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緑紫炎の陰陽師  作者: Ponkichi
養成学校編
18/19

いつもの展開ぱーりない☆

更新がしばらく滞ってしまい申し訳ありませんでした!!!

僕自身、高校生になったばかりで時間がなかったもので……。

こんな駄作でも暖かい目で読んで頂けたら幸いです。

「よーい……スタート!」


校長の合図で一斉に山に入る。


山に入って1時間は生徒に攻撃出来ないのは、ある程度生徒同士が距離を取ってからでないと待ち伏せや、生徒同士が直ぐに鉢合わせするのを防ぐためだ。


「んじゃ~、とりあえず寝床でも探すか?」


一緒に行動しているミカドと啓介に尋ねる。


「そうですね。暗くなる前に寝床は確保した方がいい」


「なるべく妖がいないとこにしようぜ」


霊は水場に集まりやすいが、妖の場合は力(妖力や霊力)の高い土地なら基本的にどこにでも集まる。あと、妖=霊力が苦手ってわけではない。


妖とは一種の生物であり、昔から存在している生物だ。

簡単に言えば人間や動物となんら変わりない存在だ。

また、獣などが力の高い土地で死んで、その影響を受け妖力を持って生まれ変わる、または生き返った者が妖だ。(つなみに霊力により魂をこの世に繋ぎ止めているのが霊。)

また、霊は思いや感情の塊であり、妖とは違う。分かりやすい違いは妖は命があるが霊には無い。



話は戻るが、妖があんまりいない所というのは要するに霊力や妖力の低い土地のことなのだが、この山は一種の聖域らしく山全体が霊力の高い土地だ。

そんな事を考えつつ歩いていると……


「「「キャーッ!!!」」」



近くで悲鳴が聞こえる。


俺たちはお互い目を合わせ、無言で頷き走り出した。


(早速お出ましか。間に合ってくれよ……)


辿り着いた時、そこに広がっていた光景を見て俺たちは直ぐに臨戦態勢をとった。

そこには女子が3人。そのうちの2人は倒れていた。

意識があるかは不明。

1人はこちらに気づいていない。

周りの木は薙ぎ倒されていた。

相手は恐らく鬼の一種だろう。身長は3m程で筋骨隆々。

ランクは妖力の大きさからいってCくらいだろうか。


(このままじゃみんなが……。躊躇している暇なんかない!)


彼女が何かを決意し、目を閉じて深呼吸をする。

その瞬間、空気が変わり俺は異質な力を感じた。それは緑陽も感じたようで


(智樹様、あの子を止めて下さい!)


(わかってるよ)


俺は彼女に近づき彼女の肩に手を置いて耳元で囁く。


「……その力は今使うべきじゃない。今はやめとけ」


彼女はハッとして力をおさめる。


「お前ら、頼んだぞ」


「分かりま……」


「ここは俺がやる!!!」


啓介がミカドの声を遮る。


「はいはい。譲ってあげますよ」


2人とも余裕の表情だ。本来ならば一年生が相手にするには無謀な相手なのだが、俺たちはさほど苦戦しない。


「んじゃ、サクッと決めてくれよ?」


俺は念のため、俺と彼女たちに結界をはる。


ミカドはポケットに手を突っ込んで高みの見物。


啓介は……


「我は倉田の血を継ぎし者なり。来たれ、炎龍!!!」

 

啓介が指を噛んで血を地面に落とし、そう叫ぶと地面から火柱が上がり炎が龍の形になった。


(なぜD+の啓介がCランクのしかも龍なんて使役出来るのかが不明だったが、使鬼神継承か……)


