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31 ギガントウルフ討伐


【ギガントウルフ】。


 全長は七、八メートルといったところか。


 その名の通り巨大な狼のような外見をしている。


 魔法は使わないが、近接戦闘能力は上位レベルの厄介な魔物だった。


 毛皮は鋼のように固く、半端な斬撃など弾き返してしまう。


 ただし、熟練した騎士ならば剣でダメージを与えることも可能だ。


「……!」


 その威圧感に俺は息を飲んだ。


 ゲームでは主人公であるウェンディやその仲間たちを操作して、何度も戦った相手だ。


 けれど、現実に存在する魔物は迫力がまったく違う。


 圧倒的な『リアル感』がある。



 こうして向かい合っているだけで、全身が震えるほどの――。


「取り囲め! 一斉攻撃で仕留める!」


 俺は恐怖心を振り払い、騎士たちに指示を出した。


 怖い、なんて言っていられない。


 俺がこの領地を守るんだ。


 恐怖以上にそんな使命感が湧いてきて、俺は闘志を奮い立たせた。


「まずは私が!」


 と、ナーガルが剣を手に突進する。


 他の騎士たちも別々の方向から【ギガントウルフ】に向かっていく。

 と、


 しゅんっ!


 一瞬の間に【ギガントウルフ】はその巨体からは信じられないほどのスピードで、彼らの背後に回り込んだ。


「速い――!」


 俺はハッと振り返る。


「ぐあっ!」


 騎士の一人が爪の一撃を受け、吹き飛ばされた。


「ぎゃあっ!」

「うぐうっ!」


 さらに二人、三人と――超スピードで動き回り、重量級の一撃を繰り出してくる【ギガントウルフ】の前に騎士たちが次々に傷ついていく。


「つ、強い……!」


 ゲームなら適切なコマンドや、相手に相性のいい攻撃など、正確な判断能力や知識があれば、まず負けることはない。


 でも、これはゲームとは違う。


 まったく違う。


「これが、現実の戦闘なのか……!」

「ディオン様!」


 と、騎士の一人が叫ぶ。


 気づいたときには【ギガントウルフ】が目の前に迫っていた。


「しまっ――」


 自分の考えに気を取られ、敵への反応が遅れてしまった。


 ほんの一瞬のことだったのに。


 その一瞬が戦場では命取りなんだ。


 これが、本物の戦場なんだ――。


「くっ……」


 とっさに剣を掲げたのは、半ば本能だった。


 があっ!


 怒りの声を上げ、跳び下がる【ギガントウルフ】。


 さっきの俺の行動は偶然にもカウンターのようになって、敵を傷つけたらしい。


「助かった……」


 けれど、状況が好転したわけじゃない。


 むしろ傷を負った【ギガントウルフ】は怒りに任せて、より速度を増すかもしれない。


「ディオン様、新手です!」


 と、誰かが叫んだ。


 ぐおおおおおおおおおんっ!


 遠吠えが聞こえ、すさまじい威圧感を放つ何かが近づいてくるのが分かった。


 まさか――。


 俺はゴクリと息を呑む。


【ギガントウルフ】が他にもいるのか――?

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敵国で最強の黒騎士皇子に転生した僕は、美しい姉皇女に溺愛され、五種の魔眼で戦場を無双する。


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