表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
17/152

同じ様で違う意味

(ディー視点)


茫然とするレディーナを残し自分の教室へ戻る途中、わたしは口角が勝手に上がるのを抑える事が出来なかった。

(勝った!!)

何故なら、先程のレディーナとのやり取りで未来の勝利を確信したから。


レディーナは言った。

『私が知っているのは、貴女とアルバートがこれから何をするかという事。』

それはわたしが記憶として持っている

『どう行動すればどういう結果になるか知っている』

と似ている様で、全然違うのだ。


言うなればわたしは先攻。レディーナは後攻。

言うなればわたしは攻撃。レディーナは防御。


5月末に行われる、アルバートとの舞踏会のイベントを思い出す。

確か必要なスキル、成績があったはずだ。それから、ある程度の好感度も必要だし、更に大切なのが会話の内容…確か、一つの言葉をきっかけに、アルバートがわたしのパートナーを願い出てくれるはずである。


(忙しくなるなぁ)

わたしはそれらを思い出すと、忘れないうちに早速ノートに書き出そうと教室までの道を急いだ。



(レディーナ視点)


廊下の端で相変わらず私は、茫然とその場に立ち尽くしていた。

一体、今のは何だったのか…。


『アルバートを賭けて、お互い正々堂々と戦おう!』

ディーから告げられた突然の宣戦布告に思考は固まり、体も固まり、口が開いたままだった。

(私はこの為に呼び出されたの!?)

何だかもやもやと納得できない思いが膨らんでいく。

(アルバートもアルバートよ!あんな子が良いの!?)

八つ当たりではあるが、アルバートへの苛立ちも募った。


―キーンコーンカーンコーン―

「もうっ!」

チャイムが鳴ったという事は、1時限目の授業が始まってしまった。

遠くまで来てしまったから走らなければ授業に付いていけなくなってしまう。

教師に怒られる事は無いだろうが、失望させてしまうだろう…もしかしたら、悲しませてしまうかもしれない。

(きっと、マリアさんも心配しているわ)

私は教室に向けて走り出した。

怒りに任せて強く踏み鳴らす足音はいささか品の無い行為であるが今は許してほしい。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