表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【TS転生スローライフ】孤独な傭兵から転生したら、両親から溺愛されるとっても幸せなスローライフ少女になれました!  作者: 藍埜佑


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

43/96

第43話「秋の実りと小さな感謝」

 グリーンヴェイル村では秋の収穫祭の準備が始まっていた。リリィは両親と共に、畑で最後の収穫作業に励んでいる。


 リリィは小さな手で大きなカボチャを抱え上げようとするが、重くてうまく持ち上げられない。


「リリィ、気をつけて!」


 テラが駆け寄り、娘を助ける。リリィは少し悔しそうな表情を浮かべる。


「パパ、私もみんなの役に立ちたいのに……」


 テラは優しく微笑み、リリィの頭を撫でる。


「リリィは十分役に立っているよ。ほら、見てごらん」


 テラはリリィが収穫したニンジンとサツマイモの山を指さす。小さいながらも、たくさんの野菜が積み上げられている。


 その日の夕方、村の広場で収穫祭の準備会が開かれた。リリィは両親と一緒に参加し、村人たちが協力して祭りの準備をする様子を見守る。


 アルドゥス村長が、みんなの前で話し始める。


「今年も豊作に恵まれ、本当に感謝です。これも皆さんの努力の賜物です」


 村長の言葉に、村人たちは頷きながら拍手を送る。リリィも小さな手をパチパチと叩く。


 準備会が終わり、帰り道。リリィは両親に尋ねる。


「ねえ、私たちの畑の野菜って、村のみんなの役に立つの?」


 フローラが優しく答える。


「もちろんよ。私たちの野菜は、村の人たちの食卓を豊かにするの。それに、余った分は都会にも届けられるのよ」


 リリィは目を輝かせる。


「へぇ、すごい! 私たちの野菜が、知らない人の役にも立つんだね」


 テラが付け加える。


「そうだよ。だから、一つ一つの野菜を大切に育てることが大事なんだ」


 その夜、リリィは眠る前に、今日見た景色を思い出していた。畑いっぱいに広がる野菜たち。村人たちの笑顔。そして、自分の小さな手で収穫した野菜たち。


 突然、リリィは小さな幸せに気づく。自分の努力が、誰かの笑顔につながっているという事実。それは、とても小さいけれど、確かな幸せだった。


「明日も、頑張ろう」


 リリィはそうつぶやきながら、幸せな気持ちで眠りについた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