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2)離縁



 オリハはノアーク侯爵家の長女だ。オリハの上には長兄のミコトがいて、下には双子の弟シュウとスバルがいる。

 男ばかりの家族に囲まれたオリハは父や兄弟たちの愛に包まれて成長した。

 母は双子を産んだときに命を落とした。母を溺愛していた父は泣き崩れたという。母の命と引き換えに生を受けた双子も家族に愛されて育った。

 父の愛は平等だったと思う。けれど、母と瓜二つのオリハが父の特別な寵愛を得ていたことは紛う方なき事実だった。母は亜麻色の巻き毛に青水晶の瞳をした愛らしくも麗しい女性で、オリハは母の生き写しだった。


 オリハの政略結婚は、本当は父キアヌ・ノアーク侯爵にとって気の進まないものだった。これはずっとのちに知ったことだ。

 富豪のノアーク侯爵家は、経済的な理由などで可愛い娘を手放す必要はなかった。父キアヌはただオリハの幸せのために有望な家の嫡男を見繕おうとしていただけだ。

 ディメス伯爵家はノアーク家との事業が上手くいけば安泰だろう。クルトも条件的には良い青年だ。ゆえに一応、見合いの席を設けてみた。

 二人の婚約が整ったのは、オリハがクルトに惚れた様子だったからだ。それが決めてとなって二人は婚約した。

 クルトは優しかったが、それは表向きだけだ。本音では気が進まなかった。オリハは儚げ美人だったが、クルトの好みではなかった。クルトは華やかな女が好みだったし、性格も社交的で明るく甘えてくれるほうが好きだった。

 数か月のち、オリハが王立学園に通い始めたころにはすでにクルトは理想の女性と恋仲になっていた。ドミニク・ローエ。ローエ子爵家の娘だ。ドミニクはオリハの母方のいとこでもあった。

 性悪のいとこと浮気している婚約者を一途に思い続けるなんて、どう思い返しても馬鹿だった。


 新婚初夜に殴られ、気を失ったオリハは長い夢を見ていた。

 それは、まるで予知夢のようだった。あるいは、母が見せてくれた警告の夢だったのか。

 夢というものは不思議だ。夢だと思いながらも自分自身が体験しているかのように現実的だ。

 愚かな箱入り娘は、ろくでもない男に恋をした。

 調べればわかる嘘に欺され婚約者を蔑ろにするクルトという男は本当に無能だ。クルトはドミニクに欺されていた。虐められた、と涙目で訴えるドミニクの嘘を真に受けオリハを罵り続けた。

 その様を、オリハの侍従や侍女、護衛でさえも知っていた。クルトは上手くオリハにだけ聞こえる声で貶していたつもりだったが、不穏な様子に有能な使用人らは魔導具で記録をとることにした。

 当然、侯爵に報せはいっていたが、オリハがクルトを惚れ抜いていたので引き離さないでおいた。

 オリハの目が覚めるまで待とうと、侯爵は辛い選択をした。そのうちきっとオリハはクルトが愚者だと知る。そのときに離婚させたほうがいいと決めていたのだ。

 本音ではまだ婚姻前の婚約者のうちに目を覚まして欲しかったが叶わず、二人は結婚してしまった。

 そこまではオリハも知っている流れだ。だが、それからが少々というか、だいぶ違っていた。

 クルトは初夜に寝室にやってきて「貴様などと初夜を過ごすつもりはない」と宣った。

 オリハは愛しい夫の言葉に打ちのめされ、初夜を一人で過ごす。薬で媚薬は治めてもらったが悲しみに涙も涸れ果てた有様にクルト以外の誰もがオリハを不憫に思うが、オリハは愚かにも耐え続けた。

