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緑紫炎の陰陽師  作者: Ponkichi
蛾存流編
12/19

新たな敵は陰陽師⁉

紫と緑の閃光が白龍の心臓を貫いた。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


『っというのか私たちの出会いですね。』


「へぇーなるほど……。っじゃなくて、昇華院龍天って初代の名前じゃん!」


『はい。そうですけど?』


え、何で初代と俺の使鬼神が同じなんだ?


『それは、彼方が……』




緑陽は黙り、親父が口を開いた。


「先祖返りだから……かな?」


『はい……』


先祖返り……?何だそれ?


「先祖返りって何のことだ⁉それに何で龍天の使鬼神になっただけで1発で白龍を倒せたんだ?」


白龍は単体では最強クラス。

しかも、紫月と緑陽が協力しても全く歯がたたなった。

それがなぜ、いきなり?


『白龍を倒せたのは使鬼神になるという契約に縛られるのを代償に力を得たためです。

その力は使鬼神を使役する者の力量に比例して上がります。

今の智樹様では、龍天様ほどの力を私たちに与えられません』


なるほどな。ようするに、まだまだだってことか。今の俺じゃ仲間を守れない……。


『そう悲観しないで下さい。彼方はいずれ龍天様を超える。

先祖返りとはそういう物です』


だから、先祖返りって何なんだよ!


『あ、そうでしたね。先祖返りとは、その名の通り先祖の中でも特に強い者の魂がいや……正確には魂の資質がその子孫に引き継がれることです。つまり、引き継がれる度に強くなります。その力を扱えるかは自分しだいですが……』


じゃ、俺の魂は龍天の物なのか?


「俺の魂は、龍天の物なのか?俺は龍天なのか?」


『どちらも違います。彼方の魂は彼方の物です。そして、彼方は彼方です。他の誰でもなく霧雨智樹です』


じゃあ、一体……


『資質とは言わば才能や能力の属性のことです。彼方と龍天はそれぞれ違う器に入っているけど、中身の持っている能力は同じ物だと思って下さい』


いまいちよくわからないな?とりあえず、俺が龍天なのではなく、俺の力は龍天の力と俺の力が合わさってるってことか。


ていうか魂なんて誰に転生するかわかんないし、たまたま子孫だったってことじゃないのか?


他の奴に転生してもこいつ等を使鬼神として使役出来るんじゃないのか?

先祖返りの意味は無いんじゃないか?


『そんな事はありません。私たちは彼方以外の者に転生した場合、使役されることはありません。と言うか、血族と先祖返りが重要なので、その条件が揃わない限り使役は出来ません。まぁ、特別な力的なものは使えると思いますが……』


なるほどなぁ……。


なんとなくこいつ等のことが分かって来た。

そして、俺自身のことも……。龍天のことも……。少しずつ、少しずつだけど……。


っと物思いにふけっていると、親父が……


「大体の事情は分かった。だが、分からないことが一つある。

何故、あの様な中級の妖が結界の中に入って来れたのか……。

小物ならまだしも……この町全体には妖を探知する結界を張ってあった。

それにこの寺にも妖が入れない様に結界が張ってあったはずだが?」


と言った。


えっ、そんな結界が張ってあったのか?

町全体?そんな事、可能なのか?

だとしたらどうやって入って来たんだ?


『それは……、おそらく結界の中から妖が何者かによって召喚されたのでしょう』


「そうか……人ならば結界の中に入ることは可能か。と言うことは相手は陰陽師なのか?」


『いや、そうとは限らねぇぜ!』


いきなり出てくんな!