使鬼神継承とは文字通り、家系や流派などで使鬼神を継承することだ。

広い意味では智樹もこれにあたる。


「いっけーーー!!!」


本来ならば啓介がDランクでその使鬼神がCランクならばCランクの妖相手では互角の戦いか、啓介が少し劣るかもしれないが女の子の前の啓介は一味違う。

啓介の叫びを合図に炎龍が鬼に襲いかかり右腕を食い千切る。


「ぐろぉおぉおぁ!!!」


そして、反撃の間を許す事無く炎龍が鬼に巻き付き、絞め上げる。

いきなり炎龍の炎が強くなり、そのまま鬼が炎に包まれ消し炭となった。


「けっ、造作もねぇ」


啓介が自慢気にそう吐き捨てる。それと同時に啓介の胸に炎龍が戻る。


「バカやろー!何やってんだよ!山ん中で火事起こす気か!」


「これだから単細胞バカは困りますね」


「んだよ!仕方ないだろ!」


既に周りの木々には火が点いて燃え広がり始めている。


「……まったく。みなさん離れていて下さい」


ミカドが溜め息混じりに言う。


「ふぅー……」


ミカドが静かに息を吐くと霊力が上がる。


「はぁっ!!!」


珍しくミカドが叫び、式神を飛ばすと炎を巨大な結界が包む。


「おい、ミカド!どういう事だ?」


単細胞バカな啓介には分からないらしい。


「その手があったか。流石、ミカドだな」


俺はあまりにも大胆かつ単純な考えに苦笑いしてしまう。


「智樹は分かりましたか。つまり、火は酸素などの気体で燃える。なら、空間を囲んで気体の量を制限すればいずれ消えるんですよ」


理にはかなっているがとっさにこの方法を思い付くミカドは流石としか言いようがない。


「ん~。よくわかんねーけど、とりあえず火が消えるって事だな!」


「ッ!……はぁ~。まぁ、そういう事です」


あまりの頭の悪さにミカドは一瞬固まり、絶句した。


「あ、あの!助けてくれてありがと!」


彼女は俺たちに頭を下げた。


「気にすんな。それよりとりあえず、この子たちをリタイアさせないとな」


倒れていた子たちは意識はあったが見たところ全身打撲に腕は酷く腫れているな。折れているかもしれない。


俺は倒れている2人の子にリタイアボールを持たせて霊力を込めるように促す。

するとボールが光ったと思った瞬間、そこに女の子たちの姿はなかった。


彼女の話では、いきなり現れた鬼に驚いてとっさに攻撃してしまったらしい。

そしたら当然の如く鬼はブチ切れて暴れたらしい。

全身打撲はそのときに鬼に薙ぎ払われた時の怪我らしい。

よくもまぁ死ななかったもんだな。


「そういえば君の名前は?」


「わ、私の名前は姫川雅美ひめかわ まさみ。まさって呼んで」


姫川か……。アニメみたいだな。


「そか。俺の名前は……」


俺たちはとりあえず自己紹介をした。


「えっと……。智樹さんとミカドさんと……えーと……あ!啓介さん!」


「なんで俺の名前だけうろ覚えなんだよ!」


しばらく話しているとだんだんと緊張の糸もほぐれ、雅美が他の友達と合流するまで一緒にいることになった。


とりあえず寝る場所は洞穴の中に結界を張ってその中で寝る。


その夜。


「まさ、ちょっと話さないか?」


ミカドと啓介が寝たころに雅美を起こして洞穴の外に出た。


「……えっと、それでなんの話?」


雅美は苦笑いしながらわざと知らないふりをしてついて来た。


「……まさの力について聞きたい」


「やっぱりその話か~。あんま言っちゃいけないんだけどね……。でも、命の恩人だし智樹のおかげで力がばれずにすんだし……。うーん、分かった。少しなら教えてあげる」


雅美の口調からはさほど深刻そうな感じはしないが、あの力の感じからして普通ではない。

そして、雅美はおそらく普通の人間ではない。

そんなことは信じ難いが雅美は感じた力は霊力と言うより妖力に近かった。


「……私のこの力は……妖力なんだ」


そういいつつ手から炎のように妖力を立ち上らせる雅美の声には悲しみが混じっていた。


「私はね……産まれつき霊力が弱くて後継ぎになれる程の力は無かったの。それでね、私が3才くらいのときに町に物凄く強大な妖が現れて誰もかなわなかったの。だから、私の中にねその妖を封印したの……」


