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異世界ダンジョン攻略記 ~幻想と冒険と色々な迷宮でファンタジーなRPG的世界で攻略する~  作者: 仮実谷 望
第四章

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54 覇王の襲来

 速い速度で俺達を追い詰めるゴーレムだった何か。

 それは脅威と呼べばいいのか、災害と呼べばいいのか、非情なる障害と呼べばいいのかわからない。

 そんな何物にも絶対に倒せなさそうな敵が俺達に迫ってきた。

 俺は考えるよりも体が動いた。

 まず、自身に超能力スキル『肉体超強化』をかける。

 そしてさらに自身の足に気を纏う。

 足の膝下からでももの部分と足首の部分に重点的に気を集中させる。

 そして俺は地面を思いっきり力強く蹴るように踏み抜いた。

 するとどうだ、俺の体は宙を舞い、物凄いスピードで空を駆けた。

 まさに瞬間移動といってもいいほどの速さだ。

 これがケンオー師匠から教えて頂いた技法、『超速動跳間(アリドハーマ二)』

 

 これを戦闘を行う上で、もっとも重要な相手の背後に一瞬で回り込む。

 それを実現する技法だ。

 もちろん簡単ではない。

 足のももと足首全体に気を籠める。そして気を練って、アキレス腱に気を充満させて、筋肉に気を糸のように縫うように気を充満させて、貼り付けて、さらに練る。そして気が足全体に馴染んだら地面を物凄い力を込めて、蹴るように踏み抜いて、地面擦れ擦れのところを移動する感覚で、駆けるように跳ぶ。

 速さの限界を超える技法なので、その力はまさにこの世の達人しか操れないそれだけ難しい技法である。

 なので俺はこの技法を長かった修行中に師匠から教えて貰えた。

 運が良かったのか、俺はこの技法をなんと10日で半人前だが会得した。

 半人前というのは、まだ足を入れるときに踏み抜きが、甘いらしい。

 つまるところもっと気の練りが足らないと言う。

 もっと部分的ではなく筋肉全体に練ることが必要だと言われたし、踏み抜きの瞬間がまだ未熟だと言われた。

 それでも着地の瞬間はまあ上手く止めれていると言われた。

 もちろん止まるときも入りの時と逆の足で同じ要領で足に気を纏う。

 そして気を纏った足を地面に自身の足と地面に強力な磁石でもあるかのように錯覚するような感覚で気の力で強化された足を地面に置くようにブレーキをかけるように止める。

 つまりだいたい空中をかなりの距離を大きな歩幅で一歩跳ぶようにジャンプするように駆けるそんな技法だと思ってくれ。

 

 説明がかなり長くなったが、俺は今ゴーレムだった物の背後を取った。

 超速動跳間(アリドハーマ二)を使用して。

 その超速の移動術は、ゴーレムだった何かは視認どころか何が起きたのすら理解してなかった。

 

 (どこに、いったのだ……?あの黒髪の生意気そうな人間の餓鬼は……いないワガハイの目の間にはいないぞ……マサカ!?)

 

 気づいたときはもう遅かった。仙道当潜はこの時さらに自分の中の熱いパトスを拡散させようとしていた。

 力の根源を剣に集中、そのまま自然体で剣を深く握り、ただ剣を愛する気持ちは忘れずに、王のような威厳を持ち、それは剣の王なのだから当たり前だ。

 ただ振る。力強く振る、それだけでいい。

 そしてそれは放たれた。

 ゴーレムだった何かの背中の黒曜鉄の皮膚を確かに斬り裂いた。

 

 刹那、ゴーレムだった何かは何が起きたか少しだが理解した。

 キラレタ……ただそれだけだが、知能はあまり高くないその鉄の頭でもそれだけは理解できた。

 そしてゴーレムだった何かは、直ぐに背後を向き、吠えるように言い放った。

「フフフふふ……やるじゃないか小童ガ!!まさかワガハイに傷をつけるとはな、こちらも本気を出さしてもらう、この覇王の力デナ!!」

 覇王、それは権力を全て自分の物にしようとしたもの。武力策略などで天下を取る者を言う。こいつはただの機械生命体だろ?そんなやつが覇王を名乗るなんて烏滸がましい。

 俺はそんな感想しかでなかった。


 このときミヤとマホはじっくり俺の方向を見て、固唾を飲んでいた。

 リルは何故か傍観している。俺より強いはずなのに。

 ミヤとマホは自分たちにはもうついていけない次元に踏み込んでいると思ったのか、ただ見ているしかなかった。

 ただミヤもいちおうこの超速動跳間(アリドハーマ二)を習っていたのだが、何故か彼女はこの技法は苦手だったらしく、ケンオーさんに10パーセントと言われた。習得率がだ。

