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スキル「緊急回避」で無敵スローライフ  作者: あるまん
第一章
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 ……結論から言うと、このままでは色々と暴露大会にもなりそうだったし、一度婚約者云々の話は保留し、とりあえずネメシスがこの村に滞在する二週間ほどの間、毎日ではないが冒険者として俺の仕事についてくる事となった。

 

 まずアテナの家へと付いてくる事になった。

 ルナちゃんを紹介し、この後アルテミス(狼)とも面通ししたが……

 「……嗚呼、ワシは奴隷なのでな。ご主人様の決定に逆らう道理もない。よろしく頼む」

 と、もう少しごねると思っていたが割とあっさりとネメシスの件を了承した。

 「……どうした? いつもならアテナとワシがいるのに三人目とは、このケダモノがああああ!!とかごねそうなものなのに」

 「自然にワシをハーレムに入れるな!」

 「あら、違うのですか? 調べた限りは毎晩の様に……」

 「違うわっ!……全く、流石は〇〇の子孫だけあるな……その人を食ったような性格は生き写しじゃわい」

 「……わたくしのご先祖様の名前ですわね、流石は長命の白狼人族、何らかの面識がおありでしたか?」

 「まあ少しの間な。その当時は人間体は勿論、狼体も今と違っていたが。別に敵対等をしていた訳ではないので安心しろ」

 「その辺のお話を含め、是非父や祖母にもお話を聞かせていただきたいものですわ♪」


 さ、ネメシスがエルフの里を探しているとして……実はエルフとしての知識の中に、エルフの里への入り方、という物もある。といっても要はその森の精霊にお伺いを立て、エルフの里を守護する精霊……大抵はその森の精霊王だ……に許可を貰うだけだ。守護精霊の許可を貰えばそこに住むエルフも盲目的に信用する。

 まぁ俺は違うが、この世界のエルフはすべからずエルフの里出身だし、俺も「設定上は」そういう事である。


 その為には……そういえば技能の一つに「精霊交渉」という物があったな。

 自然の中に存在する精霊の力を借りて、魔法のような力を行使したり、幻惑を見せたりするらしい。

 俺のスキルレベルはLV1、樹に触れればその樹の精霊と脳内で会話が出来る程度、のスキルらしいが……。

 「……何となくだが、フルーツ村では簡単には使えない気もするな」

 文明の発達を否定しないし、エルフも木材は使用していると思うが、それにしてもここ、フルーツ村の主な産業は木材伐採と基礎加工・運搬で、そこで聞こえる樹の精霊の声とか怨嗟の声しか聞こえないだろう。 

 「わたくしは精霊に詳しい訳ではございませんが、昔家庭教師だったエルフの講師曰く、木材加工をしている人には聞こえないとかそういう事はないらしいですわよ。要はその人が精霊の宿りしもの、樹や火、水、土とかにどれだけ大事にし、愛情を持つからしいですわ」ネメシスが俺の左手をぎゅっと抱きかかえながら、昔家庭教師に聞いたという話を言う。

 「ふーん、まぁ判る気がする。ペットだって愛情深く育てれば答えてくれるもんね♪」

 アルテミスを一瞬見て、俺の右手をギューッと、ネメシスよりも強く抱きかかえながら相槌を返すアテナ。

 「何故一瞬こっちを見た? ……まぁそもそも精霊どもは気紛れじゃ。その精霊交渉? とか言うものを使っても、素直にいう事を聞いてくれるとは限らんぞ?」

 少し元気になったルナちゃんに毛づくろいされながら、突っ込みを入れてくるアルテミス(狼)。腹迄見せて、最初に出会った時の緊張感は微塵もないな。

 「ま、とりあえず試してみるか」


 ルナちゃんとアルテミス(少女)のお世話を村の老婆に頼み、俺とアテナ、アルテミス(狼)・ネメシスの四人はフルーツ村から近い森の、入って一時間ほどの所にある精霊が住むといわれる大木の根元に来た。

