強者の覚悟!
更新が遅くなりました。
すみません。
週1ペースで更新していけたらと思っています。
頭だけになった妖はゴキブリの如き生命力で生きていた。
「目障りだ。虫酸が走るわ……」
だが、ケルベロスが踏み潰した。
正直、気持ち悪かった。
生まれて初めて見た大量の鮮血。
妖が死んでやっと気持ちに余裕が出来たのか罪悪感を感じ、それを吐き出す様に吐いた。
しかし、いくら吐こうとも罪悪感は拭い切れなかった……。
「殺す」ということの意味と責任。
敵とかどうとかの問題ではない、「死」というものに向き合う覚悟が俺にはなかった……。
「陰陽師」としての覚悟も……。
別に俺が直接殺したわけではない。けど、紫月に命令をしたのは俺だ。
(『あんま、気にすんな……って言っても無理だろうから言わねぇ。けど、アイツを殺ったのお前でも、俺でもねぇ。
ひでぇ言い方かもしれねぇが、殺ったのはケルベロスだ……』)
俺の心を察してか、俺の中に戻った紫月が言ってきた。
(『それに、そんなこと考えている暇があるならてめえの親父の心配でもしてろ!』)
そうだ、親父…親父は大丈夫なのか?
「父さん、大丈夫⁉」
俺は半ば叫ぶ様に親父に駆け寄った。
「あ、あぁ……なんとかな智樹こそ大丈夫か?」
「俺は大丈夫……だよ。父さんが無事で……よかっ……た……」
俺はそのまま意識が途絶えた…。
父さんが俺になにか言っていたが、気にする余裕はもう俺にはなかった…。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
俺は差し込む日差しで目を覚ました。
ここは……俺の部屋か⁉
「えーと、妖に父さんが襲われてて……俺が使鬼神を出して……えーと、それから……って今日学校じゃね⁉」
俺の部屋は2階にあるため急いで階段を降りて居間に行った。
居間ではいつもの様に親父がテレビを見ながらお茶を飲んでいた。
まるで、昨日のことなんて何も無かったの様に……
「お、智樹起きたか⁉」
の一言。
これが強者の余裕ってやつなのか⁉
「俺、どれくらい寝てた?」
「そうだなぁ、智樹が倒れたのが一昨日だから……1晩とまる1日かな⁉」
えっ!昨日のことじゃなくて、一昨日のことなのか!
やべぇ、中学校入学早々に休んだのか俺⁉
まぁ、ほとんど知ってる奴ばっかだから別に浮いちゃうとかの心配はないけど。
俺の通っている北澤第二中学校は俺が通っていた小学校の奴らと周りの小人数の小学校が集まっているので、ほとんど知ってるんだ。
「学校行かないと!今何時?」
「今日はまだ安静にしてなさい!智樹、あなたは霊力が枯渇して倒れたのよ!」
ヤバい母さんが怒ってる。
この状況で学校に行こうものなら……言い表せない。
「貴方もよ!昨日の夜まで智樹に霊力をほとんど休みなしで分けてたじゃない!
まだ本調子じゃないんだから無理しないの!」
やっぱり、母は強しってことで誰も母さんには逆らえない。
「「はい……」」
2人ともそう言うしか…なかった。
「そんなことより、智樹あの使鬼神はなんだ?しかも、2体同時に召喚するなんて。あの2体、両方ともケルベロスと同等に近い強さだったぞ!」
ケルベロスと同等に近い強さだなんて、そりゃそんなの2体も召喚すれば俺の霊力が枯渇してもおかしくはないな。
『そのことについては、私からご説明いたしましょう』
いきなり俺の頭のなかに緑陽の声が響いた。
『智樹様、私の体を仔犬くらいのサイズのイメージで、具現化出来るギリギリの霊力に抑えて召喚して下さい』
あ、あぁ。やってみるよ。
「汝、天照大神に仕えし光の守護神、緑陽!
我の前にその姿を顕現せよ!」
居間のテーブルに緑色の雷がおち焚き火程度の緑色の炎の中から小さな緑色の鹿が出て来た。
『それでは、私達の全てをご説明いたしましょう』
やっと、智樹の母親が出せました。
本当はもっと早い段階で出したかったんですが、なかなか機会がなくて…。
地道に更新して行くので、これからもよろしくお願いします!