ある豪邸にて
<ご注意ください>
本日、2話同日更新しており、こちらは二話目です。
先に前話、106話をお読み頂いてから読んで頂けるとありがたいです。
レディーナ視点
「なに、ここ?」
「ふふ。何って、貴女に頼まれたから連れて来たのに」
私の隣でツバサがポカンと口を開けている。
彼女の珍しい顔に笑ってしまった。
目の前のお家。いえ、豪邸と言った方が正しいその姿。
私の家と比べても何倍も広いその外観は白で統一され、太陽の光を浴びてキラキラと輝いている。
入り口から馬車に揺られ数分後、着いた玄関は大きく高く、大人の男性が十人位並んで入れそうである。至る所に大きな窓があり、さぞ気持ち良いだろうな。と想像を膨らませる。
「さ、行きましょ。」
そう言って歩き出せば、おどおどとツバサが後からついて来た。
従者がコンコンとドアノッカーを鳴らすと扉が開いて、燕尾服を着た男性が迎えてくれた。
「レディーナ・バレンティンと申します。こちらは友人のディー。」
「伺っております。レディーナ様、ディー様、ようこそ。」
「本日、ロビン様はご在宅で…」
「レディーナちゃん!」
挨拶を述べていると、女性の甲高い声が響いた。
「みんなー!レディーナちゃんが来たわよー!」
「「わー!いらっしゃーい!!」」
薄緑のドレスを着た女性が声を上げると、更に二人の女性が飛び出してくる。
「ココット様、ターニア様、エマ様。お久しぶりでございます。」
「待ってたわよー。さ、お茶しましょ。って、あら?こちらの方は?」
私の後ろで縮こまっているツバサに気付いて、長女のココットさんが首を傾げた。
「ココット様、この方がご連絡しました…」
「まあ、そうなの!そうなのね!ロビーン!ロビーン!」
良く通る声でココットさんが名を呼ぶと2階の一つのドアが開いた。
「ねーちゃん、うるさい!なんだよっ」
「貴方にお客様よ!」
「はぁ!?…っ!!!」
こちらを…、と言うより、ツバサを視界に入れたロビンさんが固まる。と、Uターンして部屋に入りバタンッと扉を閉めてしまった。
「くすくす、後はお二人でごゆっくり。私達はお茶にしましょ。」
三女のエマさんに背中を押され、ツバサを残して私は応接室へ案内された。