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2人の生い立ち
「あーあ。今日入学式だったのに。行く気満々だったのに。最悪。」
そう。今日は高校の入学式だった。
2人は今日から高校生になるのだ。
「入学式には間に合わないけど、学校は12時までだって。行く?」
「俺は入学式に出たかったの!だから行かない!」
そっか、と瑠輝斗は言った。
瑠偉斗がなぜ入学式に出たがったのか。
それは瑠偉斗にとって、瑠輝斗にとっても、今日から2年ぶりの学校生活だったからだ。
2人は中学校卒業後、高校に入学せず仕事をしていた。
いつか高校に行くことを考え、学費を稼ぐ為に。
父親は2人が小学3年生のときに離婚。
それからずっと母親が2人を育てた。だがそれは中学3年生のときまでだった。




