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60 遺跡探索について2

「いいだろう。お前の力は前回の魔物退治で見ているし、能力としては十分だ」


 ヴィオラがうなずいた。


「遺跡の探索には私も行く予定だ。よろしくな」

「えっ、ヴィオラも?」


 予想外の言葉に、俺は思わず聞き返した。王女自ら、危険な遺跡探索に赴くというのか?


「調査の結果いかんで王国の命運を左右するかもしれない。私が行くのは、おかしなことではあるまい?」

「……最難度の探索なんだろう?」

「だからこそ、だ」

「勇敢な王女様だな」

「ん? 惚れたか?」


 ヴィオラがニヤリとする。


「はは、君の新たな魅力を知った思いだよ」


 俺は軽口を叩いた。


「ちょっと、ディオン……」


 ジュリエッタがジト目で俺を見ている。


「いや、冗談だ」

「もう……」

「はは、ヤキモチを焼かせたか? 悪いな、ジュリエッタ」

「ち、違うから……」


 ヴィオラの言葉に、ジュリエッタは頬を赤くした。


 ヴィオラは笑みを深くし、俺に向き直る。


「それともう一人――」


 と、さらに視線を移した。


「ウェンディも同行する」

「えっ……ウェンディまで!?」


 俺は驚いてウェンディの方を見た。


「えへへ、あたしの【植物魔法】が遺跡を攻略するのに重要なんだ、ってヴィオラちゃんから言われたんです」

 ウェンディは照れたように説明する。

「【植物魔法】が……?」


 今回の遺跡は、俺が知るゲームの知識には登場しない未知の場所だ。だから攻略情報は皆無である。


 これは、詳しく聞いておく必要があるな。


「遺跡内には多くのトラップや守護モンスターが存在する。そのほとんどが植物系のモンスターのようだ。ウェンディの力があれば、それらを調伏できる」

「植物系のモンスター……なるほど」



 確かに、それはゲーム内でもウェンディが持っていた能力だ。


【植物魔法】の力の一端として、植物に由来する眷属――つまり植物モンスターを従え、仲間にすることができる。


 一種の【テイム】だ。


 ただ……その力を使うには条件があった。


 ウェンディの【植物魔法】が、ある程度のレベルにまで達していることがその条件なんだけど――。


「君の【植物魔法】がパワーアップしてから、それほど日が経っていないはずだろう? もう調伏なんて真似ができるようになっているのか?」


 俺の疑問に、ウェンディはふわりとした微笑を浮かべた。


「はい、たくさん訓練したんです」

「彼女は努力家だもの」


 ジュリエッタが誇らしげに、そして嬉しそうに言った。


「訓練って……具体的にどんなことをしたんだ?」


 俺はウェンディに問いかける。短期間でそこまでレベルアップするなんて、尋常じゃない。


「えっと……森に行って、植物たちとたくさんお話したり……」

「話す?」

「はい。植物の声を聞いて、私の【魔力】を少しずつ分け与えたり、逆に植物から【魔力】をもらったり……そうやって、お互いの繋がりを深める練習をしました。あとは、小さなマンドラゴラとか、弱い植物モンスターにお願いして、調伏の練習相手になってもらったり……」


 ウェンディは当時を思い出すように遠い目をしながら説明してくれた。


 森で一人、植物と対話し、魔力を交わし、モンスターと心を通わせる……。想像するだけで、地道で根気のいる作業だ。


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敵国で最強の黒騎士皇子に転生した僕は、美しい姉皇女に溺愛され、五種の魔眼で戦場を無双する。


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