そういって雅美は智樹に背を向け服を背中だけまくる。

そこには封印の術式が刻まれた入れ墨があった。


「そのおかげで町は救われたの。だからこれは、後継ぎにもなれない私の唯一の存在価値なのよ」


「……やめろよ」


「私は別に苦じゃない。私に出来るのはこれくらいしかないもの」


「……やめろって」


「だから……」


「やめろっていってんだろ!」


俺は声を荒げて雅美を抱きしめる。


「無理すんな……。もう……無理すんなよ」


「私、無理なんかしてな……」


「じゃあ、どうしてないてるんだよ」


「……え?あれ?なんで私泣いてるの?別に悲しくなんかないのに……」


雅美は自分でも気がつかない内に泣いていた。


「雅美は道具じゃないんだよ。素直に泣きたいときは泣いていいし、悲しいときは悲しんでいいんだよ」


その後、雅美が落ち着いてから雅美の妖力について説明してもらった。

まとめると、雅美が使っている妖力は厳密には封印した妖そのものの妖力ではなくてその妖から微弱に漏れる妖力を自分の霊力とは別のところに溜めて力として使っているらしい。

妖そのものの妖力も使おうと思えば使えるらしいが暴走の危険性があるらしい。

そして、雅美の場合は封印された妖が強すぎるため漏れ出た妖力でもかなり大きな力が使えるらしい。

ゆえに妖力を使って鬼を倒そうとしたわけだ。


「んじゃ、そろそろ帰るか……」


「うん!……智樹!」


まさが必死に俺の名を呼ぶ。


「あぁ……。分かってるよ」


智樹たちを囲む大量の妖気。


単体ではさほど強くなさそうだがおそらく30体程の妖に囲まれた。見たところ獣妖じゅうよう(獣の妖)ばかり。


(「ランクはDくらいか……」)


俺はポケットから大鷲の式神の呪符を10枚取り出す。


「雅美は見てな。我の霊力により動け!式神!」


大鷲たちが一斉に妖どもに飛びかかる。


大鷲たちは妖を数匹ずつ倒していくが数ではこちらの方が圧倒的に分が悪い。


(「しかたねぇ」)


「雅美が秘密を教えてくれたお礼に俺も生徒は誰も知らない秘密を教えてやるよ。……我に忠誠を誓いし獣よ、我に守護の力を!いでよ!太陽の守護神、緑陽!月の守護神、紫月!」


目の前に緑色と紫色の炎が上がり緑陽と紫月が現れる。


「……これが……智樹の使鬼神?」


雅美は2体の妖の強さが分かるようだ。力はだいぶ抑えているが雅美にはばれている。


「そうだよ」


俺はあっけらかんと返事をする。


「たしか……使鬼神のランクはDとかCじゃなかった?この妖たちはA以上の強さだよ」


雅美は2体の妖力に圧倒され額に汗をかいている。


「あぁ。どっちともA+だよ。みんなにばれると面倒だから隠してたんだ」


「A+ッ!?でも、それくらいね。強過ぎよ」


雅美が少し楽しそうに笑う。


『智樹様、お久しぶりですね♪』


『前よりは力が安定しるな。まぁ、俺の相棒としてこれくらいは出来て当然だがな』


「はいはい。ありがと。霊力あんま使いたくないんだ。だから、使わない方向でよろしく」


『分かりました♪』 『けっ!つまんねぇな』


「霊力を使わないで妖を倒せるの?」


「まぁまぁ、見てなって!やれ!」


一瞬の静寂。


(退け!) (……失せろ)


2体は獣妖の方を見据えて物凄い殺気を放った。


獣妖どもはその気迫に圧倒され一目散に逃げていった。

獣は上下関係には絶対だ。

ゆえに自身より強い者の命令は従う。

2体が放った殺気は雅美ですら「ひっ!!」と声を上げてしまう程だった。


「まさ、妖だからって別に殺す必要は無いんだよ。力は敵を倒すためのものじゃない、仲間を、自分を守るためのものなんだよ」


「守る……ため?私のこの力も?」


「そうだよ。まさの力は強大だ。その気になればその辺の妖なんて余裕で殺せる。けど、使い方によって、みんなを守る力にもなるんだよ」


力……。それは敵を倒すために使うのではなく、守るために使うもの。

力を敵を倒すために力を振るった瞬間、それはただの暴力に成り下がる。



ちょうど、まさが落ち着いたころ、俺はまさに紫月たちを紹介した。


「お初にお目にかかります。私は緑陽と申します。今後ともよろしくお願いいたします」

「俺は紫月だ!よろしく頼むぜ」


そう言って緑陽たちは戻った。


俺たちは洞穴に戻り、結界を張って寝た。


これからも更新は遅くなると思いますが、よろしくお願いします!

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