58 蟲再来
朝起きると、広場は凄いことになっていた。
朝と言っても懐中時計をみると朝の5時ぐらい。
突如カブト虫型の巨大昆虫が広場に現れた。
ヤバいいきなりの敵来襲か。
何か大きな物音をたてているが、かなり緊迫した状況であるのは理解できる。
カブト虫型のモンスターの名称がポップアップされる。
マンモスフォーンカブト。確かに足は象のようにデカい足だしマンモスというのは納得だ。なんか強そうだ。
そしてミヤとマホとリルも同時に目を覚ます。
「なんですかあれは!?」
「すごく大きいぞあのカブト虫」
「これは僕の腕がなるねぇ」
「来るぞ……みんな準備は良いか?」
「「「はい!!!」」」
そしてマンモスフォーンカブトがこちらに狙いを定めたのかいきなり突進してきた。
全長三メートルはあろうと思えるこの巨体で踏みつけられたらひとたまりもないからな。
俺はまず一閃斬りに気合を込めた気合一閃斬りで切り込みに行く。
ミヤは気合三日月斬りを仕掛けるようだ。
マホは炎魔法のいつものファイヤル・ボム2をって2だと?
どんな技かと聞くと少しだけ魔法が大きくなるけどスピードが遅いとか。
なるほどデカ物を相手にする場合はそれでいいわけだ。
そしてリルは破壊拳を喰らわす。
破壊拳は単純明快で何倍にも拳の威力を上げて相手を破壊する技だ。
気を込めた一撃なのでなんだかんだ言って強い技だ。
そして全ての攻撃がマンモスフォーンカブトにぶつかる。
マンモスフォーンカブトはまったく動じない。
それどころか俺達のほうにゆっくりだが近づいてくる。
そして「パオオオオオオオオオオン!」と雄叫びをあげて猛進してくる。
俺は気合を二重に込めた二重気合六連連続斬りを仕掛ける。
名前は即興で考えたもんなので適当だ。
なんていうかそれでも俺はいつでも最高の技を決めたいと思う。
そもそも俺は技をあまり考えて出してないのが俺の無い頭の弊害だ。
でもケンオーさんには技は少しは考えろと言われた。
とりあえずどんな感じでどんな力を揮うかは当たり前のように考えておけと言われた。
さあマンモスフォーンカブトが迫ってくる。
このままだと踏みつぶされてしまう。
俺達はかわしながら敵の攻撃(踏みつけ)をあしらう。
行くぞ力をめいいっぱいに揮うようにする。
俺は体を少しだけ力を入れて、剣に込める力を最大限にあげる。
そして神速のスピードで剣を象カブトに振りぬく。
剣は踊るように纏わりつくように象カブトを切り裂く。
そしてミヤも飛び攻撃を喰らわした。
マホも炎魔法をぶつけた。
リルも強烈な一撃を喰らわした。
マンモスフォーンカブトは少しだけ仰け反る。
どうやら少しだけ効いているようだ。
俺達はさらに猛攻撃を仕掛ける。
するとマンモスフォーンカブトは形態を変化させた。
いきなりのことなので驚いた。
体が細くなりマンモスと言うより鹿のように細い体のカブトだ。
そして突然視界からカブトが消失した。
そのまま俺の背後に現れた。
刹那俺は後ろのカブトをぶん斬った。
一撃で終わった。
どうやら防御力は下降してしまうようだ。
俺の敵ではないようだ。
しかしまたしても新たな敵だ。
今度は空からデカい蜻蛉が飛んできた。
しかも何やら機械のようにごてごてしたサイボークのように無機質な体をしている。
そして「ギャラアアアアアアアアアアア!!」と雄叫びをあげている。
俺達にむかって急旋回してくる。
俺は気合を大幅に込めた大気合一閃斬りをぶつけた。
蜻蛉は羽を失い地に伏せる。
そしてそのままマホの炎魔法で止めだ。
