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ゲーム風異世界でハンターライフ  作者: クドウ
兼業ハンター生活一年目
83/110

ゴーレムのいる迷宮②

 



 この世界の祝祭日は半分以上日本のカレンダーと同じ日になっているけど、若干ズレがある。もちろん祝祭日の名称は別物だ。この世界に勤労感謝の日はないが、かわりに神聖の日という名前がついている。ちなみにゼストスタッフの誕生日である。大晦日から元旦(ニューイヤー)とかクリスマスはそのままの名称だけど、起源は違う模様。春頃に神学の授業で習ったのだ。

 そんなわけで三連休だ。お待ちかねのゴーレムのいる迷宮。鉄球装備である。いやー楽しみだねー! ブーツも新しいの作ってもらったし、蛇も楽しみ。

 ゴーレム系は動きが遅いこともあり、四人一緒に動くと効率が悪い。そのため私はオネエと、スケッチはサオンとで二手に分かれることにした。同じ階層で方向を変えるだけだし何かあればすぐに合流出来る。


「たのしーい!」


 ゴーレムが鉄球によって砕け崩れ落ちる。頭部を狙うと一発で済む。

 改造ブーツで蛇を突く。踏み潰す。

 一気にやって一気に解体。私が一人で調子に乗って楽しんでるから、オネエが警戒と解体に専念してくれている。オネエは戦闘が好きなわけではないからかまわないんだって。どうせレベルも二人より先行してるので問題ないし。


「もう一丁ッ!」

「もう袋に入りませんね。合流して戻りましょうか」

「あ。素材買取組と狩り組で分けるのはどうかな?」

「良いですね。そうしましょう」


 今日は武器の都合もあって、そっちの方が効率良さそうだしね。

 本当はもっといい素材袋を買えばいいんだけど高いしなぁ。家代を先に溜めるのと袋を先に買って効率をよくするの、どっちがいいんだろう。袋を先に買って四ノ月に間に合うように家が買えるならそうするけど。

 オネエとサオンに買取をお願いして、私はスケッチと二人で狩りを続行。ゴーレム自体が大きいこともあり、袋がすぐにいっぱいになる。


「性能のいい袋が欲しい……!」

「いいやつってすごく高いよね」


 何百万ってする代物だしね。

 自作するには腕も素材も足りない。素材自体高いし。

 戻って来た二人にまた買取をお願いして、狩り続行。一日当たりの金額が前回の倍くらいになった。

 オネエに節約を唱えられ安い店で夕食を済ませる。充分おいしいからいいんだけどね。

 今回は採掘も観光もなし、素泊まりの安い宿。楽しみがゴーレムと蛇しかない。


「家を買うまでの我慢ですよ」


 騙されない。家の後は素材袋に税金もあるし、節約生活はまだまだ続く筈だ。優先順位を考えれば仕方ないけどね。



 二日目も張り切って狩り。おかげでスケッチのレベルが4になった。あと一つ上がればEランクの試験が受けられる。期間はあと二年以上あるし、なんとかなりそうだよね。

 

「鉄球最高!」

「横にいると結構怖いけどね……」

「当てないよー、大丈夫!」

「……」


 スケッチに目を逸らされた。なんでだよ。

 大丈夫だってば。危ない場面とか全然なかったし!

 ちなみに鉄球、色んなスキルが上がる。使い方次第なのかな? 鎖鎌術、投擲、ハンマー。前二つはまぁわかるけど、ハンマーはおかしくない? 確かに叩きつけてはいるけど……。三つも上がってお得感があるので良しとしよう。

 三日目にはサオンのレベルも4になった。一日で二人もレベルが上がるっていいね。ゴーレム系は素材も比較的高く売れるし、殺傷力上がってからかなり効率よくなったし。これで近ければもっと良かったんだけどねぇ。まぁそんな都合よくいかないか。

 帰りの時間も必要なので、迷宮は午前中で切り上げた。昼食を終えたら王都に戻らないとね。


「あ、そろそろクリスマスパーティーの用意しないとね。セリカさんはもう手配した?」

「クリスマスパーティーの手配?」

「イブの学園主催のパーティー、衣装がいるでしょ?」


 下位の貴族の子息だとパーティーの類はほとんどないそうだ。私は一応あるんだけど……。


「手持ちのでいいよね?」

「いいかもしれないけど、新しいドレスじゃなくていいの? 新調する人の方が多いと思うけど」

「今年の流行ものを作った方が良いですよ。クリスマスパーティー用ならご実家のお金で作れますし」


 確かに。そこ大事ね。私の懐が痛まないのなら問題ない。むしろ作って着てその後売れば逆にお金になるんじゃあ……ばれるかな?

 でも今年の流行……っていうかここ数年、ふんわりした形のドレスなんだよね。まぁ上半身をふんわりさせなきゃいいけど、あんまり似合わないからなぁ。どうせならチャイナドレスとかで参加したい。


「仕立屋を呼びましょうか」

「オネエが作るんじゃないの?」

「腕を買っていただけるのは嬉しいですけどね。本職の方がよろしいかと」


 オネエもほとんど本職みたいなもんじゃん。裁縫のパラメータ、500超えてるし。


「どうせなら防具にもなるのがいいし、オネエ作ってよ。今、他に急ぎの仕事なかったよね」

「ドレスを着て何をする気ですか!?」

「え、いざという時のために? さすがに迷宮に潜ったりはしないよ!?」


 いや、ほら、いつテロリストが来るかわかんないじゃん? あ、違う、いつモンスターが襲ってくるかわかんないじゃん? 備えあれば憂いなしだよ!


「あ、あとガーターつけて隠し武器仕込もう!」

「セリカ様、何を目指してるんですか?」

「まぁそれはともかく……。あ、どうせならスケッチにも作れる?」

「ちょ!? 僕は普通のだから!」


 いや別に変なもん着せようとか思ってないよ。さすがに学園行事だし私だって自重するさ。


「作るのは構いませんが、質によってはかえって高くつきますよ?」

「あー、そっか。どうする?」


 あとあと使えるならそれなりの質にしてもいいんじゃないかなぁ。下位だから家の関係のパーティーはなくても、学園行事は三年間あるわけだし。あ、でも成長期だしサイズ変わるか。……変わるの?


「ちょっとお店の値段見て考えてもいいかな?」

「先にセリカ様のドレスを作りますし、時間はありますから大丈夫ですよ」


 防具にもなるタキシード、いいと思うよ?


 

 

 

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