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救世の三姫  作者: 絶華 望(たちばな のぞむ)


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39.月読の企み③

 月読は欲しい情報を手に入れた。不可視の観測者は居なかった。だが、何も出来なかった。桜が不安定になっていた。夜中に起きる事が増えた。しかも、決まって悪夢を見ているようだった。

 こんな状態で奴らを殺しに行くことは不可能だった。人間を密偵に使う事は予想していたから看破する事は容易かった。

 だが、不可視の観測者が居ない事は確定した。観測者が居た場合、密偵を送る必要が無いからだ。魔力の貯蔵と人間の強化はさんざん隠さずに見せて来た。それを知っているのなら彼らがやるべきことは一つしかない。

 全軍あげての包囲殲滅しかないのだ。魔力の貯蔵を行っているのだから、時間が経過すれば不利になるのだ。対処法は早期決戦しかない。

 それをしてこないという事は、こちらの情報を知らないということだ。だから、月読は焦らずに勝利の為の布石を打っていく。

 エナは仕上がりつつある。覇国への憎しみが彼女を強くした。酷い訓練だと思っている。常人なら一時間も持たずに逃げ出すほどの訓練だった。人間の脳の限界を超えるための訓練だった。

 超高速で動く月読を認識する。月読の攻撃を躱す。月読に攻撃を当てる。それらは夢の中で行われた。エナは弱音も吐くことなく、諦める事もせずに、瞳に憎悪を燃やしてついてきた。そして、月読が望んだ水準まであと一歩の所まで来ていた。

 他の作戦も順調に進んでいた。桜を逃さずに、覇国を打倒するための楔は既に機能している。エナとレミが居る限り、桜はこの村の見捨てる事が出来ない。


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