42 決着
圧倒的なパワーが湧きだしてくるのを感じる。
「これが――俺の潜在能力か……!?」
今までとは、まったく違う。
体が異常に軽い。
軽く踏み出し、ダッシュするとそれだけで敵を追い越し、その背後に回り込むことができた。
ぎおおおっ!?
戸惑ったような雄たけびの後、二体のサンダーライノは素早く反転して突進してきた。
速い!
……けれど、その動きはすぐにスローモーション映像のようにゆっくりになった。
反応速度も大幅に上がっているのだ。
俺は二体の攻撃を余裕で避け、すれ違いざまに剣を繰り出した。
ざんっ!
一体のツノを切断する。
ぎおおおおおおおおおおおっ!
苦鳴を上げるサンダーライノに、俺はさらに斬撃を見舞った。
頭から尾までが真っ二つになる。
「スピードに反応、そしてパワーも……あらゆる能力がアップしてるらしいな」
俺は剣を一振りして血糊を払うと、もう一体に対して手招きをした。
「来いよ」
いい加減に決着をつけてやる――!
そして。
短い戦いは終わった。
潜在能力を解放した俺は、もう一体のサンダーライノも苦も無く倒すことができた。
剣の天才であるヴィオラですら苦戦していた相手を、こうもあっけなく――。
ただ、手放しで喜ぶには早かった。
「ぐっ……ううう……」
戦いが終わった途端、体のあちこちが鈍い痛みを発する。
「うぐぐぐ……」
駄目だ、立ち上がれない――。
俺はその場に崩れ落ちた。
「どうした、ディオン!?」
驚いたように駆け寄ってくるヴィオラ。
「ど、どうやら……」
俺は苦痛にうめきながら彼女を見上げた。
「筋肉痛らしい」
それも、とんでもなくキツいレベルだ。
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