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緑紫炎の陰陽師  作者: Ponkichi
蛾存流編
13/19

幕開け

結局、あの話し合いから特に進展の無いまま1週間が経過していた。


智樹は、1人で部屋に居た。


こういう時は割とシリアスな気分になるはずなのだが……。


(『智樹!まだ喧嘩出来ねぇのか!もう待ち切れねぇぜ!』)


紫月が大体騒ぐ……。


ガキかお前は!


(「まだだよ。誰が黒幕か分かってないじゃん」)


(『そんなもん蛾存流の奴等を片っ端から潰してけばいいじゃねぇか!』)


実年齢5〜600才くらいのはずなのに……何処までガキなんだよ!

片っ端から潰したりしたら唯の辻斬りだよ……。それに俺の霊力がもたないよ。


(『んだとコラッ?お前はいつ俺をガキ呼ばわり出来る程偉くなったんだ?1回目は我慢してやったが流石に2回目はキレるぜ?お前の霊力なんかしるか!根性でなんとかしろ!』)


聞こえてた!そうだったこいつ等俺の心を読めるんだった……。好い加減学べよ俺!

でも、俺はこいつ等の心読め無いじゃん!なんか不平等じゃね?


(『当然だろ!なんで俺とお前が平等である必要があるんだ?』)


(「んだと!そもそも、契約する前は礼儀正しかっただろ!緑陽はむしろ様付けになったから良いけど、なんでお前は酷くなってんだよ!」)


(『相棒に気兼ねする必要なんかあるのか?』)


何かカッコよく聞こえる⁉


(『紫月!主には礼儀正しくするのが当然です!』)


なるほどね……緑陽と紫月は根本的に考え方が違う訳か……。


まぁいいや、なんか疲れた……。

もう寝よう。



翌朝。目が覚めると……7時50分。

ヤバイ!なんで?目覚まし時計をセットしてから寝たはずなのに……。


(「ねぇ?紫月君、君何かしなかった?何か爪で切り裂いた様な跡があるんだけど?」)


(『し、知らねぇなぁ~?』)


「てめぇ!やりやがったな!コラ?オイ!どんだけガキなんだよおめぇはよぉ?昨日の腹いせか、あぁん?表出ろ!」


『うるせぇなぁ!おめぇが先に喧嘩売って来たんだろ⁉いいぜやってやるよ!』


「だから、勝手に出てくんじゃねぇ!俺の霊力が減るんだよ!」


『そんなもん知るか!おめぇが雑魚だからだろうが!あぁん⁉』


そんなこんなで騒いでいると……


「うるさい!智樹何やってるの!早く朝ごはん食べなさい!紫月ちゃんも朝からうるさい!」


母親が鬼の形相で言ったので有無を言わさず強制終了。


「『はい。ゴメンなさい!』」


「い、いや、でも僕もう時間が……」


「ん?智樹、何か言った?朝ごはん食べるわよね?せっかく作ったんだから」


お母さん、顔は笑ってるけど目が!目が笑ってない!


「ね?」


はい!喜んで食べさせて頂きます!


全ての準備が終わったのが8時10分……遅刻まであと5分=間に合わない……。


(智樹様、私を召喚して下さい!)


何か分からないが……。


「汝、天照大神に仕えし光の守護神、緑陽!我に守護の力をかせ!」


目の前に緑色の炎が上がり中から緑陽が出て来た。


『私の背中に乗りなさい』


「誰かに見られたらどうするの?」


『心配は要りません。速過ぎて何か分かりませんよ』


と言うか言わ無いかで智樹を口でつまみ背中に乗せた。


『では、確り捕まっていて下さいよ!行きます!』


「うわぁぁぁぁ!」


ものすごいスピードで町を駆け抜ける。

例えるなら常に新幹線並のスピードで走るジェットコースターに乗って居る様なものだ。しかも、安全装置無し!

学校には無事遅刻する事なく着いたが、着いた時には智樹はすでに失神寸前だった。


そして、失禁寸前だった。


当然の如く霊力は減った為、疲れた。


姿を見えなくする結界を張らなかったのは霊力を節約する為か……。


そして、理科室へ移動中のことである。


「ん?」


ふと背後から何かがこちらを見ている気がした。





そして、放課後……。




「智樹、一緒に帰ろ♪」


夏海と帰れるならばどんな予定でも蹴り飛ばすぜ!


