◆◆◆ 反逆児アトラス 第二部 ~戦乱の大地~ 予告編です ◆◆◆
4月6日から第二部を開始します。第一章「戦乱の予兆」では、これから始まる戦支度の中で、第一部で別れ別れになった若者たちが、互いのことを思い起こします。でも、エリュティアの幼なじみでフローイ国に嫁いだフェミナと、リーミルの弟グライスの盛大な結婚シーンなど少なめになって、作者としてこの二人の登場人物からヒンシュクを買っています。でも、この辺りで時間を取ると、読んでる人はダレてしまいそうなので、戦いが始まるシーンまで短めに描写して一気に話を進めるつもりです。
でも、ロユラスと村娘タリアの恋も同時進行します。
では、第二部から少しだけ。
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王リダルはクイグリフスの言葉も顧みることなく、息子に命じた。
「アトラス。お前は第二陣を率いて海を渡れ」
第二陣を任せるというのである。ただ、アトラスは父の言葉に失望した。ルージ国は島国で海軍も充実してはいるが、その軍船をかき集めても、乗せられる兵員の数は限られており、第一陣としてリダルが直卒するルージ軍主力が渡洋する。その船が戻ってきてアトラスたち第二陣を送り出すのは三週間も後になるだろう。リダルの気性からみて、息子が率いる第二陣の着陣を待たずに先行して、先に戦を始めるかも知れない。アトラスは開戦の場に立ち会えないのである。アトラスは父に反駁した。
「しかし、それでは私は手柄を立てられません」
息子の言葉を父は一喝した。
「くどい」
父の言葉に、アトラスは周囲の領主たちの顔を見回したが、唯一、賛同してくれそうなクイグリフスも顔を伏せていた。父と子の間の割り込めない諍いから生まれた気まずい沈黙を破って、猛将アガルススが持ち前の大声を張り上げた。
「若き王子よ。雑魚を蹴散らす初戦の先鋒など、このアガルススに譲ってくだされ。儂らがその後の大戦の舞台を整えますゆえ、王子の先鋒はその時に」
「おおっ、アガルスス、よぉ言うた」
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このリダル王の決断が、アトラスの運命と物語の展開を大きく決定づけます。
では4月6日の開始をご期待ください。
第二部 開始しました
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