 クルトは結婚してからも浮気を続けた。

 オリハはクルトの妻になりさえすれば大事にしてもらえて、一緒に過ごせる時間も増えると思い込んでいたが、そんな期待は早々に打ち砕かれる。

 悲惨な結婚生活も一年が過ぎる頃、トルスティ帝国から次期皇帝であるカイム皇太子がやってきた。

 彼は学園や学院を視察し学院で行われていた催事でドミニクに出会う。

 夢のなかでオリハは、聞き慣れない情報を知る。

 トルスティ帝国の皇帝一族は、龍人の気質を色濃く残している。そのために子が出来にくい。龍人は、その昔、運命が定めた番としか子をなせなかった。

 今ではその血はだいぶ薄らいではいるが、先祖返りした龍人は昔の気質が強かった。

 カイムは、自分が惹かれた相手を娶りたかった。

 そんなカイム皇太子は、ドミニクを「唯一の女性」と感じ、ドミニクに「あなたはどちらのご令嬢か」と静かに尋ねる。

 ドミニクは皇太子にお声をかけられすっかり落着きをなくし、頬を火照らせ目を潤ませて「カイム様」と名を呼び醜態を演じ始めた。

 慌てて殿下の側仕えがドミニクを離れさせようとするが、ドミニクは皇太子に手を伸ばす。

 皇太子は再度、「名前を教えてくれ」と懇願する。

 ドミニクが何か言うよりも先にそのときドミニクの供をしていたクルトが答えた。

「ドミニクは私の恋人です。皇太子殿下ともあろうお方が、人の恋人にそのように近付かないでいただきたい」

 三角関係の様相を呈するが、カイムは「それは、失礼した」と苛立つこともなくそのときは矛を収めて別れ、ドミニクとクルトのことを調べた。

 その結果、二人が不倫関係だったことをあっさりと突き止める。当たり前である、二人の不倫は有名だったのだから。どこの誰に聞いても「二人は不倫関係です」という情報が得られるだろう。

 のちに、オリハも呼ばれて四人で相談し合うことになった。

 オリハは終始、悲痛な表情で俯いていた。

 皇太子が一応、もっとも上の立場ゆえに場を仕切るのだが、ここでさらに混乱を引き起こす問題発言をする。

「オリハ殿。あなたに私は強く惹かれる。この二人は不倫をするほどに愛し合っているようだ。どうか、離婚されて私のもとに来てくださらないか」

 皇太子に言われ、オリハは困った。

「でも、私は夫を愛しております」

「だが、御夫君はドミニク嬢を愛していると言っているが?」

「私たちは確かに政略結婚ですが、私は夫を愛しておりまして」

「オリハ! 皇太子に望まれているのだ、もう私たちは離婚しよう。私はドミニクを愛している。お前を生涯、愛する可能性はない」

 クルトにはっきりと言われ、オリハは涙を零した。

 とうに知っていることだった。お前など敵だと、愛する者を引き離す憎い仇めと顔を見れば罵られた。それなのに諦めきれない。

 ドミニクが皇太子と帝国に行ってくれれば、きっとクルトは自分を愛してくれるに違いない。そう思い込み、それしか考えられなくなっていた。

 オリハが俯いてなにも言えないでいるうちにドミニクが答えた。

「私がクルトを、恋人を諦めますわ。皇太子殿下と一緒に帝国に参ります」

 ドミニクがそう決断したことで話は決まった。

 オリハはクルトに鬼人のような目で睨まれ、間違っていたことを悟った。だが、今更取り消すことは不可能だった。

 ドミニクがトルスティ帝国に発つ日。

 領地に戻ろうとしないクルトに、オリハは愚かなことに寄り添っていた。睨まれ罵られながら。それでも「申し訳ありません」と涙ながらに詫びそばにいた。

 ドミニクの乗る魔導船が船着き場を離れ、視界から消えるとクルトはオリハを振り返った。

「貴様など、死んでくれたらいいのにな」

 クルトはオリハを睨んで歩き出す。

 夫の言葉に、とうに壊れてひびだらけだった心が打ち砕かれた。なんて愚かなんだろう。もっと前に心など粉々になっていれば良かった。

 オリハは夫の願いを叶えるために船着き場から川へと身を投げた。助けに入った侍従らの手でも救い出すことが叶わず、若い命を散らした。

 侯爵は最愛の娘を死なせたクルトを許さなかった。報復され、ディメス伯爵家は数年後に没落する。

 屋敷を追い出されたクルトはトルスティ帝国に向かう。

 帝国ではカイムとドミニクがおしどり夫婦のように仲睦まじく暮らしていたが、クルトが姿を現すと不穏な気配が漂い始める。ドミニクはクルトと浮気をしてしまう。

 それはトルスティ帝国とマゼリア王国との間に亀裂を入れる結果となり戦争へと突き進んでいく。

 元々、帝国とマゼリア王国は関係が悪かった。昔からだ。古い記録にあるころからしばしば緊張状態に陥った。

 その原因は「ジェイド公国」だった。

 両国の国境線に近接してあるジュイド公国絡みで、帝国と王国は何度も不穏な関係となった。ジュイドは帝国の手先のような、あるいは質の悪い豪商のような国だ。

 過去にはマゼリア王国は交易で填められ、王国側が関税の決まりを誤魔化したように仕立てられたこともある。そのさいは巨額の賠償をして収めた。ジュイドは付き合いたくもない国だが公国にしかない希少鉱石があり交易を辞められなかった。

 今回もジュイドは、帝国の輸出を禁じている武器を王国に勝手に流し、それを理由にトルスティ帝国が賠償をしろと命じてきた。妃の浮気に腹を立てた帝国が慰謝料を求める様相を呈していた。

