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俺たちは今東の方にある町を目指していた。
コルテアヌという町なのだがそこに新たなダンジョンがあるとケンオーさんに教えて貰った。
しかもそこではなんとも言えぬカーニバルが毎月開催されていて大盛り上がりだというらしい。
なので俺たちはそこを目指している。
草原の有る平地を俺たちは渡っている。
そこで他愛のない世間話が始まる。
「それでリルさんはハーフドラゴン何ですか?」
「はいそうですリルはハーフドラゴンですね」
「ハーフドラゴンって竜の間に出来た子供?凄いねそんなの初めて見たよ」
「俺も竜の間に子供が出来るんだなんて知らなかったよ」
「竜の中でも人化出来る竜に限られるんだけどねお父さんは灼熱の赤竜なんだ」
「なんだが凄いね私もがんばらないと」
「なにをがんばるんだ竜に適うのか?」
「ええと竜よりも強くなるとか?」
「私も竜みたいな炎を出す魔法使いになりたいです」
こんな他愛のない会話が続いた。
そしてモンスターが出てくる。
鋼トンボか。鋼のような体で出来ている巨大なトンボだ。
防御が堅そうだ。ここはマホに任せるか。
ここでリルが動いた。
「兜割り!」
渾身の一撃が決まった。上から拳を叩きつけるような攻撃だ。
「さらに覇王拳!」
ただのパンチのように見えるが強烈な一撃だ。
そして鋼トンボは光の粒子となって消滅した。
「リル強いんだな」
「リルさん凄いですね」
「これくらいお爺ちゃんに比べたら大したことありません」
「私の魔法より強いかもです拳法って凄いです」
そしてまた新たなモンスターが出る。
メテオバードだ。隕石のような速さで突撃してくる鳥だ。
こいつは厄介な敵だ。
俺はまず近づいてくるのを剣王斬で切り裂こうと思う。
ミヤとマホには援護を頼む。リルには追撃を任せよう。
そしてメテオバードが隕石のごとき速さで突進してくる。
俺はそれをかわすが直ぐに進路を変えて突っ込んで来る。
ならば居合斬りだ。
切り裂いた。そしてメテオバードは悲痛の叫びをあげる。
それでもまだ倒れない。いや落ちない。
またしてもメテオバードは隕石のごとき速さで突進してくる。
俺はそれをかわした。そしてそのまま剣王斬を繰り出した。
剣王斬は言ってしまえばただの斬撃だ。
だが相手の急所つまり生命の一番脆い部分を狙い撃つ斬撃だ。
だから常に敵の全てを見抜いていないといけないのだ。
俺はメテオバードの急所を見抜いた。
剣王斬!決まった。
しかしメテオバードは諦めない。
最後の力を振り絞って俺に向かって突進してきた。
俺はそれをもろに喰らう。
命の灯火が消える瞬間だろうかなんとも強力な一撃だった。
それでもなんとか倒すことには成功した。
「大丈夫か当潜!」
「今治しますね」
「当潜さんは張り切り過ぎですね」
それで冒険は仕切り直しになった。
しかしまたしてもモンスターが現れた。
どうやらここは出現率が高いそうだ。
ステルスコウモリだ。ステルス能力を持っており景色と同化してしまう。
なのでどこにいるかわからないのだ。
でも俺はそんなのを乗り越えて来たんだ。
姿が見えないぐらいどうと言うことは無い。
まずは音を聞く。
そして打つ。
これでどうだ。
しかしやはり完全にステルス化しているのか
見えないのだ。
このままでは一方的に攻撃されてしまう。
六連連続斬りで辺りを構わず斬ってみる。
これでもかこれでもかと何度も切り裂く。
しかしいない。
音は聞こえる。ズゥイーンという風を裂く音だ。
なのでどこかにはいる。
俺は心眼を開いた。
姿が見えない敵を音と心眼で探した。
そこだ。捕えた。
ステルスコウモリは姿を現した。
一度攻撃が当たればステルス化も解除されるようだ。
そのままさらにみんなで攻撃した。
ステルスコウモリは光の粒子となって消滅した。
そうして俺たちはコルテアヌという町に着いた。
疲れたので宿屋に直行した。
何と言ってもここでは夜のカーニバルが開催される。
今の時刻は午後四時だ。
なので夜が楽しみだ。
「残念だけどカーニバルは明日のようね」
なんだってーーー!?
思わぬことが起きた。
カーニバルは今日ではない明日のようだ。
みんな明日までここに滞在しようそうしようと説得するが。
「当潜少し浮かれすぎているのでは?」
「当潜様私たちの旅の目的をお忘れですか?」
「まあ私は良いんだけどね滞在しても少し休みたいかな」
二対二だった。なので少し話し合いが行われた。
実際問題たまには休息は必要だろうということになった。
だから明日のカーニバルを楽しむことになった。
よかった俺こっちに来てから娯楽的なこと一つもなかったからな。
戦いの連続だった。最近は修行三昧だったし。
さて明日まで時間が有るから俺はログアウトしておくかな。
「みんな俺ちょっと用事があるから元の世界に戻るわ」
「そうですか気を付けて帰って下さいね」
「勇者様必ず戻ってきてくださいね」
「なんかよくわからないけどいってらっしゃい」
「リルには私から説明しておくね」
「それじゃあまたな!」
俺はウィンドを操作してログアウトのボタンを押した。
世界は急速に縮まる。
俺は自分のベッドの上に居た。
時刻は朝の五時約十二時間ぐらいダイブしていた。
やはりあっちの一日はこっちの一時間ぐらいに相当するのか。
でも前元に戻った時は一日立っていたのに一時間ぐらいしか経っていなかった。
つまりこっちに居る時でも一日は一時間になるのかややこしいな。
とにかく俺はまた寝ると言うことになる。
久々の日常だ楽しまなちゃな。
俺は朝まで寝た。
翌朝晩御飯の時あれだけ呼んだのに起きてこなかったことを咎められた。
疲れてて寝てたと言い訳した。
俺は朝ごはんを食べて学校に行った。




