予定外の出来事
ディー視点
(どういう事なの!?)
お昼休憩が終わり、言語の授業真っ最中であるのに関わらず、わたしは頭を抱えていた。
先程起きた出来事にまだ頭の整理が出来ていない状態だ。
先程の出来事、それはお昼休憩中に起こった。
生徒会役員は至急、役員室に来るようにと伝達を受け向かった生徒会室での事。
「知っているかと思うが、紹介させてくれ。今日から生徒会を手伝ってくれる事となったレディーナだ。皆良くしてやってくれ」
そうビートに紹介されて恥ずかしそうにレディーナが頭を下げた。
(はぁぁあ!?)
もう、ホントに、はぁぁあ!?である。
「ちょっと、こっち」
取り敢えず事情を聴かなくては。と、皆に拍手歓迎され生徒会室を出たレディーナを捕まえて空き教室へ連れ込んだ。
「レディーナどういう事?」
ゲームの中のレディーナは絵に描いたようなお嬢様で、上げ膳据え膳当たり前で、役員なんて以ての外だったはずだ。そう聞けば
「えっと、もう未来…ディーさんの言う前世に囚われるのはやめたの。自分がやりたい様にやってみようって思って。」
と、スカートをもじもじといじりながら照れるレディーナ。
何勝手な事してくれちゃってんの!と口を開こうとすると、パッと晴れやかな表情でレディーナが見つめるので言葉に詰まってしまった。
「もう、決めたの!よろしくね。」
わたしは呆気にとられて、開いた口を塞ぐ事も出来ず、楽しそうに走り去るレディーナに手を振って見送る事しか出来なかった。
(『よろしくね』じゃないよー!)
「おい!」
(『囚われるのはやめたの。』なんて勝手に決めてー!)
「おいって!」
(わたしはこれからどうしたら良いのー!?)
「おい!聞いてんのか!」
「なによ!」
頭の中を整理しようとしている最中、邪魔してきた声に怒りのまま立ち上がって、声がした方であるわたしの席の後ろを振り向く。
すると目の前のロビンがしまったと表情を歪め、肩を竦めた。
どうやら邪魔な声はロビンだった様だ。
ロビンがすぅっと前方、今のわたしからしたら後方を指さした。
「こほんっ」
聞きなれた声に今度はわたしが肩を竦め振り返る。
「ディーさん、授業に集中出来ていないようですね。」
わたしのすぐ近く、黒いオーラを纏った教師がニッコリと笑った。




