64 廃城の骸の王
殲滅の後を思わせる、異端の廃城。
狂いそうなほど臭気を放つ死者の残像。
31階層にやって来た俺達が眼にした物は朽ちた残骸のある虚ろな廃墟だった。
廃城を探りながらワープ地点を探す。するとアンデット系の魔物が沢山出てくる。
それらを俺達は倒していく。
排煙に包まれたであろう炎上後の廃城は俺達を不気味な感情にさせる。
「当潜様……なんかこの城は本当に不気味です、怖いです」
マホが怖がって俺の裾を掴む。俺はそんな怖がりのマホを慰める。
「怖がりだなマホは、こんなのちょっと暗くて、瓦礫が多いだけで大したところじゃないよ」
「そうなんですかね」
マホは昔の俺の思い出の中の幼馴染魔萌に似ている。
初めて会った時から、そんな予感がしていた。
それもあるが、マホは俺の妹のようなそんな感じを思わせるような兄貴分をさせてくれる。
「マホは俺が守るから安心しろ」
「当潜様~~~!!」
マホは眼を星マークにキラキラさせて俺をにこやかに見ていた。
「マホはしょうがないな、この程度の暗さなんて気にすることはないですね」
ミヤが負けずと対抗してきた。
「暗くてじみじみしたところはあんまし好きじゃないな~ぼくは」
リルが少し弱音を吐く。
そうやってだいたい少し進んで行って、ついに最奥にやってきた。
誰かが玉座に座っている。
城なんだから王様が昔住んでいたはずだが、誰なんだ。
すると玉座に座っていた何者かが立ち上がった。
「良くぞ来た……勇者よ。さあここを通りたければ我を倒してみろ」
朽ちた王冠を被り、全身骸骨の骸の王がそんなことを言ってきた。
俺達はここが最終地点だと判断して勝負することとした。
骸の王が長い魔杖を持ち、呪文を詠唱する。
「邪悪な魔性蛇よ我の前に顕現せよ!!!」
すると黒い蛇が瞬時に現れて、俺達を襲う。
ミヤが対抗処置として剣技を放つ。
俺は居合斬りを三回放つ。
骸の王がさらに呪文を詠唱する。
「噴煙の火鉢よ我の契約にもとづいて火炎魔の力を行使し大火炎となりて敵を焼き祓え」
大火炎の火球が放たれた。俺達はあまりにも大きな火炎玉にあっけを取られた。
俺のほうに向かってくる、俺は体が硬直していた。
避けられない。このままでは……
「当潜様下がって、聖浄盾」
マホが盾の魔法を使う。
俺に向かってきた火炎魔法は粉砕されて、無効化される。
「助かったマホ。本当にマホは凄いなこんな敵の強力な魔法を防ぐなんて」
「当潜様は大事な人です。あんな奴に死なせません」
「死なないんじゃないのかこの世界は」
「稀に魔物の魔法なんかや食い殺されると死にますよ」
「それって意味ないんじゃ」
「運が悪いとです」
「じゃあ気をつけないとな」
その後ミヤとリルが骸の王を追い詰めるが骸の王が最後の抵抗をしめす。
「暗黒の極大なる呪怨の力よ我の怒りにより敵を撃ち滅ぼさん、怨破滅砲」
「マホ!! シールドだ!!!」
「はい!!」
マホが最大の盾魔法を使う。
「極大硬質聖盾!!!」
盾は敵の極撃の砲撃をなんとか受け止めようとする。だが、盾にひびが入る。
マホはさらに魔力を盾に流し込む。それでもひびが広がって、今にも割れそうだ。
俺はマホに手を貸した。マホの右手を左手で握り、力を籠めて右を前に突き出す。
「当潜様……?」
「俺がお前を守るって言っただろ。過去も現在も未来もだ」
「当潜様…………もちろんです!! 私も最後までお付き合いします!」
「行くぞマホ!! はぁーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!」
「はぁーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!」
二人の最高の力の重ねがけで盾のひびがなくなる。
そして敵の魔法を何とか防いだのであった。
「さあ、今度は俺が相手だ」
俺は骸の王を相手取り、最後はあっけなく骸の王の首を落とした。
そして次の階層に行くワープ地点が現れた。
やはりここがゴール地点だったか。
そして次々と進んで行って俺達は50階層までやって来た。
そこはコロシアムのような場所だった。
そこに一人の侍が立っていた。




