2、いきなりの告白
昨日は寝れなかった...。
何故なのか、それは高校生活に不安を感じているからである。
昨日の自己紹介の時間で私の高校生活はどうなるのだろうかととても心配で、考え事をしているうちに朝になってしまっていた。
朝5時半、いつものようにカルロが私を起こしに来た。
カルロが部屋に入ると、いつもはぐっすり寝ているはずの私が起きていることに驚いてる様で、唐突に
「今日は嵐が来るのかもしれませんね...。」
「いやこねーわ!。」
つい軽く突っ込んでしまった。
「そうですよね。きっと高校生活が不安で寝れなかったとか、そんな感じなのでしょうね、明日美様。」
見事に見透かされていた。
「そうだよ、昨日は色々あったからさ〜。」
「そうなのですか。でも、明日美様ならきっと大丈夫ですよ。」
え。と、カルロが急に優しい言葉を掛けてきてびっくりして、カルロの方を振り返ると、カルロはそのまま部屋を出ていっていた。
なぜか少し嬉しい気持ちになった。
朝食を食べ、支度をし、玄関を出ると、麗子が家の前に立っており、
「あ!明日美ちゃ〜ん、おはよ〜。」
「おはよ〜麗子ちゃん。」
朝の挨拶を交わし、私達は学校へ向かった。
学校に着き、教室に入ると、例の隣の男子くん、雄二くんがもう来ていた。
雄二くんに挨拶するべきか迷っていると、
「おはよ。」
「お、おはよ。」
雄二くんっておはよう言うんだなと少しびっくりした。
席につくと、急に知らない男子に話しかけられた。
「おはよ、生城ヶ崎さん。」
「おはよー。」
あれ、誰だっけこの人と思ったが、すぐに思い出した。
こいつ確か、自己紹介で自分はイケメンだとか言ってたやつだ。
名前はたしか、安藤遥斗。
こいつは後から話しかけようと思っていたが、先に話しかけられたなら仕方ない。
「遥人くん、だよね?よろしくね」
「あぁ、宜しくな。」
そう言うと、遥斗は自分の席の方に戻っていった
そうこうしていると、冬乃ちゃんが来た。
「おはよ冬乃ちゃん!」
「おはよー、明日美」
やっぱり冬乃ちゃんはかっこいいなぁ、と思って眺めてると、
「あんたさっき遥斗と話してたよね」
と言われ、
「冬乃ちゃん、知ってるの?」
と聞くと、
「あいつと中学一緒でさ、あいつ自分のことイケメンだと思い込んでる結構痛い奴でね、女子から自称残念イケメンって言われてたんだよね。」
酷い言われようだな。とか思ったが、同時に確かにと共感した。
朝のホームルームが終わり、1時間目が始まった。
最初は学校の説明やら、校舎案内やらで一日が終わる。
掃除も終え、帰りのホームルームも終わった。
放課後、私は冬乃ちゃんと買い物に行くことになり、帰ろうとすると、また自称残念イケメンの遥斗が話しかけてきた。
「やぁ、生城ヶ崎さん。」
「やほ、どしたの?」
その瞬間、思いがけない言葉が飛んできた。
「俺と付き合ってくれ生城ヶ崎さん。」
「え、?」
「一目惚れしてしまった。返事はいつでもいい。待ってるよ。」
そう言い残すと、遥斗は教室から出ていった。
いきなり過ぎて頭が真っ白になった。
私は実は1度も告白されたことがない。
ここまで直球な告白に驚きが隠せない。
私の高校生活は、いきなり波乱万丈な展開を迎えたのだった。