第六話癒しの温泉町へ
第六話癒しの温泉町へ
アルマから教えてもらった場所の景色は想像以上に美しく、セフィナは涙を流しながら星を見続けていた。
そんなセフィナを見て俺は助けられなかったセフィナの妹のシェリエルに誓った。
『アンタのお姉ちゃんは俺が必ず護る』
俺のその誓いに応えるように一つの星の光が強くなった。
「グレンさん見てください、光が強くなりましたよ!!」
セフィナの無邪気な笑みは輝いて見える反面、星光で輝くセフィナの義手が護りきれなかった俺への戒めとさえ受け取ってしまう自分がいることに驚きも感じている。
「なあセフィナ、困ったことがあれば必ず俺に言ってくれ」
「ありがたいですが、それでは対等とは言えないと思うので私にも頼ってください」
護り合うことを星空の下誓った俺たちは次の目的地を決めていた。
「この辺りに身体を癒せる町……みたいなところってあるの?」
「身体を癒せる町か……それならマグダエルとかじゃないか。あの町には温泉があるから身体を癒す場所としてはいいんじゃないか」
「でも私、義手だけど入っても大丈夫なのかな」
「安心しろ、防水になっているから入れるぞ。それにあの町の温泉には迷信的なものがあるんだ」
「迷信とはどのような?」
「マグダエルの温泉に浸かるとどんな傷も癒えるってものだな。まあ迷信だろうがな」
俺が迷信を伝えるとセフィナは考えに耽った。
「どんな傷も癒える……行ってみませんか、マグダエルに」
欠損までは治らないと思うが、俺たちの身体はいわば魔力回路……もし迷信が本当ならばセフィナの義手を介しての魔法の威力も格段に増幅するはずだ。
「行ってみる価値はあるな」
「それじゃあマグダエルにレッツゴー!!」
「お前そんなキャラだったか?」
「ただの真似ですから気にしないでください」
誰の真似だと聞こうと思ったが、楽しそうなセフィナを見て聞くのをやめた。
俺たちは綺麗な場所を教えてくれたアルマとドルチェに感謝を伝えて町を後にした。
走っているセフィナは
「グレンさん、マグダエルってどこですか?」
と言いながら振り向き立ち止まった。
「道が分からないのに先に行っていたのか」
「申し訳ありません」
「別に謝ることじゃないだろ」
俺たちはマグダエルに向かうためにスティン街道を進んでいるのだが、面倒な奴に出会ってしまった。
「あれ、グレン先輩じゃないっすか。どうしたんすか聖女様を連れて……もしかしてデートっすか、羨ましいっすね〜」
「お前どうしてここにいるんだ?」
「人手不足らしくて支部異動したんすよ。そういえば聖女様には妹がいるって聞いたんすけどどこにいるんすか、美人って聞いて楽しみにしてたんすけど」
「おい、マキナそれ以上は言うな!!」
隣にいるセフィナからは負のオーラが溢れ出て瞳は翳り始めた。
「……あぁ、これもしかして聞いちゃダメなやつか〜」
「いえ、いいんです。グレンさん、説明しましょう」
「本当にいいのか? どう考えてもこいつに言うのは間違いな気がするんだが」
「いずれは公になることですから、遅いか早いか……ですよ」
セフィナは自分で今までの経緯を説明した。
「本っ当に申し訳ありませんでした!! 何も知らずに失礼なことをベラベラと……ここを通るってことはマグダエルに行くんすよね。お詫びにこれ使ってください」
マキナはそう言ってセフィナに温泉の割引券と牛乳の引換券を渡した。
「それじゃあ俺は失礼するんで、お二人さんお気をつけて〜!!」
マキナは全速力で走って姿を消した。
「なんだか得をした気がしますね」
「……無理することないんだぞ」
「無理をしていないと言えば嘘になりますが、私は大丈夫です」
「嘘をつけ、俺は今までそう言って耐えられず自ら命を絶ったやつらを何人も見てきた。難しいのは分かるが吐き出せる時に全て吐き出してくれ……頼む」
俺みたいな知り合って間もない相手に溜め込んだものを吐き出せというのは無理があることだということは理解している。
「町に着いてからでもよろしいでしょうか?」
セフィナの提案を俺は受け入れ町へ向かった。
マグダエルの町の賑わいは凄まじく町の外まで響き渡るほどだった。
「らっしゃい、らっしゃい、マグダエル名物温泉饅頭おひとついかがかな!」
ザワザワ
「本当に賑やかですね。……それで話でしたね、悩みでしたらこれから全て話します」
セフィナは町の外に腰掛けることのできる岩に座り話を始めた。
十二分後
「こんな感じです。……吐き出したらスッキリしました、ありがとうございます。それではグレンさん、気を取り直して温泉に入りましょう♪」
「……そうするか」
セフィナから悩みを聞いた俺たちは目的の温泉に浸かることにした。
読んでいただきありがとうございます!!
更新は出来るときにしますね