 セレナ始め騎士団の連中も付いてくると思ったが、彼女たちはネメシスの替わりに本来の目的である村の視察及び別荘地の選定作業をしている。そもそもネメシスは普通に冒険者でもあるので、こういっては何だが本来護衛の必要もないらしい。


 ならあの時、ネメシスに向けて毒針が発射されたのは何故だ? 無論貴族だし自由とはいえあの時はセレナが護衛についていた。冒険中に事故を装って……の方が楽だと思うのだが? まあ追々判るか。

  

 フルーツ村の開拓をした人たちが村に近く一番立派な樹を神木にして祀ったもので、定期的に整備され参道? もしっかりしている。ちゃんと注連縄? のようなものがあるが……これも転生者の知識なのか?

 「このような所に住む精霊は人に対して友好的、というけどな……あまり期待はするなよ?」

 俺はエルフの知識の通り樹にお神酒を捧げ、目を閉じ幹に触れる。LV1では脳内で会話が出来る程度らしいが……


 「……へえ、久々にエルフに話しかけられたと思ったら……「魂」はこの世界のものではなさそうねん……面白ぉい♪」

 「……君は……この樹の精霊か?」

 「そうよー。お兄さん面白いし色々話してあげるねん♪」

 いきなり上手くいったようだ。脳内に妙にフランクな口調で精霊と名乗る声が聞こえる。

 「……魂がこの世のものじゃないといったな?俺が転生者というのが判るのか?」

 「判るよー。昔何人かそういう人もいたしねん」

 やはり俺の他にも転生者がいたらしい。今の世代にいるか判らないが一度会ってみたいもんだな。

 「この森の奥にエルフの隠れ里があるらしいが、そこに俺と、仲間を連れて行きたいのだが……」

 「うーん、お兄さんだけだと大丈夫だと思うけど、他は難しいかな? エルフは排他的だからねん」

 「まだ婚約関係だが……三人とも身内なのだが……どうにかならないかな?」

 「うーん、そうねん……エルフの里に生えているわたしのおかんのご機嫌さえ取れればねん……駄目元で、おかんの好きなもの教えてあげるねん♪」

 おかんとか妙な語尾とか色々気になるが、それは願ってもない。

 「一体それは何なんだ?」

 「太陽の結晶ねん♪ おかんの樹はこの森でもひと際でかいねんけど、でかすぎて全身に光が行き渡らないねん。太陽の結晶がひとかけらでもあればずっと元気になるねん♪」

 「成程な……ちなみにどういう所にあるのか判るのか?」

 「神様の贈り物だから、よく判らないねん。判ってたらエルフに探して貰うねん。里から出たエルフもそれを見つけたら英雄になれるねん」

 「そうか……ありがとよ……お礼に、お前さんは何か欲しいものがあるか?」

 「エルフのエナジーをくれればそれでいいねん♪ 大丈夫、痛くしないねん……」

 「え……ちょ、ちょっと待て……心の準備がっ!」

 「壁のシミを数えていたら、すぐ終わるねん……ではっ」

 「ちょ、ちょっと待てえええええ壁なんかどこにあるんd……」


 ……慌てて幹から手を放すが……その刹那で結構な量の精力? を抜かれたようだ……アルテミスとprprしてる時も抜かれるがそれの比ではない位だ……慌ててステータスを見てみる。身体に異常はなさそうだが倦怠感が凄い。

 「くそう、何か精神的に汚された気がするぞ……」

 「って、何があったのよ……凄い汗よ……」アテナが心配してくれる……無論殺すほど抜くつもりはなかったようだが。

 「……ま、何をされたのか大体判るが……同意もそこそこに生命力を抜かれたのであろう?見ろ、枝が生き生きしとるわい。ま、ご主人も無理やり襲われる立場を知れてよかったじゃろ♪」

 アルテミスがしてやったりな表情で見てくる。知っていたならいえよ……そしていつも無理やり参加させててすいませんでした。

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