第9章嬉しい知らせ
+第9章+嬉しい知らせ+
土曜日の翌朝,約束通りお母さんとケータイを買いに行った。
色はアタシが好きな色,ローズレッドだ。
「お母さん,ケータイありがとう。」
「うん。いいよ。」
家に帰り,早速、美智たちのメアドや電話番号を入れた。
そして,アタシは南に買ってもらったことを報告する。
─ピーピーピープツッ
「あっ。もしもし?南?」
「あ……うん。七海?」
「そうだよん。七海でーす。」
「なーに?どうしたん?」
「アタシなぁー今日,ケータイ買ってもらっちゃった。」
「あっ。そうなん?実はアタシも今日,買ってもらった。」
「えーうそ?偶然じゃん?明日、みして?」
「うん。おっけぇーメアドも交換しよう。じゃあ,ばいばい。」
「うん。バイバーイ」
アタシは,1日中ずっとケータイをいじっていた………
翌朝,ケータイのアラームで目が覚め,朝食を食べたりして、学校に行く用意をした。
行く用意ができて,アタシは家を出た。
「行ってきまーす」
いつものように南との待ち合わせ場所へ向かった。
「ごめーん。また,遅れた。」
「もー。七海ぃー。でもまぁいーや。行こ」
アタシ達はぺちゃくちゃとおしゃべりをしながら学校に向かった。
あっという間に学校に着き、教室に入るとクラスのみんながアタシ達に笑顔であいさつをしてくれた。
また,アタシ達は集まって先生が来るまで,おしゃべりをやり続けた………
「ねぇー七海。ケータイ買ったんだって?」
突然,綾子がそうたずねてきた。
「えっ?なんで綾子が知ってんの?」
「今日,南から聞いたんだー。やったやん」
「全員そろったことやし,メールやろっかぁー」
「えっ?先にやっとったんと違うん?」
「それがー。皆で決めたんだけど,やっぱり皆でやらないとつまらないやろ?だから七海たちが買うまで待とっかぁーっていう話になったんやー」
「ふーん。ありがとう。じゃあメアドとか教えるわー」
「はーい。」
「ねぇー七海のケータイと南のケータイ可愛くね?しかも,おんなじ色やし……」
「えっ?あっ。ほんまやん。おんなじぃー」
「やろー?そんだけ仲良いっていうことやん。」
アタシは,ちょっぴり得意げに言った。
「いいなぁー」
「いいっしょー?」
そんなやり取りをしながら長い1日は終わった。
友達と別れて、1人家に帰った……
部屋には誰もいなくて,アタシは冷蔵庫から飲み物を取り,一目散に自分の部屋へと入った。
1人で退屈な日々を過ごしているとき,突然アタシのもとへ1本の電話がきた。
「もしもし……」
その声の主はそう,小学校からの親友であった舞だった。
「ん?七海やけど急にどうしたん?ってか久し振り。」
「うん。久し振り。アタシぃーまた引っ越すんだぁー」
「えっ?うそ。なんで?」
「……んん。アタシぃーいっぱい友達できたよ。って言ってたでしょ?けどね,本当は全然友達おれへんくて………ってかアタシ今不登校やねん。っでーお母さんに言ったんやんかーそれで,お母さんがアタシにいちからやり直そうって言ってくれてお母さんが一生懸命アタシの為にフリースクールとかを調べてくれて………それで,悩んだあげくここに行くことになったの」
「どこ?それ?」
「七海が通ってる中学校の近くだよ?」
「なんで?」
「七海といつでも会えるから。」
「ちょっと待って?そのフリースクールの名前は?」
「えぇっとー志野部学園だっけぇー」
「えっ?マジで?」
それは,今アタシが通ってるフリースクールだった。
舞が,まさかこんな所に来るなんて思いもしなかったからそれには本当に驚いた……
「その学園,今アタシが通ってるとこだよ」
「えっ?マジで?でも……なんで?」
「…うん。実はアタシも辛いことがあって不登校になってた。でもねこの学園と出会って,友達ともいっぱい出会ったし,今はとっても楽しい日々を送ってるよー」
「へぇー。アタシ,七海とまた会えるなんてうれしいーありがとね。また,七海の友達紹介してよね。」
「うん。もちろんだよ。じゃあバイバイ」
「はいはーい」
─ガチャツーツーツー
「そっかぁー舞も頑張ってたんだねぇー」
アタシは1人でブツブツと言っていた。
アタシはまた,舞と会えるんだね。神様ありがとう。
舞,これからはずっとずっと一生一緒にいようね。
そして,笑いが絶えないくらいいっぱいいっぱい語りあおうね。