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異世界ダンジョン攻略記 ~幻想と冒険と色々な迷宮でファンタジーなRPG的世界で攻略する~  作者: 仮実谷 望
第四章

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60 喋る熊だけど手ごわい相手だった……

 11階層に到達した俺達は今度は普通の迷宮路に戻って一安心した。

「良かったですね普通のダンジョンの中ですよ」

「これならなんとかなるな」

「道沿いに進むだけだしね」

 そうである。

 先ほどの自然あふれる道だと厄介極まりないのだ。

 このような普通のダンジョン道ならモンスターの相手もしやすい。

 出てくるモンスターは蜥蜴剣士だ。

 だがこんな奴ら俺の前では敵なしだ。

 六連連続斬りで仕留める。

 マホはファイヤルボムマークⅡという新技を披露。

 そのまま粉みじんにした。

 そしてミヤは剣で一通り倒した。

 リルは拳の一撃で殆どの敵を粉砕している。

 そして12階層に到達。

 ここも目ぼしい敵は出てこず蜥蜴剣士しかいなかった。

 13階層はデスストーカーとかいう死神みたいなやつが出てきて少し焦ったがまあなんなく倒せた。

 14階層は雑魚だった。

 15階層は小熊が出てきたから倒した。

 16階層は犬みたいな狼が出てきた。

 弱かったから普通に倒した。

 17階層は雑魚だった。

 18階層はちょっと強かった。

 19階層は微妙に強かった。

 そしてついに20階層に到達した。

「当潜様なんか張り合いがないですね~」

「そうだなもう少し強い敵が出てきてもいいな」

「ほんとだよ~ここまで目ぼしい強い敵いないから僕飽きちゃった」

「まあここだと強い敵がいるんじゃないか?」

 20階層は闘技場みたいな場所だった。

 そして奥から謎の人物?が出てくる。

 熊だ……どうみても熊だ……だが服を着ているなんだこの熊は。

「どうもみなさんこんにちは熊田熊太郎です」

「シャベッター!!」

 思わず片言で驚いてしまった。

「熊って喋るんだ」

「これは興味深い」

「なんだかわかんないけど今度は僕にやらせてよ当潜」

「駄目だ危険すぎる喋る熊だぞ強いに決まっている」

「よくわかりましたね。私はそれなりに強いですよ」

 後一つと指を一本立てる熊。

「15階層の小熊達をよくもやってくれましたね……流石にキレちまったよこの糞野郎」

 15階層の小熊あんたの仲間なの!?

 流石に予想外のことが起きているので俺はかなり驚愕した。

「さあ熊拳法で相手をしてあげますから来なさい」

「じゃあ僕が行くぞー!」

「駄目だと言いたいが今回は相手が拳法家だから仕方ないリルに任せた」

「リル頑張ってね」

「リルさん頑張って下さい」

 そしてリルが熊太郎と相対する。

「先に参ったと言わすかダウンを10カウント取ったら勝ちです審判は小熊の熊吉がやる」

「こんにちは……熊吉です。では審判をさせてもらいます」

「かかわいい」

 ミヤが顔を赤らめてもふもふしたそうに小熊を見ている。

 女の子はかわいいものに目が無いと言うが……まあ小熊でも熊だからな。

 そしてリルが最初に動いた。

 俊足の移動で一気に距離を縮める。

 そして拳を突き出す。

「破壊拳!!」

「おっと危ない」

 しかし熊太郎に腕で防御された。

 ならば今度はとリルが足蹴りを喰らわす。

「旋風脚!!」

「まだまだ!」

「ならばこれでどうだ! 突撃拳!」

 突撃するかのように体を動かして拳を突き出したリル。

 だがそれでも熊太郎はなかなか手ごわい。

 そして勝負は佳境に入る。

 熊太郎が爪をたてて斬撃を喰らわす。

 リルはそれをぎりぎりの所で躱す。

 そしてその攻防の隙をついて破壊拳を繰り出した。

 そのまま一撃が熊太郎に決まる。

 熊太郎は少し仰け反り腹を抑える。

「やってくれましたね……じゃあそろそろ本気を出すとするか……」

「そんなこと言ってる暇あるかな?」

「何!? その技は!?」

「拳王拳!!!」

 奥義が決まる。

 熊太郎はそのままダウンした。

 10カウント経ち勝利はリルに決まる。

 そして気絶から復活した熊太郎は俺達にこう言う。

「敗者に情けは無用だ。煮るなり焼くなり好きにしろ」

「親方!! どうか命だけは僕の命で済むのなら」

 俺は別に無理に殺生するつもりはないんだが。

「いい戦いだった。今度もまた戦いたいな」

 リルがお互いの健闘を称える。

 そしてお互い握手をする。

 そしてまた戦えればいいなと言い俺達は21階層の魔法陣に乗りその場を後にした。

「あいつらなら一番上まで到達できるかもしれんな」

「はい……親方」

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