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2

作者:
掲載日:2026/02/25

俺は、自分は頭がいいと信じて疑わなかった。

中学の最初のテストは、学年101人中16位だった。

正直、ここでハードルを上げすぎたと後悔した。

親と先生からは期待されて、友達には持て囃された。今見れば全体の約15%、そんな良い成績でもない。最初のテストだからほぼ小学校の内容で、それはそれは易しかった。逆に16位なのが恥ずかしいレベルじゃないか。

中間テストは、20位だった。ここで気付けるべきだった。俺は、努力が必要な人間だと。

学年末テストは、24位だった。どんどん落ちていく成績に焦燥感を覚えつつも、それでも、俺は地頭がいいから、で勉強しようとしなかった。

2年では、もっと落ちた。 1学期末テストは32位。中間テストは36位。ノートは真っ白だった。

しかし視えるのはインターネットという楽園。聴こえるのは不登校なりなよ、という甘くも無責任な言葉。

今でも覚えている。3月4日、俺は、逃げることを選んだ。不登校になった。


不登校になった俺に待っていたのは、ネトゲと、そこのフレンド達だった。

昼夜も逆転する怠惰な生活。溺れるほどのブルーライトと、何も見ていないと言わんばかりの黒い部屋。

スクールカウンセラーと精神科以外で家から外に出ず、太陽の光には頗る弱くなった。

やっていた部活にも顔を出さなくなり、顧問には受話器を鳴らされた。同級生からはスマホを揺らされた。その振動が、心配されたいという欲求を満たしてくれた。

少しすると、俺は進路という溝の淵に立たされた。

どうせ自殺するのだ、なんでもいいとさえ思っていた。

そんな思いとは裏腹に、目の前の溝に落ちないように、親は橋を見つけて、たくさんかけてくれた。

結局、通信制高校に進学した。


高校に入学した俺は、いつ死のうか悩んでいた。

毎度、ああ、今死んだら今まで親が俺にかけた金と時間が無駄になってしまうな。と立ち止まり、これから誰にも愛されない人生を送るのか?という疑問に、ほんの一歩背中を押された。

そもそも俺は恵まれている。SNSを見ればわかる。兄弟のうち俺以外全員を大学に出し、都内に戸建てを建てられる経済力の父。家族全員の家事を毎日こなし、パートにまで出ていた胆力の母。家族仲もそこまで悪くない。これで死にたいだなんて言ったら、きっとこの世の中は冷笑で気温が下がるだろう。

あと10歩もあれば、崖から落ちるようなところで、立ち止まっている。天国に堕ちていけるかもしれない。ここから飛べば、証明できるのかもしれない。頭が悪かったことを。

それでも走り出せないのは、俺がまだ希望を捨てていないからなのだろうか。

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