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機能しない現実  作者: ダイナマイト山村
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計画の残滓3

本当にアクションがかけない。

 賢者の石。


人を不老不死にしたり、といった超自然的な能力を秘めたもの…というイメージも強いが元々は中世の錬金術師が卑金属を金に換える触媒と考えたものである。科学と伝承は表裏一体。人の希望を物質的に実現する科学と精神的に実現するストーリー。


いつしか、超越したものを生み出すものという概念が生まれた。




 人類が発見した大きな機械箱。元素を分解し、再構成できるならば万物の根源からあらゆるものを生み出す賢者の石そのものである。


何者によって何のために生み出されたのかはわからないが、利用することはできる。


専用の制御プログラムと自己判断自立システムを搭載したAIが開発された。




 生物としての最強を目指したベストマン計画101~106までは人間の脳で制御されていた。


101論理的天才。102感覚的天才。103敏感的天才。104鈍感的天才。105乳幼児。


そして106には研究主任の脳が移植された。107から109までの3体はコンピューター制御型である。


107制御AIタイプ。108疑似人格AIタイプ。109自己進化AIタイプ。


初期型の107は計画全体が凍結される寸前で回収され、どこからかもたらされた賢者の石が搭載された。




 その残骸はあらゆる組織にとって回収したいものであり、回収されたくないものである。




 「そんなことだろうとは思っていたがな」


ミルコはジョシュアの遺品MP5を握り直す。




 侍は身体能力が高い。それはもはや異常だ。


ミルコ自身も特殊部隊の人間として、一般人を凌駕する身体能力を持っている。


それでも、侍とは僅差などではない、決定的な能力差がある。


もはや自分たちがこれまで狩ってきた対象に近い。




 ミルコは考えている。




 そもそも侍などいない。表の世界には。


重火器がある世界で超近接戦闘以外で刀など使わない。




 日本という国の今や伝統文化の一つとして道として刀の型があると聞いたことがある。


しかし、日本の警察も、自衛隊も基本的に近代装備だ。


確かに、詳しく知らないことではある。


が、訓練を積んだ特殊部隊を全滅させるほどの相手を圧倒する戦闘術。


しかも、単騎での突破力。そんなものが存在するのか。だとして我々が知らないのはなぜだ。


日本政府とはそれほどまでに。




 「ミルコ。大丈夫か」


「お前が圧倒的過ぎて、残念ながら生き残った」


ジョシュアは死んだが。


「この先の追跡も予想される。107式から賢者の石を取り出そう」


ミルコは衝撃を受けた。


「取り出せるのか」


「君たちが持っていたキャンサーバレットを使えば」


「お前何者なんだ。いや、お前たちの後ろにいる組織はなんだ。日本政府か」


リョウジは少し考えて口を開いた。


「そうだな。とりあえず、賢者の石を取り出す。そしてここを一刻も早く出よう」


ミルコはまぁ言えないわなとうなずく。


戦闘能力の差。情報量の差。すべてが圧倒的。


今この状況において何一つの権利を持たない。


従うしかない。そう思った時意外な返答だった。




 「道中に話そう。俺には協力者がいる」

雰囲気で攻めます。

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