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ひとつむこうのこちらがわ  作者: 枝節 白草
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VSアニマキヤの守護者

最初に動いたのはビャッコ、テレサは距離を置いている。

ビャッコの攻撃は図体に似合わず静かで速い。

動きに無駄が無く気付いたら目の前に居た。

それでいて繰り出される豪腕は荒々しく、重くて鋭い。

流石のトオルもまともに喰らうのは不味いと判断し距離を取る。


その時だった、テレサの蹄が地面を掻いた刹那トオルの腹に穴が空いた。

「ぐあ、何しやがった」

テレサの居た方を見るがそこにテレサの姿は無い。

「・・・こっちだよ、ノロマだね?」

テレサは一瞬で反対方向まで移動していた。

トオルが知覚できない速度で攻撃し、更に瞬時に間合いを取っていたというのだ。


インファイトのビャッコとヒットアンドアウェイのテレサ。

インファイトを嫌がればその隙を付いてテレサが攻撃してくるという戦略のようだった。


「おらおら!よそ見してる余裕はねぇぞ!」

再びビャッコの猛攻が始まる。

力も早さも肉体強度もトオルが上だがビャッコには歴戦のつわものたる技があった。

トオルは戦闘経験が浅い、攻撃は上手く防がれ、逆にダメージは溜まる。

「くそっ」


たまらず再び距離を取るとテレサがまた突進してきた。


しかし、先ほどとは違う結果となる。

そこには血まみれになって倒れたテレサがいた。

「やっぱりなぁ、直線しか無理だよなぁ。来る方向決まってりゃ対処できるっつーの」


ビャッコと応戦中の間にはテレサは突進して来なかった。

ビャッコに当てないためだろう、途中で向きを変えれないという事だ。

そして接近戦に参加してこない事から打たれ弱いのだろうと踏んでいた。

一撃、拳を打ち込んだだけでテレサは気を失った。


それでもトオルも無傷では無い、トオルの左腕に穴が空いていた。

テレサにかかっていた血はほとんどトオルのものだったのだ。

片腕を犠牲にしないとテレサを止めることは出来なかった。


「ふぅ・・・ここまでか。このキズでビャッコの相手は無理だろうな」

「そうだな。チェックメイトだ」


トオルは最後の退路、ゲートを確認する。

ヒイラギとツバキはベタンに負けて倒れていた。


「そのようだ。で、俺をどうする気だ?」

「その前に一つやらにゃあかん事があってなぁ・・・、おいアヌビス!出番だぞ」

ビャッコがそう言うとまた一人獣人が現れる。

今までの獣人とは違い胸から頭にかけて完全に獣、黒いジャッカルの顔をしている。

手には杖を持っていた。


アヌビスと呼ばれた男はトオルの心臓に杖を突き刺す。

しかし不思議と痛みを感じる事は無かった。

それどころかトオルの頭に渦巻いていた暗い感情が晴れていく。

杖を抜き取ると先端には黒く球状の物が付いていた、トオルの体から抜き取った物だろう。

トオルにはそれが何なのかすぐに分かった。

トオルの体の中に居た非猿鬼の思念が消えたのだ。


アヌビスは大きな口を開けるとその黒い塊を食べてしまった。

そして何も言わずにまた立ち去っていく。


トオルは自分の体を確認する。

非猿鬼の力は消えた、にも関わらず体は銀色の狼の獣人のままだ。

「はは、人間に戻るわけじゃ無いんだな」


「・・・うん、私と同じ。・・・説明する」

そこには意識を取り戻したテレサが居た。



実は次で終わりかもしれません

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