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俺たちは破壊の長がいるダンジョンのボス部屋の前に来ていた。
そしてついにボスのいる部屋に入った。
するとあまりにも驚くべき敵がいた。
「人間!?」
そうどう見ても人間だ。
まごくことなき人間だ。
だがそれが人間だと思えるのか少しどころかかなり疑問だ。
なぜなら身長二メートルをゆうに超えており、筋肉モリモリでマッチョな体。
そして極めつけに化粧をしている男だ。
つまりオカマだ。
「あら~ん新しい冒険者ね い い わ よ 相手になっちゃうから(ハート)」
うげえ気持ち悪いつうかここは迷宮だぞなんでボス部屋に人間が?
俺は疑問だったのであまりこのオカマと話したくないが少し話をすることに。
「おいおまえなんで人間がここに?ここは迷宮だぞ」
「あらそんなこと?確かに不思議かもね~でも私はここに選ばれたのよ」
「選ばれた?」
「私ね前は今もだけど冒険者なのよそして私ここに挑戦したのよそしてボスを倒したのよ、そして帰還するはずだったのよでも私はここであなたは強いからここでボスをしないかとボスに言われたのよ」
「ボスに……なんだよそれ断わらないのかよ」
「私は強いやつと戦いたかっただからここのボスをすることにした報酬もでるしね」
「報酬も?」
「強いやつを倒すと空間から報酬としてお金が落ちてくるの別にお金は欲しくないんだけどね」
「まあいいそれでお前は裏切ったのか人間を」
「別に裏切ったわけではないわよただ強い相手と戦いたいのよ別に倒した相手は死ぬわけではないしね近くの町の教会とかで復活できるわよ」
そう言えばそうだったこの世界は冒険者は戦闘では死なない神の加護でも受けているのかまさにゲームの世界だなと思った。
ただ俺はそれでもこんな相手と戦って死ぬのはごめんだが。
それでも俺はこのオカマの考えがわからなかった。
強い相手と戦いたいだけで魔物の味方になるなんてと。
まあいい倒せばいいんだろう相手は人間だといっても死ぬわけではない教会に転移するだけだ。
「じゃあやろうぜ」
「いいわよかかってきなさい!」
「いきます!三日月斬り!」
ミヤが前に出た。
そして攻撃を仕掛ける。
「あらいやだあんたが相手?まあいいわよ私どっちもいける口だから」
「気持ち悪いですお覚悟を!」
そのまま攻撃が届く。
しかしオカマは斬られなかった。
なんと手で刃を受け止めたのだ。
何やらオカマの手が光っている。
まさかあれも気の力なのか。
強力な剣の一撃を止めるなんてそれでしかできないはずだ。
「まさか私の一撃を止めるなんて……」
「さあ引っ込んでいなさいお嬢ちゃん!はあー!」
そのまま鎧の上からミヤが殴られて吹っ飛んだ。
「ぐわああああ!」
「ミヤ大丈夫か!」
「ミヤさんしっかりしてくださいです」
「ミヤならば僕が行くよ相手も武道家みたいだし」
「リル一人は危険だ俺も……」
「大丈夫だから何とかしてみる」
俺はリルのことをあまり知らないが彼女に任せてみることにした。
死ぬなよリル……
「あらこんどはあんたが相手?ふーんハーフドラゴンねこれは倒しがいがあるわね」
「お前のなんかの好きにはさせない!行くぞ!」
そう言ってリルが突進していく。
相手のオカマは終始余裕だ。
だがリルは臆しないそのまま一気に奴の懐に潜り込んだ。
そしてそのまま拳を振りぬいた。
「竜撃拳!!」
「こんなもの効くわけが……あらやるじゃない」
そんな!オカマは普通に受け止めた。
リルの必殺の一撃をなんてことはない顔で攻撃を受け止めたのだ。
「僕の必殺技が効かないなんて……」
「あら消失しちゃった?ならお嬢ちゃんは下がっていなさい私には敵わないからね」
そうしてリルがとぼとぼとこっちに歩いて戻ってくる。
「お帰り」
「ただいま……じゃなくてあいつあのオカマ強すぎだよ僕の必殺技が!必殺技が……効かないとかないよ……」
「リル……お前より強いやつなんてごろごろいるぞこの世界では」
「そうだよね気を落とさず修行あるのみだよねトウセン君は本当に励ますのが上手いよね」
(それって褒めてるのか?)
