点
「あんたのせいで怒られちゃったじゃない!」
「俺は助けてやったんだぞっ!」
授業と授業の間の小休憩の時間。後ろのロビンに八つ当たりする為、わたしは振り返った。
先程の言語の授業で出された、教師から宿題と言う名の罰を前にわたしはげんなりしていた。
唯でさえ、レディーナの事で頭を悩ませているのに、今夜は言語の宿題にも頭を悩ませなくてはいけない。
「それよりさ…」
ちょいちょい、と手招きしたロビンは一つ声を落として顔を近づけた。
「昨日のダンステスト酷くない?俺の誘い断っといて、アルバートさんと踊るって…」
呆れた。呆れ果てた。
確かに、舞踏会踊ってくれと頼まれ断った。それをまだ根に持ってたのか。
(断ったのは2ヶ月も前の事なのに。)
「わたしが誰と踊ろうと、わたしの勝手でしょ!」
そう言うと、驚いた。と目を見開くロビン。ぶつぶつと何か文句を言っている。
(小さくて聞こえないけど!?)
「それに、アルバート様はわたしに惚れてるのよ」
何か文句ある?と胸を反らせば、ロビンはぶっと吹き出して笑った。
貴族らしからぬ笑い方である。
「んなワケねーだろっ」
パシッと頭を叩かれた。
貴族らしからぬ良いツッコミである。
「何すんのよっ!」
「お前が変な事言うから目を覚まさしてやったんだろ!」
とワチャワチャしていると「夫婦漫才はそこらへんで止めとけ」とクラスメイトから野次が入った。
(誰が夫婦じゃいっ!)
言い返えそうとロビンの顔を窺えば、少し頬を赤らめてまたぶつぶつ言っている。
「否定しなさいよ…」呆れて言えば「だって…」とロビンは頬を膨らませた。
(はぁ、今更弟キャラ出してんじゃないわよ)
「ビートさん…」
そんないつものやり取りをしていた時、わたしの耳が聞き覚えのある声と名を拾った。
声がした廊下の方を見ると、生徒会長であるビートの姿と見た事ある人物が…。
(確かレディーナのお供の…)
「やぁ、マリア」
(そう!マリア!!)
ビートより答えを貰って思い出す。
(レディーナの後ろ横にいつもくっ付いていた人だ)
何となく、二人の会話に耳を傾ける。
「ちょっとお話したい事があって、この後お時間宜しいでしょうか?」
「あぁ、もちろん。では行こうか。」
そう言って笑うとビートが彼女を連れて歩き出した。
(何で生徒会長がここにいるんだろ?それに…)
「おい!どこ見てんだよ!」
急にわたしの前にロビンの顔が出現した。
「じゃま。」
「ひどい。」
ロビンがワザと悲しそうな顔をしたので頭をピシャリと叩いてやった。
「わ!急に立つなよ!」
すっと席を立ったわたしをロビンが何事かと見上げた。
「ちょっと行って来る。」
「おい!次の授業はじまるぞ!!」
授業なんて気にしてられない。だって先程のビートとマリアとか言う人の会話が何か気になる。
「知ってる。後よろしく!」
そうロビンに手を振り、野次馬根性よろしく教室左、階段の方へ去って行った二人を追う。
「お、おいっ!よろしくじゃねーよ!」
後ろからロビンの悲痛な声が聞こえたが気にせず走った。