あっけない敵だった。
だがまたまた新たな敵がもう~なんなんだよいったい。
今度は白いカマキリのような巨大な体長二メートルはあろうであるカマキリが俺達に向かってくる。
意外と動きが素早いがなんなく俺の方が素早く背後に回りこむ。
そして大気合六連連続斬りを喰らわす。
そのままカマキリが俺に向かい腕の鎌を食らわしてくる。
俺の剣でそれを弾く。
そしてそのまま剣王斬を放つ。
カマキリは死んだ。
そのままさらに進むと今度は魔法陣の前に鎮座している獰猛な蟻のような巨大な人型の蟻人間がいる。
「ついに来たか……我が同胞をよくもやってくれたな……」
なんだこいつ話せるのかよつうか種族違うだろ。
俺はこの蟻人間の話を聞くことにした。
「我は昆虫族の王ゴルドスだ。手加減は無用だ!」
そうして蟻の王ゴルドスが勝負を仕掛けてきた。
まず強そうな鉄拳が跳んでくる。
俺は剣で受け止める。
そして大気合六連連続斬りを喰らわす。
その攻撃は片手で全て遊ぶように受け止められた。
その腕捌きは素人とは思えない動きだった。
まるで達人のようだ。
「くそっこいつなかなかやるな」
「当たり前だ我は昆虫族の王であり蟻の王だぞ」
「喰らえ!!」
そして俺は気合を込めて込めて極大気合剣をぶつけた。
その極大気合剣はまさに極大だった。
しかし蟻の王ゴルドスはそれを両腕で何とか止めやがった。
こいつ強いぞ、ヤバい……どうしよう。
ならば剣王斬しかない。
俺は旋律を乱さず気を震わせて精神を研ぎ澄ます。
喰らえ!! 剣王斬!!
俺の剣げきはゴルドスをかすめとった。
僅かに当たる。
だがそれでもまだ足りない。
そしてゴルドスは強烈な一撃を俺に喰らわしてきた。
俺は背後に仰け反る。
くそっ結構痛烈な一撃だなやるなこいつ。
「当潜様!!」
マホが俺の後ろから近付いてくる。
「お前は来るな!!」
俺はマホをなんとか近づけさせないようにするがマホがそれでも来る。
お前には敵わないから来ちゃだめだ!
「当潜今行くから!!」
ミヤまでも俺を助けるために来る。
駄目だこいつにはミヤでも無理だ。
「いくよ当潜僕ならなんとかする」
リルならなんとかなりそうだがどうなんだろう?
同じ拳を使うからなんとかなるのか?
そして俺は仕方なく一旦ゴルドスから距離をとる。
そして体勢を立て直す。
そのまま俺は力強く剣に命を込めるかのように魂の震えが止まらなくなるほど剣に力を魂を込める。
魂力の極大気合幻影剣!!
それは咄嗟のことなのであまり説明できないが俺は何をしたんだろう?
マジで意味不明なことをしたと思う。
俺はその場で一人立っていた。
昆虫族の王蟻の王ゴルドスは木端微塵になって死んでいた。
みんな絶句している。
ミヤは目が虚ろになっているが強張っている表情で俺を見ている。
マホは半泣きでグズグズしている顔で俺を見ている。
リルは逆に信じられないものを見るような驚いた表情で俺を見ている。
みんなどうしたんだろ? 俺が怖いのかよくわからないが何でそんな顔しているんだ?
「どうしたんだみんな? どうしたんだよ?」
「当潜様何をしたのか覚えてないのですか?」
「当潜おまえは何者なんだ……!?」
「当潜君あなたは……信じられない動きだったとしか言えないね」
どうやら俺はとんでもない動きで敵を倒したようだ。
リルによるとあまりにも速くて俺の動きは人間の出せるものではなかったようだ。
だが俺は何をしたのか覚えてないようだ。
そして次の階に行き、そのままいっきに10階に到達した。
そこには謎の人形がいた。




