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ゲーム風異世界でハンターライフ  作者: クドウ
兼業ハンター生活一年目
90/110

対校戦見学

 



 ユーリー様から誕生日に髪飾りをもらい、お礼状を書いた数日後。対校戦の見学のため、サービオ学園にやって来た。

 場所がサービオなのはナビールより広い闘技場があるかららしい。魔法科以外にも剣術科や斥候科があるから当然なのかもしれないけど。

 初めてナビール以外の学園を見るので興味津々。ナビールより建物が新しい。学科が色々あるからか、小さな校舎がたくさんある。私たちは闘技場横の黄色の校舎へと向かう。なんでこんな派手な黄色にしたんだろう。他の校舎も原色で派手なんだけど色遣いがかわいい。オネエにも見せたかったな。デザインのヒントになりそう。


「来年の対校戦には王族がいるから注目されるでしょうね」


 シルヴァン様、興味なさそうだけどね。王様は強さこそが正義な人だから強制的に参加させられそうだけど、どうせ王位は継がないんだし出なくていいんじゃない?

 でも王位を継がないと思っているのは私だけで、他の人は知らないのかも。そもそもゲームの話だし、もしかしたら継ぐ気になってるかもしれないしんだけど。

 この世界の貴族は一夫多妻制で、王の血さえ引いていれば母親は誰であれ問題ない。ただその中で長男か、一番強い人が跡継ぎになるという決まりがある。暗殺が捗りそうであるがこの世界は犯罪が神によってすぐにバレてしまうため、そういった事件はほとんどない。それより自身の強さを磨く方が確実だ。

 今の王族に関してはゲームでもこの世界でも、長男が一番強いみたいだから跡継ぎは決まってるようなものだけどね。


 ナビール側の応援席に座る。残念ながら売店はないようだ。

 個人戦の代表は五人、アカネがいうには今年の代表は学年上位の五人らしい。


「それにしてはあっけない」

「毎年こんなものだ」

「最後にナビールが勝ったのは二十年前だっていう噂よ」


 勝ったことあるんだ!

 五分も経たずに試合終了してるけど、昔は違ったんだね……。


「サービオが出来たのは三十年前よ。十年でナビールを追い越したってことね」


 あっという間に五試合終了。休憩を挟んで団体戦が始まる。団体戦は所謂パーティ戦だ。勝ち抜き戦ではなく、五対五の試合である。


「全然参考にならなかったんだけど。情報分析以前の問題」


 とは言えスピードも力も驚くほど高いってわけじゃない。コジローの方が上だ。来年の代表メンバーを迷宮に突っ込めば勝てるレベルだと思う。


「サービオもそんなに強そうに見えないが」

「うん。コジローの方が強いと思うわ」


 たぶんアカネでも勝てるし、スケッチでも勝てる。ただ来年もこのメンバーってわけじゃないから絶対じゃないけど。


「団体戦はもっと早く終わるかもしれないわね。向こうはバランスが取れてるから」


 ナビールは魔法がメインで剣術と両立している人もいるが、サービオはそれぞれの科がある。それぞれの科から成績優秀者を選別すれば実力もあってバランスの取れたパーティを組めそうだ。

 休憩時間が終わり、団体戦が始まった。


「あ! カイ先輩!」


 カイ先輩の他にも武器愛好倶楽部の先輩がいる。


「カイ先輩がいるのなら期待できるな」


 カイ先輩は前衛で奮闘していたが、惜しくも敗れてしまった。でも個人戦より全然見応えあったわ。十分近くあったし、対人戦の動きも参考になった。

 

「ナビールの魔法って私が内容を知ってるせいかもしれないけど、ワンパターンよね」


 講義内容でこれの次はあれ、というのが大体決められてるせいだ。教本にもそういう風に書かれているんだけど、サービオはその通りに動いている感じはしなかった。


「やっぱりナビールは実戦を考えた講義なんかしてないせい?」

「そうだろうな。実戦や対校戦に役立つ講義にしてほしいものだ」


 代表者が決まったら講義サボって迷宮に潜ればいいんじゃないか? そうすれば勝てる可能性はあがる。


「代表決まってから特訓すれば何とかなるんじゃない?」

「うむ……出来るだけ早く代表を決められないか、ソフォス講師に掛け合ってみよう」


 それがいいかもね。

 閉会式が終わったので昼食を食べて、コジローの提案で迷宮に潜った。てっきり午後からでも講義に出るっていうかと思ってたから意外だった。

 コジローもアカネもレベルが3に上がっていて、パーティランクソロランクともにF。そして二人ともレベル関係なしに強い。


「そろそろ迷宮も物足りなくなってきたんじゃない?」

「ああ。しかしこの近辺にはちょうど良い迷宮がない」


 そうなんだよね。

 日帰りだとここと虫のところだけだし、ゴーレムはちょっと遠い上に二人には合わないし。


「近場にもっと強いモンスターの出る迷宮があればねぇ」

「もしくはもっと深層が踏破されるか、ね」


 全部踏破されたらどれくらいの深さになるんだろう。三十階くらいまでだとすぐ終わってしまいそうだ。一番でかい迷宮だと百階以上あるそうだから、王都の迷宮もそれくらいあってほしいな。

 あとは片道十時間以上掛かって良ければ、もう何種類か迷宮があるんだけどね。四連休くらいあれば行ってみたい。



 ニノ月最後の週に、リェーン・パウペルが王都にやって来た。講義を受けている間に設置を終わらせてくれていた。さすがプロ。仕事早いな!

 せっかくなので夕食をご馳走しようということになり、サオンとオネエ、どうせならとソフォス講師も誘った。魔動車で盛り上がれるかなと思って。


「やっぱり王都はいいですねぇ……」

「そういえば王都の学校に通ってたんですよね」

「は、はい。それに技術者にとって王都は憧れでもありますから」


 人気のある人ほど王都に店を構える風潮があるし、拾い上げられやすいのも王都在住の技術者らしい。


「王都に引っ越して来たらどうですか?」


 そうなると依頼も楽に出来るんだけどなー。

 まぁこっちでいい技術者を探せばいいだけなんだけど……。


「むむむ無理ですよ! 王都で生活できるほど稼げませんし!」


 技術者が月にどれくらい稼げるものか知らないけど、家賃とか食費とか生活費稼ぐのにもある程度売れないと無理か。

 ハンターと兼業とかいいと思うよ! 見るからに弱そうだけど!

 なぜかオネエとソフォス講師、リェーンで飲み比べが始まったり、魔動車トークで盛り上がったりと楽しく過ごした。

 うん、リェーンは馴染めそうだし、スカウトする方向でオネエとダーヴィトお兄様に相談してみようっと。



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