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第4話「リューヤの視線」

リューヤは敢えて冷めた目付きでビルヘルミナ・レイナードを見詰めた。

「それは、それで対策を立てていく事になっているのだけれど、その中で妙な事がおこったわ。」

 ビルヘルミナはもったいぶり、一度喋るのを止めた。リューヤはあくまで冷静な面持ちを崩さないし、紫炎は静か過ぎる程静かだった。

「それは・・・・」

 ビルヘルミナは再び一拍置いた。

「リューヤ・アルデベータ、あなたが生きてる事よ。」

 リューヤは腕を組んだまま冷静に聞き返す。

「どういう意味だ?」

 ビルヘルミナが静かに語りだす。

「多くの国の「予知者」達が、あなたの死を予知し、その後のリーン・サンドライトの破壊を予知していた・・・・・・」

「・・・・・」

 リューヤの表情が変わる。

「だけど、死んだのはリーン・サンドライト、そして破壊も小規模で済んだらしい・・・・単に「予知者」が外したとは考えられない。何故なら、リーン・サンドライトの事もリューヤ・アルデベータの事も、「予知者」が喋らなければ、我々は知りもしない事だったのだから・・・・・」

「俺は・・・・・」

 リューヤが口を開く。だが、喋るのはまずいと理性が止めた。かわって、紫炎が重い口を開いた。講堂の中を涼しい風がかけぬけた。

「あなた方は死の運命を弾き返し、結果的にリーン・サンドライトを救った・・・・・命までは救えなかったのですが・・・・リューヤ・アルデベータに破滅の運命を避ける希望を見た・・・・・・そういう事ですね。」

「御名答よ。さすがは日本の誇るβ能力者ね。」

「お褒め頂き恐縮です。」

「その前に聞きたい。」

 紫炎がスッとリューヤに目を向ける。

「俺が死ぬ運命だった・・・・そう言ったな。」

「ええ。」

 リューヤはこの女に余計な情報を与える可能性を考え、止めた言葉を再び口にした。

「そして、お前は俺の死は言っておきながら、リーンの死については言及を避けてる。もしかして・・・・」

 紫炎が覚悟を決めた表情をした。

「死ぬのはリーンではなく、俺だったという事か?」

「我々の元にいる「予知者」の話によるとそうだわ。」

  ビルヘルミナがそう答え、リューヤは視線を紫炎に移した。

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