 

 なので彼女はまだ入りすらできない。足に気を纏うことがそもそもできなかった。だから彼女は代わりに魔力で代用していた。

 そもそも気というものは誰でももっているが誰でもすぐにその力を使えるわけではない。

 それは気ではなく魔力もとい魔法も同じだ。

 ただこの世界ではレベルアップで覚える魔法もあるが、訓練や素質なので生まれつき得意な魔法が実は決まっているらしい。

 なので成長してある程度魔法を習える年齢になったらまず自分に得意なつまり合っている魔法の系統はなんなのかを調べる。

 そして自分の得意な魔法の系統がわかったら、それを重視して才能を伸ばす。

 実際家庭教師をつけるとかミヤは魔法を家庭教師の魔法使いにならったとか。

 そう言ってた。マホはお師匠様がいてと言っても自分のお爺ちゃんらしく、その人に教えてもらったとか。

 とまあとにかく魔法は素質とかが大いに関係していると同じように、気の力も生まれつきの才能はあるという。

 実際俺はどうやらケンオーさんのところに来る前から無意識に気を使っていたと指摘されたケンオーさんに。

 実際思い出すと、そういえば若干だが相手の物凄い攻撃を筋力だけで受け止めたり、剣を揮ったときいつもより威力が出たことがあったような気がする。

 俺はどうやら気の使い方がなんとなくわかるようだ。

 

 覇王と名乗る元ゴーレムはその漆黒の鋼鉄の体からは信じられないスピードで俺の眼前に迫ってきていた。

 そしてそのまま右の拳を瞬間的に引っ込め、ミサイルでも発射するかのごとく、勢いよく重苦しい質量をもつ豪快なその鋼鉄の拳を俺に向かって放つ。

 俺はまた右足に気を籠めて練り、纏って、足全体に充満させて気を自身の体の一部とさえ感じる自然な状態で身に着ける。

 そして地を蹴り上げて、空を駆ける。

 またも人間の出せるとは思えない超速の移動速度で俺は覇王と自称する元ゴーレムの横を通過する瞬間、剣に気を纏い滑らせるようにただ当てた。

 するとどうだ、その元ゴーレムの鋼鉄の横っ腹は実は発砲スチールかと言われたら信じるように簡単に抉れた。

 俺は左足で着地して、さらに右足も地に止めて、ブレーキを踏む。

 もう覇王と自称する元ゴーレムは今にも倒れそうだった。

 全身ボロボロで、鉄の体がところどころヒビが入り、体中が既に崩れ落ちている。

 限界だった元ゴーレムは。もう自分は死んでしまう。勝てないこの少年には。

 そう感じていた元ゴーレムは。

 最初の俺達がこの元ゴーレムから感じていた恐怖のような威圧感はいつの間にか消えていた。

 つまり見かけ倒しだったのだ。最初からこいつの強さはそれほど大したことなかったのだ。

 俺は安堵した。よかった初めて使ってみたが上手くいった。

 俺はそして止めをさすことにした。

 自身の剣に気を籠めて、練り、纏って、広げて、また収縮させて、膨張させるそして剣全体を覆うように強化する。

 そして俺は瞬間的に地を蹴り上げて跳んで、空を駆ける。

 そして奴の眼前で止めを行い、ブレーキを踏んだ瞬間、剣を自然に揮った。

 

「剣  王  斬  !!!」


 それは見事な太刀筋だった。俺はこの時達人の領域に片足を踏み込んでいたのかもしれない。

 それはなぜならと言うと相手の核となるその人工生命体にも存在するであろうと思われていた人間でいうところの心臓部位を貫いたからである。

 これにより覇王を自称した元ゴーレムはそのまま膝を折り、がらがらと仰け反るように崩れ落ちた。元ゴーレムの眼から光が消えた瞬間だった。

 そしてそのまま動かなくなった元ゴーレムはそのまま自身の体内活動機能を停止させた。

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