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私の二度目の人生

戸叶翼視点

わたしは戸叶翼とかのう つばさと言う日本に住む女子高生だった。

大嫌いな両親と地元から離れたくて他県の高校を志願し、見事合格。念願の一人暮らしを始めた。

しかし夢見ていた高校生活は、地獄の毎日だった。

わたしを友達と呼ぶつるむだけの人達とくだらない馴れ合いの日々、人を小馬鹿にしたように指図する教師と顔を合わせる毎日。

(メンドクサイ)

中学時代自慢だった成績は、この学校では平均より下位でしかなかった。

かと言って他人に教えを乞う事はわたしのプライドが許さなかった。

悪いのはわたしじゃなくて生まれた環境。

もっとお金持ちで優しい両親の元に生まれて、馬鹿じゃない親友に囲まれ、カッコイイ彼氏が出来てれば。

(もう一度最初からやり直そう)

そして屋上から空へ足を踏み出した。


・・・・・・・・・・


そして終わったはずのわたしの人生はある日からまた始まる。

「ディー?」

そう呼ばれた名に覚えは無かったが、顔を上げ目に飛び込んだ景色を見た瞬間頭の中が一瞬にして冴えた。

「見た事、ある…」

その景色はわたしが知っている景色…いや、背景そっくりだった。

「ディー、大丈夫かい?」

心配そうに覗き込んでくる女性にも見覚えがあった。

(確か…主人公の、母親)

「えぇ、ありがとうお母さん」

差し出された手に手を乗せると目の前の女性はにっこりと微笑んだ。

(やっぱり…)


ここがわたしの知っている『乙女ゲーム』の世界だと確信した瞬間、自然と笑みが零れた。

何故?とか、どうして?なんて必要ない。

必要なのはわたしが、知っている。という事。


(ここでなら…)

湧き上がる昂揚感にわたしの世界が明るく色付いた。

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