表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
スキル「緊急回避」で無敵スローライフ  作者: あるまん
第一章
13/39

13

 「え? 討伐? 狩猟依頼じゃなくて?」

アテナが疑問を言う。

 「狩猟依頼は主に肉や毛皮・角や牙等生活や道具制作の素材の為のモンスターの狩猟だ。ライセンスがなくても腕があれば出来るが給金は安い。

 討伐依頼は狩猟と違い、国の騎士団が手の廻らない、辺境の村を襲ったり家畜に被害を出したり、そういう人間に害を与えるモンスターを駆除するのが仕事だな。

無論肉や素材を捕れるモンスターもいるし給金も高い。だがその分危険も多い。

 頭のいいモンスターも多いしな、ゴブリンや、狼等な」

 アテナがごくりと息を飲み、アルテミスは無言で何も言わない。無論最後の例はこの二人を意識したものだ。アテナは自分の手でゴブリンを倒す事で留飲を下げられるし、アルテミスも同族ではないが危険度の高い狼を討伐する事もして貰わないといけないし。


 「ま、無論最初から、我々……アルテミスが違うが、素人が受けれる討伐依頼にも制限があるだろう。あまり心配するな」

 「素人だと……謙遜にもほどがあるわい。貴様の能力なら敵などいないじゃろ」

 アルテミスが嫌味をいうが

 「俺の技能は発現したてなのでな、まだ自分でも判っていない事が多い。それに俺がいない時に危険な目に遭った時の自衛力を鍛える意味もある。アテナは特にな」

 「それはそうだけど……」

 「俺もこの世界……いや、俺が住んでいたエルフの集落近くのモンスターしか知らなかったしな、色々試してみたいのもある。まぁこの街に滞在は一週間予定だし、一、二回討伐依頼というものを試してみたいしな」

 「ふん、危険なモンスターが出たらワシは逃げるからな」


 スローライフ希望の俺だし、無理にモンスターを倒さなくてもアテナと一緒にフルーツ村で狩りをして過ごせば依頼を受けて迄モンスターを狩る必要などないかもしれない。

 ただこの世界はまだまだ発展途上でイレギュラーも多い。アテナの両親やアルテミスの今の身体の両親の様に不慮の事態で亡くなる場合も多いと聞く。

 この世界にはLVという概念があり、HPという概念もある。無論一発死は避けられないかもだがHPが増えたらアテナたちがそういう事態になる確率をかなり下げれる筈だ。


 不安げなアテナと渋るアルテミスを連れ、狩猟ギルドに行く。さて、俺たちに丁度いい依頼は……。


 「メローイ村周囲の森に潜むオークの討伐か……」

 狩猟ギルドの受付嬢に概要を聞く。村周辺にオークの集団が来たらしく、木こりが襲われたらしい。

 オークとは屈強な身体に豚の顔、知能もそれなりにあり村自体を襲ってくる事はないが、このまま木こりが狙われ村の人員が減らされ、そのまま蹂躙された例もあるらしい。人間と違い夜目も効き、発展途上の開拓村では脅威らしい。

 俺の知るオークと同じだな。RPGでは初期の敵だがラノベでは割と驚異の場合もあるしな、どうしようか……。

 「ふん、オークか。奴らは豚に似ているが肉が生臭くてな。余程じゃない限りは狩らなかったが然程脅威でもないじゃろ」

 アルテミスが言う。ちなみにアルテミスが肉を食った訳ではなく率いていた狼の話だが(アルテミス自体は人間と同じものを食べていたらしい)。

 「アルテミスは狩猟経験があるのか、じゃあやってみるか」

 「……オークって……ゴブリンよりもずっと強いのでしょう? 大丈夫かしら?」

 アテナが不安げだが、まぁ俺とアルテミスもいるし大丈夫だろう。報酬もそれなりに多い。受付嬢に申し出て依頼を受け、村へと出発する。

 メローイ村はスレイの街から馬車で1日ほどだ。街道などはまだ整備されていないがファンタ村と同じく林業中心の小村だ。

 割と近い村の問題だしもっと冒険者が来てもおかしくないが、今周辺の国との緊張が高まってたり、もっと緊迫度の高い問題があったりでどうしてもこういう小規模な討伐をする冒険者が足りないらしい。まぁ例のゴブリンエリートが人を害しておいて二年以上生き残ってたくらいだしな。

 村につき依頼者の村長に改めて確認した後、襲われた木こりの家に行く。仲間二人が殺され、自身も重傷を負い命からがら逃げて来たそうだ。冒険者ではないとはいえ屈強な男がこのありさまか……結構厳しい依頼かもしれんな。


 「ワシは犬じゃないのじゃが……」

 「そういうな、相手の位置が判れば先制出来るし、危険も減らせる。頼む」

 「ふん、確かに屈辱的な奴隷契約から逃れる為にも金は必要か……仕方がないのう」

 アルテミスは子犬……ゲフン、省エネ形態の子狼の額に自分の額をつける。

 シュウウウウウウウウウウウウウッという音と共に人間体のアルテミスはそこにへたり込み、代わりに子狼の身体が大きくなった。

 「話には聞いていたけど、実際見ると不思議ね……」

 アテナが目を丸くしている。無論俺にも不思議な光景だ。

 スウスウと寝息を立てるアルテミス人間体をベットに寝かせ、アルテミス狼体が喋る。

 「ほれ、襲われた木こりの斧を目の前におけ……ふん、確かにオークの臭い血の匂いじゃな。襲われて三日というが不快な匂いがぷんぷんするわ」

 不快そうな顔? をするアルテミス(狼)。その後村から徒歩一時間ほどの森の方へ移動する。

 「ふむ、匂いの強いのはこっちじゃな。小娘、遅れるなよ!」

 「ま、待ってよ、足元ががたがたで歩き難いんだから……アヤカート、ちゃんと後ろを見ててよね」

 先頭をアルテミス、しんがりを俺、間にアテナの隊列で、オークの匂いが強いという方向に歩き出した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