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36 ヴィオラとのひと時

 俺はバルコニーでヴィオラと向き合っていた。


 綺麗な真紅の髪が風になびく。


 髪だけじゃなく、瞳も、そして身に付けたドレスも、すべてが真紅だ。


 その美しさと鮮烈さに俺は見とれてしまう。


「どうした? 私に見惚れていたか?」


 ヴィオラがニヤリとした。


「噂にたがわぬ美しさゆえに」


 俺は平然と返す。


 同時に【鑑定】を発動した。


 ヴィオラ・グレイス――剣術S、指揮S、カリスマS……かなり能力が高そうな鑑定結果が出た。


 間違いなく傑物だ、この王女は。


「ふん、軽薄な台詞だ。だが、目は笑っていないな」


 ヴィオラが俺を見つめる。


「まるで私を見透かすような目……そんな目をした男には初めて出会う」


「私はただ、あなたに見惚れていただけですよ?」


 俺は微笑んだ。


「お前もかなりの美男子じゃないか。私たちは美男美女だな。お似合いだと思わないか」

「光栄です、ヴィオラ様」


 彼女の言葉こそ軽薄だ。


 が、その目は笑っていない。


 俺の態度や言葉から、何かを探り出そうとしている――そんな気がした。


 念のために【人心掌握】は使わないでおこう。


「魔物との戦いはどうだったんだ? お前も自ら剣を振るったのか?」

「はい、騎士隊と一緒に」

「ほう……」


 ヴィオラが身を乗り出して、俺にたずねた。


「手ごたえはどうだった?」

「やはり強いです。私は、危うく殺されるところでした」

「お前もかなりの使い手に見えるが」

「それなりに剣は遣えるつもりです。ただ、魔物はとにかく大きく、強く、そして速い――実際に戦ってみると、想像以上に難敵でした」

「なるほど……実は、私は魔物と一戦交えてみたいと前から思っていてな。お前の話を聞いてみたかったんだ」

「ヴィオラ様は剣の達人でしょう? 私と違い、討伐することも可能なのでは?」

「ほう?」


 ヴィオラがすうっと目を細めた。


「私が剣を遣うことは、一部の者しか知らないのだが……なぜお前は知っている?」


【鑑定】によって剣術Sと出たし、彼女が剣の達人であることは周知の事実かと思い込んでしまった。


 今のヴィオラの口ぶりだと違うんだろうか?


 それとも――。


「ちょっとした動きやたたずまいを見れば、分かります。あなたの実力が」


 俺はヴィオラを見つめた。


「それに魔物に興味を持つところからも、武人としての精神性を備えていると推察しました」

「……なんでもお見通しか」

「いえ、ただの想像です。それがたまたま当たっただけですよ、ヴィオラ様」


 俺はにこやかに説明した。


 ――と、そのときだった。


「ご歓談中、失礼いたします!」


 一人の女が走ってきた。


 メイド服で、もしかしたらヴィオラの侍女だろうか?


「王都内に魔物が現れた、との報が! ヴィオラ様もお気を付けを」


 俺はそれを聞いて驚く。


 王都に魔物出現だと――?

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敵国で最強の黒騎士皇子に転生した僕は、美しい姉皇女に溺愛され、五種の魔眼で戦場を無双する。


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