 妃の浮気と王国は関係ない。ドミニクの家と皇宮の問題だろう。あまりのやり方にマゼリア王国は逆らった。

 けれど帝国に楯突くにはマゼリア王国は弱すぎた。国土の二割を失いようやく終戦するころにはノアーク侯爵家も痛手を負い侯爵と長兄は戦時に死亡、三男のシュウがノアーク家を継いだ。

 戦後、ジュイド公国の希少鉱石は、岩蜥蜴という魔獣の魔石を加工して代替品ができる見通しが付いた。これは未来が明るくなる報せとなった。戦中に開発が進んだ結果だ。救いようのない出来事の中の、唯一の救いだ。

 敗戦後の国境には、憎まれ惨殺されたクルトとドミニクの見窄らしい墓が寒風にさらされていた。墓石には誰の手によるものか「数多の難事を越え欲のまま結ばれた魂ここに緘する。永久に呪われんことを」と刻まれていた。

 酷く気分の悪い夢だった。なぜかその夢には「大罪の果て」という大層な題名がついていた。物語だとしたら不愉快な駄作なのに題名はずいぶん大げさだ。

 きっと予知夢だ、とオリハは確信していた。

 オリハは目覚めたとき目が重かった。頬に触れると泣き濡れていた。

「愚か過ぎる。私のためにお父様たちが」

 ぽつりと呟くと、また涙が溢れた。

 クルトへの恋心はとうに萎えかけていたが、悲惨な夢のおかげでさらに徹底的に霧消していた。

 一目惚れだと、きっと真実の愛の相手だと思い込んでいた。そんなものは妄想だった。

 あんなろくでなしを愛して。そんな価値があるのか、あの男に。愚かな娘はものを知らず、なにも見えず未熟で、妄想で形作られたまやかしの恋に溺れて。何度、誤った選択をすれば気が済むのだ。

「お父様、お兄様、申し訳ありませんでした。弟たちにも心配をかけた。ジルやみんなにも。もう馬鹿な真似は止める」

 オリハはそっと体を起こす。

 あちこちが痛む。頭は鈍くずきずきとするし、打たれた頬は熱を持っているようだ。身動ぎしたときに右足首にも痛みが走った。

「捻挫したのかしら」

 薬の匂いがする。頭に手を置くと包帯が巻いてあった。

 こんなに怪我をしているなんて思わなかった。ずいぶん容赦なく打たれたらしい。

「離婚、しよう。家に帰ろう。二度とクルト様には会わない。会いたくない」

 そう考えても、もう胸は痛まない。過ちに塗れた過去が悔やまれるだけだ。どれだけの時を無駄をしたのか。学園にも通えず、罵られ、ノアーク侯爵家の不評にもなってしまった。自分が馬鹿だったために。

