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緑紫炎の陰陽師  作者: Ponkichi
第一章:出会いと始まり
11/19

運命の出会い

久しぶりの更新です。

遅くなってしまいすみませんでした。

これからも更新は確実にするので読んで頂けると幸いです!

『それでは、私達の全てをお話し致しましょう』


「ああ、話してもらおう。君たちが何者で何故智樹の使鬼神になったのかを……」


『少し話しが長くなりますがどうかお聞き下さい。

当時、(江戸時代)紫月は浪花、今で言う大阪を支配しようと勢力を伸ばしていた夜鬼衆。妖たちの頭でした。そして、私は江戸、今で言う東京を守る守護神たちの長でした。

ですが、紫月たちから浪花を守るために私もかりだされていました』


へー。……って、敵同士だったの⁉


『はい』


心の中読まれたーーー⁉


『私達は一心同体。考えている事など分かります』


そうなの?俺のプライバシーは?

いやいや、そんなことを考えているときではない。


「緑陽、話しを続けてくれ」


俺が続きを促す。


『はい。浪速と江戸の守護神やその兵士を出来るだけ動員しましたが、苦戦を強いられました。

しかし、私は紫月が襲っている妖は全て、人や妖たちに害をなす妖ばかりだと気付きました。ですが、殺しは殺し。黙認するわけにはいけませんでした……』


大阪と東京の守護神対紫月たちで紫月たちが押すって……紫月どれだけ強いんだ⁉


『私は浪花の長を説得し、紫月と会談の機会を設けました。

そして、浪花の守護神たちが人や妖に害をなす妖を今まで以上に取り締まりを厳しくし、監視の目を光らせるっと言うことでなんとかまとまりました。

しかし、そんなさなか……』


緑陽の目はとても遠くを、遥か昔の記憶を見ている様に見えた……



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


『緑陽様!申し上げます!』


緑陽のもとに部下であろう妖が焦った様子で走ってきた。


『落ち着きなさい。何があったのですか?』


緑陽は冷静に報告を聞いた。


『只今、人の町に巨大な妖が現れました!

結界専門の者たちを総動員していますが、いつ暴れ出すかといったところです!』


『そうですか……分かりました。では、私が直接見に行きましょう。』


緑陽は顔色一つ変えずに、そんなことは何処吹く風といった調子で言った。

もちろん、緑陽もことの重大さや、妖が最低限どれ程の力を持っているのか予想できた。

だが、自分が取り乱しては周りがもっと取り乱してしまう。


緑陽はそれを見越していた。


『お、お待ち下さい!危険です!しばらく様子見を!』


『だから私が直接様子を見に行くのです。下の者たちを犠牲にして報告を持っているなどもってのほかです!』


『ですが!』


『なんと言われようと私はいきます!』


『しかし、……いや、緑陽様は昔から一度決めたことは絶対に曲げない頑固者ですからね。では、私もお供致します!』


緑陽は頑固オヤジも真っ青な程の頑固者だった……。


『ありがとうございます。では、前に協力したあの浪花の長にも協力要請を出して下さい!あの長にはかしがありますからね嫌だとは言わせません!』


流石、多くの者を束ねる長だけはある。優しさだけでは務まらない。


『もう既に出してあります!』


『ふふ、彼方はつくづく優秀ですね。彼方の様な部下を持てたことを私は光栄に思いますよ』


緑陽の部下もやはり優秀だった。


『恐悦至極にございます。では、向かいましょう!』


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


現場に着くと、緑陽が思っていた以上にことは重大だった。

しかし、緑陽は余裕の表情で


『皆さん、大丈夫ですか?辛いと思いますがもう一踏ん張りです。頑張りましょう!』


『はい!オイッ、お前等!我等の勇姿今見せんでいつ見せるのだ!』


緑陽の一声で部下の士気は倍増した!


妖の正体は白龍だった。白龍は龍族の中でもとくに稀少だ。

白龍の個体は今まででこの一体しか確認されておらず、太古より生きている。しかし、人里に現れるのは今回が初めてだ。

形は日本風の細い龍と西洋風な太くてゴツいドラゴンの中間みたいな感じで少し太くて長い形だ。長さは60mくらいで、四つ足で高さは25mくらいある。

大きさはさほど巨大ではないが全ての妖の中でも単体の強さならば、確実に最強クラスだろう。


(これ以上、町に被害をだしてはいけ無い。しかし、これ程の妖をどうしたものか……)


『緑陽様!浪花から結界専門の者たちと兵士が到着しました!』


流石に立場上、長は来なかったが、中々の強者が揃った。


『結界専門の者は結界の方にまわして下さい!それ以外の者は私に続きなさい。しかし、無理は禁物です。

では、行きましょう。皆さん、ご武運を!』



『ちょっと待った!!!』


緑陽が妖に向かって走り出した瞬間、誰かが叫んだ!


