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スキル「緊急回避」で無敵スローライフ  作者: あるまん
第二章
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 「おねえちゃんみてみて、すごいよー♪ これってぜんぶ、おみずなの?」

 「そうよ♪ 私も最初見た時びっくりしちゃったんだから♪ さ、近くに行ってみましょうか♪」


 ルナちゃんの歓喜の言葉にアテナが答え、2人で波打ち際に駆け出す。俺はそれを見て半年以上前、狩人のライセンスを取る為、初めてアテナとここ、木材問屋の港町の浜辺に来た時の事を思い出す。

 元の季節でいうと晩夏にかかっているが、この日は絶好の海水浴日和だった。


 「何だかんだでやはり姉妹だな、アテナもああやって燥いでたっけ……」

 「何か子供の成長を見る親のような目になってるぞ、ご主人よ……」

 アルテミス(少女)は柑橘系のジュースをストローで飲みつつ、ビーチチェアに横たわり、そう言って呆れる。

 俺への呼称だが主従契約を解除してからも変わっていない。まあ今更俺の事を名前呼び等するのも慣れないかもだが、まぁこの辺は、結婚してからでもいいか。

 アルテミスの俺への愛は、どうなんだろうな? 無論愛しているのは確かだが、結婚となるとまた違う感じがする。

 とはいえ少なくともアテナとルナちゃんがいるうちは一緒にいてくれると言ってくれた。まあ結婚しても付かず離れず、今くらいの程よい関係を保ちたいな。


 「わたくしと出会っていない時のお話でしたか? アテナ様、アルテミス様とはやはり出会う時の差が大きいですわね……夜のご奉仕の差で挽回せねば」

 「挽回すんな! そもそもアテナはともかく、アルテミスとはそこまで差がないだろうに」

 浜辺の海の家で買ったエールを片手にネメシスが声をかけてくる。そういえば前世と違い彼女の年齢は未成年ではなかったのだな。今は午後3時ほど、酒の時間としては早いし、貴族のイメージとしてはワインを片手に、といったイメージだが。

 「わたくしは貴族であると同時に、冒険者でもありますのよ♪ PTメンバーと一緒に夜更けまでエールを飲み明かした日も珍しくありませんわ」

 そういって俺とアルテミスにも持ってくるかと聞く。泳ぐ気はないがアテナとルナちゃんにもしもがあってもアレだし、流石にこの時間から飲み潰れるのも、と思ってやんわりと断る。

 「もうっ、この程度のお酒で酔う筈もございませんですわっ♪ アテナ様のフライでしたら溺れる等生命の危機を感じたら無意識に海面に浮かび上がるでしょうし、ルナ様もそう危険な場所で遊ばせる事もしない筈ですわ」

 そういいつつもネメシスの顔はほんのりと赤くなり、ビーチパラソルの下で涼む俺の横に腰掛け顔を近付けてくる。

 何時もの濃紫のローブ姿と違い、薄桃色のビキニに同色のパレオを纏い、赤い花のついたサーフハットを被って、そのはしたない胸をたゆんたゆんと揺らし、その胸圧と谷間に滴る汗のフェロモンで俺を誘惑してくる。全くけしからんな……♪


 「こんな昼過ぎから、何を盛っておるのじゃ、このケダモノどもがっ!」

 アルテミスがそうやって立ち上がり、邪魔ゲフン!助け舟を出してくれる。彼女は何故か紺色のスクール水着の様な服を着ている……しかも旧型だ。一体選んだのは誰だろうな……。

 「しかしご主人が選んだこの水着、何故こんなにサイズがぴったしなのじゃ? わしは教えた覚えなどないぞ! それに何でこんな所が開くようになってるのじゃ?これではへそが見えるではないか!」

 アルテミスはプリンセスライン下の水抜き穴をぺろりとめくり、その無防備なへそを見せてくる。実際の旧スク水では本来見えない様な工夫がされているらしいけど、そこは浪漫で押し通した(懇意のコスプレマニアゲフン!仕立て屋に頼んだ)。


 「貴方達、人が見てないと思って……いい加減にしなさいよ……」

 「うおっ!!」

 いつの間にかアテナが、疲れて眠りかけているルナちゃんをアルテミスが避けたビーチチェアに寝かせつつ、俺の横に立っていた。

 

 無論その水着は……真っ赤なビキニに決まってるじゃないですか、奥さん♪


 年齢相応に? ささやかなアテナの身体だが、それでも赤ビキニが似合うと本能で感じていた。本能だしシカタナイネ。

 先ほどのルナちゃんとの遊びで、胸元が少しずれかかっているのに気付いていないのも興奮ポイントだ♪ も、もう数cmずれていただけないでしょうか、何でもしますからっ!(土下座で懇願) 

 海水に濡れたその髪の毛からぽたりと水滴が零れ落ち、全身が日光でキラキラと輝いている……まさに砂浜の女神だ。


 「ちょ、ちょっと! こんな所で……大きくさせないでよ!」

 「すまんがそれは無理な相談だ……そんな扇情的な姿を見せて、誘ってるとばかり……」

 「確かに……健康的な肢体に光る水滴、濡れた赤いビキニ……女のわたくしが見ても、興奮いたしますわね……じゅるり♪」

 「も、もうっ! ネメシス迄何を言っているのっ!! い、いいからアヤカートはタオルで隠しなさいっ!! ネメシスも涎を拭きなさいっ!」

 「おぬし等、そんな大声で騒ぐな! 折角寝入った小娘の妹が起きるではないかっ!」


 「ほ、ほらっ♪ ルナも寝入ったし、今度は皆で遊びましょう♪」


 アテナがそう言って、俺の手を引いてくる……。嗚呼っこの瞬間よ、永遠なれっ♪♪


 ……


 ……


 「ここが……イロハの国へ行く船の出る港町……」

 未成年だろう少女が呟く。切り揃えていない栗色のショートヘアーに度の強めなオレンジのフレームの眼鏡をかけ、白のブラウスに黒色のマントを羽織り、黒色のリボンをあしらったデザインの帽子をしている。

 膝上の、また同じデザインのスカートから覗くのは黒いハイソックス。一見制服にも見えるが靴だけはその眼鏡と合わせたのかオレンジの可愛らしい靴だ。


 黒色多めの衣装は季節にそぐわないが、少女は汗一つかいていない。


 「イロハの国……そこに……手掛かりが……」

 少女はそう呟くと、一夜の宿を探し街に消えた。

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