 なんとか失態を取り返さなければとオリハが心に決めたころ、また眠気が襲ってきてオリハは体を横たえた。ほどなく意識は靄に包まれた。


 再度、目を覚ましてまどろんでいるうちにノックの音がした。

 顔を覗かせたのはオリハ付きの侍女セイラだった。

「オリハ様、お目覚めですか。ご気分は」

 ベッドに静かに歩み寄り優しい声をかけてくれた。

「気分は悪くはないわ。少し体が痛いくらい」

「すぐに治癒師をお呼びします。侯爵様もお越しです」

「お父様が」

「はい。オリハ様がお目覚めになられたことをお伝えしてきますが。先にお薬はいかがですか。昨晩、治癒師殿が、媚薬を中和する薬を打ってくださってますが」

 セイラは上半身を起こしたオリハの背に枕を宛がってくれた。

 オリハは昨晩の熱が消え、楽な理由を知った。

「薬は効いたから大丈夫。媚薬は抜けたわ。それよりお父様に会いたい」

「わかりました」

 セイラはすぐに踵を返した。

 オリハがくたりとベッドボードと枕にもたれていると、速やかに治癒師が姿を見せた。近くで待機していたのかもしれない、ほとんど待つことはなかった。

「痛みはいかがですか」

 彼は白い制服姿で髪は白髪交じり、穏やかな声の人だ。オリハはその優しい口調にほっと安堵した。

「頭は少し鈍くずきずきします。頬が熱い感じで。あと、動かすと右足首が痛みます」

「捻挫をされていたのですね。すみません、気付きませんで。掛け布団を剥いでよろしいですか」

「ええ、お願いします」

 オリハのほっそりとした色白の足先が布団から姿を現すが、その足首の辺りは赤く腫れていた。

 治癒師は手を翳して診察をする。魔力を持つ治癒師の診察の仕方は魔力を使うのだ。優れた治癒師なのだとわかる。

「骨は大丈夫です。ヒビもないですね。捻挫です。捻ったのですね」と所見を述べながら手早く湿布を巻いてくれた。

 ひんやりとして気持ちが良い。

 頭の包帯も変えてくれた。頭の傷のほうは治癒がされていて、まだ熱を持ちやすい状態だからと、こちらにも薬を塗った布を変えられた。頬にもひんやりとした湿布が貼られる。

 治療が終わるころに父と兄弟たちがやってきた。ディメス伯爵夫妻やクルトと、それに神官殿の姿もあった。

 あまりに速やかに大人数が集まり、治療が終わったばかりでぼんやりとしていたオリハは驚いて身動ぎをした。

「オリハ、具合はどうだ」

 父に優しく問われて、オリハは目を潤ませた。

 こんなにも父に愛されているというのに、本当に親不孝者だった。大好きな父をろくでなしの男と性悪女のために死なせてはならない。

「は、い。ご心配をおかけして、申し訳ありませんでした」

 零れそうな涙を堪えて答える。

「いいんだよ、いいんだ。痛みはどうだ?」

「治癒師のかたが湿布を変えてくれたので少し楽です」

「そうか。お前が暴行を受けたときのことを確認しておきたいので教えてくれ」

「昨晩のこと、ですか」

 とオリハは震えそうな手指をきつく握って抑えると唇を開いた。

「クルト様が寝室にやってきて『貴様などと初夜を過ごすつもりはない』とすぐに出て行かれようとしました。それで私はこれからのことを話したいと思って待って欲しいと、そう止めたのですが『近寄るな。穢らわしい』と」

 オリハは話ながら辛くなり唇を震わせた。父が傷ましげに背を撫でてくれる。オリハは息をついて再度口を開く。

「それから、殴られました。それだけです。体が倒れたようです。どこかに頭をぶつけたと思います」

「わかったよ。よくわかった」

 キアヌはそっと娘を抱きしめた。大事に育てた娘をここまで痛めつけられ、守れなかったことを悔やんだ。

 ディメス伯爵夫妻はそっと神官の精霊石に視線を向ける。

 石は澄んだままだった。わかっていた。侍従の証言と一致しているのだから。婚約のころから浮気をし、最後には初夜に暴行事件を起こした息子にいったい幾らの慰謝料が請求されることか、夫妻は恐ろしさに震えた。

 それだけではない。金で済めばまだ良い。ノアーク侯爵家の宝と寵愛されていた美貌の令嬢に暴力を振るったのだ。金では済まない報復をされるに決まっている。

「離婚で良いな」

 父に確認され、オリハは頷いた。

「はい」

「離縁の書類を揃えろ」

 主に命じられ、侯爵の側近はすぐさま動く。

 キアヌはさらに「オリハの荷物を纏めよ。もう二度とここには来ないからな」とオリハの侍従に命じた。

「はい」

 ジルとセイラが待ちかねたように仕事にかかった。

 テーブルに書類が広げられ、キアヌはオリハに「署名をできるか」と柔らかく尋ねる。

「お父様、足首も捻ったらしく右足が痛むのです」

 オリハが掛け布団をそっとめくり包帯の巻かれた足先を見せるとキアヌの目が傷ましく歪んだ。

「そうか」

 そう酷い怪我ではないにも関わらず、オリハが儚げで小柄で華奢な美人であるために余計に傷ましく見える。

 もはやディメス伯爵夫妻は顔を上げる気力を失っていた。

 オリハの分の署名は下敷きを使ってベッドで済ませ、全ての書き込みは速やかに終わり有能な侯爵家の側近が確かめた。

 慰謝料の請求は弁護士を間に挟んでやり取りされると告げられる。侯爵家の敏腕弁護士は容赦しないだろう。

 荷物を纏める作業も滞りなく終わった。

 最後にオリハは神官殿がいる間にクルトに告げておきたいことを思い出した。

「クルト様」

 と名を呼ぶと、あれほど傲慢不遜だった婚約者は人が違ったように萎れた顔を上げた。

「あなたは私をビッチと呼びましたが、私は誰とも肉体関係を持ったことはありません。あなたの恋人のドミニクなど虐めることはおろか顔を見たこともありません」

 クルトは目を見開いて神官の胸元の精霊石を見た。

 石は泉のように澄み切ったままだった。

 キアヌは凍るような目で娘の元夫を一瞥すると神官に丁寧に礼をした。神官はオリハへ慈愛の目を向けて頷き「証言はいつでもいたしましょう」と厳かに告げて先に辞した。

 ノアーク侯爵も側近や護衛を従え子息らとともに退室した。オリハはガウンに包まれて長兄が抱き上げて運んだ。

 室内にディメス家の者だけが残された。

 ディメス伯爵はぐったりと項垂れて吐息をつくと顔を上げた。

「クルト、勘当だ。荷物を纏めておけ」

 人が減り急に温度の下がったように感じられる室内に、冷えた声が響いた。



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