第12章告白
+第12章+告白+
学校の授業が終わった放課後,洋子は下駄箱で鈴木君を待ち伏せしていた。
─タンタンタン
「き……来た」
アタシ達は洋子に向って小声で言った。
「洋子ぉー頑張れ。アタシらここでずっと見とくからさ」
「う……うん。」
洋子はすっと鈴木君の前に立ち,緊張しながらにも言った。
「あ……あの……アタシ,ずっとずっと鈴木君のことが好きでした。………アタシと付き合って下さい」
「うん。いいよ」
「えっっ?」
「そんな,あっさりでいいの?」
「おー。ってか俺,もともと佐々木のこと気になってたし……」
「マジ?ありがとう」
こうして,洋子と鈴木君はカップル成立で付き合うことになった。
当然,洋子が一番喜んでいた。
「ヤッタァー七海たち,ありがとね」
「いやぁーいいよ。洋子おめでとう」
「ありがとう」
翌日,洋子はなんだか機嫌が良かった。
「なぁー洋子,今日テンションいいな。どうしたん?」
「えーそう?アタシぃー今度鈴木君とデートするねん」
「えー?いいな。どっちが誘ったん?」
「えぇと昨日メールで鈴木君の方から誘ってきたの」
「へぇーやったやん」
「あぁーアタシ達もそろそろ欲しいな………?彼氏。」
アタシ達はまた,集まって洋子と鈴木君たちの話をしながら先生を待った………
アタシは途中,トイレに行きたくなってみんなから席を外した。
「アタシ,トイレ行ってくるぅー」
「はいはーい。行ってらっしゃい」
教室から1メートルぐらい離れたトイレに駆け込んだ。
用をたして,アタシはみんなのいる教室へ向かおうとした。
途中,隣の教室からちょっとイケメンな人がアタシに話しかけてきた。
「ねぇー石原さんだよねぇー話があるから放課後,屋上に来て?」
「はーい。でも,どーしてですか?」
「まぁいいからいいから」
アタシは再び教室に戻り,南たちがいる席へと急いだ。
「おかえり。七海,遅かったね」
「……うん。ちょっとね……隣の教室にいる人にね放課後屋上に来てって………」
「えー?男の人?女の人?」
「うーん。男の人だよ。」
「あっ,もしかしてー告白とか?」
「えー?それはないよぉー」
「さぁーどうだか」
「まぁー分かんないけど行ってみれば?」
「……うん。分かった。じゃあ先に帰っといてね」
「はーい。」
[話ってなんだろう?]
アタシはそればかり思っていて授業にもあまり頭に入らなかった。
とうとう放課後になってしまった………
「七海ーばいばい」
「うん。バイバーイ」
アタシは半信半疑のまま彼がいる屋上へと向かった。
─ドンドンドン
「ごめんなさい。遅れて………」
「あーいいよ。まぁ隣に座ったら?」
「は………はい」
「突然だけど石原さんって好きな人おる?」
「い……いや,いません………けど」
「じゃあ俺と付き合ってくれないか?」
「えっっ?」
アタシは頭がこんがらがって何を言っているか分からなかった。
「えっ?アタシ………?」
「おう。」
「でも……アタシよりもっと可愛い人がいるのに……なんでアタシなんかを選んだの?」
「そ……それは,石原さんがココに来た時俺はもうすでに石原さんのことを気になっていたんだ」
「それで?」
「それで……気づけばもう俺は石原さんしか見えていなかった………他にも女子はたくさんいるのになぁー」
「えっ?マジで?けど………アタシでいいの?」
「うん。」
「ありがとう。アタシを選んでくれて……いいよ,付き合ったげる。」
「マジ?かよサンキュウな。じゃあメアド交換しよっか」
「………んん。」
こうして,洋子&鈴木君カップルに続き,アタシ達も付き合うことにした。
アタシ達は仲良く,手をつないで帰った………
「俺,お前ん家まで送るよ」
「いいよ。家そこだし………」
「そっか気を付けて帰るんだぞ」
「うん。ありがとう」
アタシはとてもとても嬉しかった……………
だって,初めて彼氏作ったから………