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43 強化の代償

「ステータスアップ系か、それとも自分の潜在能力を引き出したのか――今のはそういうスキルだったのか?」


 ヴィオラがたずねた。


「まあ、似たようなものだ」


 俺は苦笑交じりにうなずく。


「……と、申し訳ありません、ヴィオラ様。敬語を使っていませんでした」


 少し前から、自分自身を『強化』したことへの高揚感があったのか、ヴィオラへの敬語を忘れてしまっていた。


 もともと彼女自身がそういったものにこだわらない雰囲気を出していたとはいえ……不覚だ。


「どうでもいい。公的な場でもないし、普通に話してくれ」


 ヴィオラが微笑む。


「年頃も似たようなものだし、友人としての話し方をしてくれた方が、私は嬉しい」

「……では、お言葉に甘えるよ」


 俺は微笑み交じりにうなずいた。


「本来の自分では出せないようなパワーとスピードを実現した反動で、しばらくは動けそうにないな。他にも魔物がいるようなら、残念ながら戦力外だ」

「他の魔物か……」


 ヴィオラは騎士たちを振り返った。


「どうだ、お前たち。ディオンが倒した二体の他に、まだ魔物の情報はあるか?」

「いいえ、ヴィオラ様」


 騎士の一人が首を左右に振る。


「そもそも、先ほどの魔物も突然の襲来でしたから、同様に新たな魔物が現れない保証はありませんが――」

「確かにな。そこは騎士団全体で連携し、王都の治安維持に努めてほしい」


 と、ヴィオラ。


「承知いたしました」


 騎士たちがうなずく。


「では、いったん撤収しようか。あらためて王都の警護態勢を整えねばならんし、ディオンの手当ても必要だ」


 と、俺を見るヴィオラ。


「魔物退治の英雄だ。お前たちで協力してディオンを運んでくれ」

「もちろんです、ヴィオラ様」


 騎士たちが笑顔でうなずいた。


 それから俺の元に歩み寄り、


「大丈夫ですか? 後は我々があなた様をお運びします」

「それにしても、素晴らしい剣の冴えでした」


 と、口々に俺を褒めてくれる騎士たち。


 ちょっと照れくさい。


「歩く程度ならできそうですが、あまり力が入らないので、馬車のところに行くまで肩を貸していただけると――」

「もちろんですよ!」


 騎士の一人が進み出た。


「さあ、私の肩に捕まって下さい」

「私も、反対側から支えましょう。ディオン様は楽に、楽に」


 みんな、親切だ。




 ――こうして俺たちは王都の魔物退治をいったん終えて、王城まで戻ってきた。


 すべてが解決したわけではないが、いったん小休止だ。



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敵国で最強の黒騎士皇子に転生した僕は、美しい姉皇女に溺愛され、五種の魔眼で戦場を無双する。


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