第7章 亀裂の果て
もし、あなたの大切な関係が、一瞬の出来事で壊れてしまうとしたら――
その瞬間、あなたはどう感じますか?
怒り、悲しみ、無力感……どれが一番先に心を覆いますか?
第7章では、これまで静かに広がっていた亀裂が、一気に表面化します。
友情、信頼、そして孤独――三人の絆が試される瞬間を、あなたは目撃することになるでしょう。
放課後の教室は、いつもより早く薄暗くなっていた。
窓の外の空は夕日に染まり、長い影が机や椅子を引き伸ばす。
美空は、また噂の対象になっていた。
昨日の屋上での出来事を知った一部の生徒が、教室の端から小さく囁く。
その囁きが、少しずつ彼女の心を追い詰める。
「もう、やめて……」
美空は小さな声で呟き、机に顔を伏せる。
だが、言葉は誰にも届かず、教室の空気は重く、冷たく沈んでいた。
優斗は、いつも通り笑顔を作ろうとするが、その裏にある苛立ちは隠せない。
「なんで、誰もちゃんと見てくれないんだ……」
彼の声は低く、けれど凛には届く。
凛はその場に立ち尽くす。
手を伸ばしたい、助けたい。
でも、何をしても状況はさらに悪化するように思えた。
そして、ほんの些細なことが決定的な事件を引き起こす。
女子生徒同士の小さな言い争いが激化し、思わぬ衝突が起きたのだ。
クラス全体の視線が集中し、三人の関係は崩れる。
凛は、これまで感じたことのない孤独と絶望に襲われる。
教室の中に、誰も救えない現実があった。
そして、その日を境に、三人の絆は取り返しのつかない方向へと動き始めた――。
もし、あなたが大切な人を守れなかったら――
あなたは自分を責めますか?
それとも、状況を恨みますか?
凛たちは、初めて取り返しのつかない崩壊を経験しました。
友情も信頼も、もろく、壊れやすいことを突きつけられたのです。
次の章では、それぞれがどう立ち直り、あるいはさらに迷走するのか――
あなたなら、誰を助け、誰を見捨てますか?