まあいいやさて後ろでびくびく震えているマホは置いといて俺が行く番だな。
俺は威風堂々と戦場に出かけた。
あの変に強いオカマを倒さないとな。
俺はオカマの眼前に姿を出した。
「ようオカマ野郎……俺が相手になってやるから今までのことを許してやる俺の仲間の痛みは俺が返すぜ!」
我ながら決まった……!なんかかっこつけたいお年頃なのか臭いセリフが出てきたぜ。
「あら坊やわたしの相手があんたなんかに務まるのかしら……まあいいわかかっておいで」
「行くぞ!!」
俺は勇敢に駆けたそしてオカマ野郎に一太刀を浴びせようとしたがオカマ野郎は手刀で俺の肩を叩いてきた。
「ぐふっ!?」
しまった油断した相手は丸腰だから俺のほうが有利だと誤解していた。
こいつはリルと同じで武道家タイプだ自身の拳とか足で攻撃してくる。
しかも体格差がある俺が身長170センチメートルに対しこいつは2メートル近くある。
だから互角とは思ってはいけないのだ。
さて次にどう動くか六連連続斬りで攻めるか、いや一閃斬りかいやいやならば居合斬りしかないのか駄目だこいつには俺の今まで覚えた小手先の技は通じないだろう。
ならばどうする?俺の新たな技そうケンオーさんのとこで覚えた剣王斬を使うしかない。
だがまだ一度しか俺はあれを使ってないのだ。
実際60点じゃなと言われたのでまだ完成にはいたってないのが現状だ。
剣を極めたものしか使えないわけではないがまさに剣の王と呼ばれるだけの力を示さなければいけないと言われた。
俺に使えるのか本当にいや一回成功させたんだ出来る!自分を信じるんだ!
行くぞ……明鏡止水の心で不動の構えを取る。
「あらやだ動かなくなっちゃったわねそれじゃあ止めと行きますよホアチャッ!!」
まだだまだ動くな……ギリギリまで引き付けて…………今だ!!
その刹那仙道当潜の動きは達人のそれに近かった。
だがまだ未熟な剣裁きはオカマこと鎌雄のそれには捉えられていたが体のほうがそれを避けることが出来ないでいた。
当たる……オカマの胸の辺りより少し上を横一文字に切り裂いた。
瞬間オカマは血を吹きだして倒れる。
「あんたたちなかなかやるじゃない……まさかあたしがこんな坊やに敗れるなんてね……とんだ誤算よ」
「言いたいことはそれだけか」
「やりましたトウセン様見事オカマ野郎を打ちのめしましたね」
「強い敵だったなトウセン見事だった」
「凄いよやっぱりトウセンはうちの爺ちゃんが弟子にするだけあるよ」
「もう~ちょっと黙ってなさい小娘どもは!!」
「なんだよ言い残したことでもあるのか」
「そもそもあたしは死なないけどね勘違いしてるけど」
「魔物の味方をしたのに死なないのか?神のご加護は裏切ったやつにもあるのかよ」
「だからあたしは裏切ったわけではなくてね……強いやつと戦いたかったのよそれが今叶ったわけねトウセン……あんたよかったわ」
そう言ってオカマが光の粒子となって消えていく。
そして最後に……
「こんどあったらあんたのこと好きになっちゃいそうじゃあねバイバイ~!」
もう二度と会うことはないだろう。
いやそれフラグっぽいから無しだ無し。
俺達は困難を乗り越えて先を目指すのであった。
とここでファンファーレがどこからともかく鳴った。
パパパーン!トウセン達のレベルが上がった!
トウセンのレベルが30に上がった。
ミヤデリカのレベルが30に上がった。
マホルリカのレベルが30に上がった。
リルアルムのレベルが30に上がった。
撃破ボーナス!トウセンはユニークスキル「剣王の圧力」を覚えた。
宝箱を見つけた。中には「ジャッジメントナックル」が入っていた。
なんだ剣王の圧力?これは……俺はステータスウインドウを表示させた。
そういえば久しく見てなかったな。
どれ……
仙道当潜 男
レベル30
職業 ???
HP 355/355
MEP 255/255
攻撃力 253(+65)
守備力 310(+120)
力 188
守り 190
素早さ 308
魔力 70
知識 180
やる気 505
スキル……六連連続斬り、一閃斬り、居合斬り、気合剣、剣王斬
超能力スキル……『物質超強化』、『肉体超強化』
ユニークスキル……剣王の圧力
魔法……無し
だいぶステータスが増えたな。
どれ剣王の圧力とはどんなユニークスキルなのか俺はその剣王の圧力という項目長押しすると説明が浮き出た。
なるほどこうするのか!俺は今まで気づかなかったので驚いた。
そして説明を見ると……
剣王の圧力……剣王になりたてのものが得るユニークスキル対面した相手のやる気をかなり低下させる常時発動型スキル。
そもそもやる気って何に関係あるステータスなんだ?
俺はもしやと思いステータスのやる気の部分を長押しした。
すると出てきた説明が。
やる気……戦闘において自身の体内バランスが整えられているかどうかの値、高いほどクリティカルヒットが出やすいし、全体のステータスが伸びやすい傾向にある。
むちゃくちゃ大事じゃないかやる気。
俺は今までこんなに簡単に自身のステータス情報すらも見る暇もなかったのかと思った。
「トウセンもしかして自身のステータスを確認しているのか?」
「そうだ長押しすると説明が浮き出るんだな初めて知った」
「常識ですよ」
「へっ?」
「常識ですね」
「常識だよ」
「なんで教えてくれなかったんだーーー!!」
「だって聞かれなかったから当然トウセンも知っていたのかと」
「俺は異世界から来たんだぞそんなの知るわけがない」
「そうでしたねこれはうっかりしてました」
「トウセン様次からはこのマホが教えますなんでも聞いて下さいです」
「トウセンはそそかっしいな」
そうして俺たちは迷宮の外にワープした。