夏海とは同じクラスだった。


そして、暫く歩いてたそのとき。


学校で感じたあの気配がした。

しかも、学校で感じたときよりも禍々しくなっていた。


次第に距離を詰めて来る。


これでは夏海を家に送り届ける前に追い付かれる。


「夏海、ゴメン!学校に忘れ物したから先に帰ってて。また、今度一緒に帰ろうぜ!ゴメンな!」


夏海に一方的に別れを告げ学校に向かって走る。しかし、真意は夏海と距離を取る事にあった。


やはり気配は俺の方についてくる。


目指すは近くの資材置き場……。そこで迎え撃つ。


資材置き場に駆け込む。


相手はおそらくプロの陰陽師。そして、おそらく蛾存流。

俺が使えるのは霊力操作、式神術、使鬼神術のみ。

結界は得意ではないのが致命的だ。

使鬼神を召喚すれば話しは別だが、霊力量から考えて1体召喚すると考えても10分程度しか保たないだろう。


使鬼神術だけに霊力を使った場合の計算だが……。


相手は結界で姿を見えない様にしている……気配の数は3つ。

そして一気に結界を解き使鬼神を召喚した。

全て中級だが中の上といったところだ。前に襲ってきた奴くらいのが3体いると考えれば分かりやすいだろう。


出し惜しみしている余裕は無い……。


2体とも召喚する。


「余裕を残して3分だ。やれるか?」


『愚問だな』『十分です』


相手は、全長8m程の大百足おおむかで、手が鎌状になっている和服姿の女、全長3m程のもろファンタジーに出て来るようなトロール。


使鬼神の種類は多種多様、妖だけに限らない。


様々な次元から召喚し契約できる。


「じゃあ、行け!」


『おう!』『はい!』



2対3。単純に考えると1体は俺に来る。


紫月はまずトロールに襲いかかる。

一瞬睨み合い僅かに紫月が先に動いた……トロールも遅れて反応する。


トロールが棍棒を振りかざす。


『遅い!先手必勝だぜ!鋭月!』


棍棒が振り下ろされるが、すでにトロールの体は紫月の爪により上半身と下半身に分かれていた。

トロールが煙と化し主の中に戻る。


これで、2対2。


一方、緑陽は手が鎌状になっている和服姿の女を相手にしていた。(長いので略して鎌女とする)

使鬼神どうしや妖どうしの戦いは先ほどの様な肉弾戦も必要だが妖力のぶつけ合いも1つの闘い方だ。

やはりこちらも睨み合い、お互いの出方を見極める。

十数秒の睨み合いが続きほぼ同時に動いた。鎌女は全速力で突っ込み、緑陽は口から緑色の妖力の閃光を出す。


『緑閃』


鎌女が咄嗟に鎌で防ぎ、軌道をずらした。お互い再び距離をとってまた閃光として放つ。

お互いの力は暫く拮抗したが緑陽が徐々に押して行く。


『はぁぁっ!』


緑陽が押し切りとうとう耐え切れなくなった鎌女が後ろに吹き飛ぶ。

緑陽は止めを刺すべく突っ込む。鎌女の体調は人間と同じくらい。体格の差は歴然である。

吹き飛ばされながらも鎌女は閃光を放つが体に妖装(妖力武装)を纏わせた緑陽には傷一つ付けられない。


『足掌打!』


緑陽は容赦なく全力で足で鎌女を踏み潰した。

やはり煙と化し主の中に戻った。

残りは大百足のみ。先に紫月が相手にしていたが強力な妖装をしていたため致命傷は与えられてはいなかった。

硬さだけなら前のも含めても1番強いだろう。


『智樹!もっと霊力を上げろ!』


『智樹様、落ち着いて。集中して下さい!』


集中……体の中の力を練り上げるイメージ。基本だ!習った通りやれば大丈夫だ!平常心を保て!俺!


「はぁっ!」


体の中から霊力が溢れだす。


『その調子だぜ!』『流石です!』


今は何も考えず、ただ霊力を高いままに保つことに専念する。

紫月や緑陽を信頼しているからこそ敵のことは考えない。


『智樹の霊力を考えると次で最後だ!』


『はい!本気で行きます!』


紫月と緑陽は出来る限りの妖装と霊装をして突っ込む。


『鋭月乱舞』『足掌打・砕』


紫月が体を八つ裂きにし、緑陽が頭を踏み潰した。

大百足も煙と化し主の中に戻った。


何とか智樹の霊力が底を尽きる前に倒せた。


『やりましたね、智樹様!』


「あぁ、何とかね……。緑陽、紫月、ありがとう。助かったよ」


陰陽師たちは何時の間にか消えていた。


「仕方が無い。家に……帰ろう……」


重い足を引きずり何とか家まで帰った。本当はすぐに寝たかったのだが親父に報告するために居間にいった。


・・・説明中・・・


「何だとっ!!!智樹を襲う輩など生かしておけぬ!!!」


「父さん落ち着いて!」


親父は時代劇のような口調で顔を真っ赤にして激怒した。


「これが落ち着いていられるか⁉蛾存流の奴等め皆殺しにしてやるわっ!!!」


完全に我を忘れている。まぁそれ程俺が大事なのだろうが止めなげれば余計に面倒な事になってしまう。


それが意味するものは全面戦争。


いや、今の親父なら1人で蛾存流の奴等を片っ端から襲いかねない。


「まぁまぁ、俺も無事だったんだしさ?親父がダメなら俺に標的を移されても仕方ないよ。ね?」


必死に、死に物狂いでなだめる。親父の1言で全面戦争が起こすことなど容易い。なんせ、現党首だから。適当に理由をつければ簡単に火蓋は切って落とされる。


「そうか?智樹がそこまで言うなら……」


よし、もう1押しだ。これで決める!


「ありがと、心配してくれて……。それに僕、父さんに無茶してほしくないんだ!」


「ーーーと~も~き~~。グスン……。お前が、お前がそんなに父さんの事を、グスン……。考えてくれていたなんて……」


親父はとうとう泣き出した。付き合いきれないので適当に相手をしてご飯を食べずにねた。



夜中にお腹が空いて起きた……。はぁ~、何か食べておけば良かった……。


技名が物凄く安直なのがなやみです。

まぁ文の稚拙さも悩みなんですけど。

何か参考になるものや、自分で考えた技名などがありましたら感想に書いて頂けると助かります!


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