「どういうこと?ってか、どうやって紫月は出て来たの?召喚した覚えはないよ⁉」


『そんなもん、根性だ!……なんてな、先祖返りってのは色々特別なんだよ!それより、智樹、龍夫が襲われてた時なにか感じなかったか?』


そんな事を気にしてる余裕なんかなかったからな~。

いまいち覚えてないな……。


「どういうこと?何も感じなかったけど……」


『まぁ、仕方ねぇわなぁ。上手く気配を消してたが木の影に誰か隠れてたぜ。そうだろ?緑陽?』


『はい。ですが、私はもしもに備えて智樹様のお側にいたため動けなかったので、何者かは確認出来ませんでした……。

結界を張ることも出来たのですが智樹様の霊力が一気に尽きてしまう危険もあったので……』


えっ、マジで⁉全然知らなかった!


……やっぱり今の俺じゃ……。


俺の力量なんてまだまだだ……初めての闘いで余裕もないからってそんな事にも気付けないなんて……。何が先祖返りだ!自分の才能に溺れて……いざという時になんにも出来ないじゃないか。


『当たり前です!彼方はまだ子供なんですよ?』



「それより、何故陰陽師じゃないと言える?」


親父は冷静に続きを促す。


『そいつからさほど霊力は感じなかった。もちろん妖力も。つーことは、考えられることは1つ、自分の命を力に変えているってことだ。

陰陽師ならそんなリスクを犯してまで非効率な事はしねぇ。てか、命を力に変えること自体が少ない霊力で召喚するよるも自殺行為だ』


そうか、普通は修行を初めて6年程度じゃ霊力が少な過ぎて使鬼神術は習得どころか、その修行さえ出来ないんだ。

もちろん、召喚なんてもってのほかだ。

条件的には俺は死んでもおかしくはなかったんだ……。


「そうか!その方法があったか……。いや、むしろそうだとしたらなおさら陰陽師の可能性が高いな……」


『あ?どういう事だ?』


珍しく紫月が驚いた口調で言った。


「前に智樹には言わなかったか?日本には3大陰陽師と言われる陰陽師たちがいたと。

龍天もその1人だが、その3人がそれぞれ築いた流派を3大流派という。

そして、どの流派もそれぞれ独特な闘い方をする。

そのうちの1つに自分の命を力に変えて使鬼神を召喚する禁術があったらしい」


『な、なんだと⁉そんなもん聞いたことねぇぜ?』


俺も聞いたことが無い。


まぁ、紫月が知らないのに俺が知っているはずも無いのだが……。


というより、自分の命を削ってまで召喚するなんてバカげてる。

故に禁術となったのか……。


『その流派とはもしや……蛾存流のことでしょうか?』


「左様。蛾存流とは文字通り3大陰陽師の1人、蛾存により開祖された流派であり、その特徴は霊力が少なくても扱える陰陽術を得意とする。

そのかわり、攻撃力の低さや強力な使鬼神を使う事が出来ない者が多い。よってその禁術が生まれたのだが」


さすが親父!3大流派に数えられる流派の現党首だけのことはある。

いざという時だ・け・は!頼りになるな。


『なるほど、これなら辻褄が合いますね。あなた程の陰陽師を殺すのにあの様な中級の妖をわざわざ使うとは考え難い……つまり、上級の妖を召喚出来ないと考える方が話しが合います』


という事は、陰陽師が黒幕という可能性が最も高いな。

けど、何故だ?何故、陰陽師が陰陽師を襲う必要がある?


「そうだな、そうだとしたら、早急に手を打たねばな。よし、分かった。この件はこちらで調べよう。何か分かり次第また話し合おう」



簡単に「こちらで調べよう」とか言えるのが凄いな……。

一体、どんなツテがあるんだ?

その後、とりあえず解散になったので俺はせっかくの休みなのでもう1眠りする事にした……。


受験勉強もいよいよ本気でやらないといけないのであまり更新は出来ませんが、これからもよろしくお願いします!

10話目で紫月が「お前如きの低級〜」と言ってますが、これは雑魚と言う意味で本当は中級です。

質問や意見も大歓迎です!

特に、悪い点などが有りましたらハートブレイクしない程度で言ってくださると嬉しいです!

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