『こんなに楽しそうな祭り久しぶりだ!俺も混ぜな!』


紫月が部下の中でも精鋭ばかりを従えてやって来たのだった。


『な、何⁉部外者は引っ込んでいなさい。あなたの実力は認めますがこればかりは許しません!』


『へっ、知るかよそんな事!いくぞ、野郎ども!俺たち夜鬼衆の力思いしらせてやろうぜ!』


『『はい!』』


紫月たちは緑陽の制止も聞かずに突っ込んでいった。



紫月たち夜鬼衆は総勢30ほど、対するは結界に縛られ動けない白龍一匹。


紫月たちが全ての妖力を込め渾身の1撃を放つ。


途轍もない光を発して、砂塵がまった。


『ヤッタぞー!』


その場にいた全ての者が勝利を確信していた。


……いや、ある2匹を除いては……。




『『まだだ(まだです)!離れろ(離れなさい)ーーー!』』


紫月と緑陽が同時に叫んだ瞬間、結界が破れ、砂塵が突風に吹き飛ばされたかと思うと、中から巨大な尻尾が振り下ろされた。

紫月は逃れたが、殆どの夜鬼衆が薙ぎ払われた。そして、そのうちの半数近くはその圧倒的な破壊力になす術も無く吹き飛んだで死んだ。


そこに残ったのはただの肉片。


『ふん、小賢しい……。うまれて100年程度の小僧どもが……』


紫月たちの攻撃が文字通り逆鱗に触れたのだった。

白龍にしてみれば、結界など薄い氷のような物だった。破るのなどたやすい。


『……おい……てめぇ、何したか分かってんだろうなぁ?』


『ん?私は目の前のゴミをはらっただけだが?』


『んだと?テメェだけは……テメェだけはこの命に換えても絶対に許さねぇ!!!』


仲間を殺られ怒りの沸点を超えた紫月の妖力が爆発的に増幅した。


『ぶっ飛ばす!!!』


紫月が突っ込もうとするが緑陽が制止させる。


『落ちつきなさい!彼方が闇雲に突っ込んだところで、彼らのにのまえです』



『うるせぇー!あいつはあいつだけは……この手で……!』


『分かっています。なにも退けなどとは言いません。私と彼方の力を合わせるのです。

みなの者聞きなさい私と紫月だけで行きます。夜鬼衆とあなた達は遠くから援護を頼みます!』


この状況で多勢で突っ込んでは、緑陽の言う通り、にのまえだ。

それに、紫月や緑陽程の力が無い限り数など関係なく一瞬で殺られる。


『二手に別れて攻撃しましょう。固まっていては的が大きくなるだけです!では、散!』


正面から突っ込み白龍の腕が振り下ろされる。その瞬間、左右に別れる。


ズドーン!!!


まるで爆発音のようだ。


攻撃をくらうとどうなるかは腕を振り下ろすだけでえぐれる地面と腕に纏う爆風が物語っていた。


間違いなく……死。


お互いの役目はお互いが攻撃出来る隙をつくりつつ攻撃すること。どちらも相手を気づかい、隙あらば突く。

何度も牙と爪を交えた仲。それ故に出来ることだ。


闘いが始まり1時間。


既に、体力も妖力も底を尽きかけていた。

残酷なことに死は1歩ずつ確実に近づいてきていた。


だが、対象的に白龍はほぼ無傷である。


そして、ついにそのときが来た。


『はぁはぁ……行きます!』


緑陽の体力はとうとう底を尽き意識は朦朧とし、殆ど目は開いていなかった……。


最後の力を振り絞り緑陽が駆ける。


がしかし、朦朧とした意識の中、緑陽が気が付いたときには既に大剣の如き大爪は眼前に迫っていた。


誰もが緑陽の死を覚悟したとき……


『緑陽ーーーー!!!』


叫ぶと同時に緑陽と白龍の間に滑り込んだ。

躊躇なく振り下ろされる大爪。


『ぐはぁぁっ!』


紫月は咄嗟に殆どない妖力をかき集め体を守ろうとしたが、深い傷を負い吹き飛んだ。飛び散らなかっただけまだましだった。


すぐさま紫月に駆け寄る緑陽。


『紫月っ!私のために……』


『気にすんな……ゴホッ……。守れなくて悪かったな。俺……お前のこと……』


紫月はあっけなく死んだ。僅か一発で……。


『私もです……。紫月』


そして、今度こそ振り向いたときには遅かった。





………は、……た……しは……私は死んだのだろうか……。


でも、紫月と共に死ぬのならそれも…………。


そのとき突然、誰かの声がした。


「死なせへん。君等はまだ、死なせへんよ。けど、君等の肉体は死んだ。今は魂だけや。でも、生き返らせる。僕には君等が必要なんや」


『どういう……ことですか……?』


「君等にもう一度、命をやる。けど、1つだけ条件がある。それは、僕の使鬼神になってほしぃんや。それでもいいなら君等に命をやる」


この人は一体……。


「僕は昇華院龍天。陰陽師や。これでもそこそこ強いんやでぇ?それに、白龍から仲間を守りたいんやろ?」


白龍っ!!!そうだ白龍を倒さねば!


陰陽師、昇華院龍天……この男を信じても良いのだろうか?しかし、この男を信じるしか道は無い。


『……分かった。条件をのみます』


「じゃあ契約を……我に忠誠を誓いし神獣たちよ、我と契りをかわせ!

……じゃあ、ぞんぶんに闘っておいで」


魂が体に戻った。そして目が覚めると


『あれ?私は生き返ったのですか?傷が無い?』


『あぁ、俺もだ。よく分かんねぇが、何にせよ助かった。』


「ほら君たち!早く白龍倒さんと被害大きなるでぇ?」


『はい!』


何だこの力は?妖力も白龍には劣るが格段とあがっている。


今ならやれる。力を合わせれば。私たちなら……。


『紫月!やりましょう!』


『おう!陰陽師の使鬼神になるのはしゃくだがしかたねぇ。くらえ!闇夜に輝く紫の月……紫閃月華……凶月神舞!!!』


『きめます!全てを照らす太陽の光……生命の根源……新緑陽華……照緑神舞!!!』


2匹の全ての妖力が口から大砲の如く放出される。


紫と緑の閃光が白龍を貫いた。


今更ですが、「・・・・・・」で囲んだ言葉が人で、『・・・・・・』はそれ以外です。


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