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ゲーム風異世界でハンターライフ  作者: クドウ
兼業ハンター生活一年目
79/110

視察予告




「基礎の魔法実技に、見学者が来ることになったよ」

「見学者、ですか?」


 ソフォス講師の説明によると、魔法院から視察に来るということだ。ナビール祭での発表が魔法院関係者の興味を引いたらしい。それを聞いてエフィムのテンションが上がっている。


「普段通りで大丈夫だからね?」


 真面目ぶった方がいいんじゃないの? 基礎はけっこう自由っていうか、かなり遊んでると思うんだけど。視察って優秀なところを見せようとするものじゃないの?


「取り繕うことも考えたけど、どうせ暴走するだろうからね」


 否定できない。四人の視線が一斉にエフィムに向かう。


「どうせならあっと言わせたいな! 何か良い案はないか!?」

「いつも通りで良いんじゃないかな……」


 うんスケッチ、私もそう思うよ。


「普段の様子が見たいというので、普段通りでね」

「残念だが仕方ないな!」


 良かった、あっさり引いてくれて。

 来週の頭に来るらしいが、特に準備は必要なし。普段通りって何を研究してみようかとか、おもしろそうな魔法改造をしようとか、自由に遊んでる感じだ。講義も少しするけど、ソフォス講師は放任っていうか、よく言えば生徒の自主性に任せているのだ。

 最初は普通にしてても途中でエフィムが暴走して、それに皆が引き摺られるんだよね。最近じゃソフォス講師もノリノリだし、もう軌道修正は出来ないんじゃないか。そんな場所にお偉いさんの視察とか。


「来週が楽しみだな!」


 うん、まったく楽しみじゃないね!




 


 今日はメリルがついて来なかったので、いつも通り三人で昼食となった。正直助かる。メリルがいるとハンター関係の話題が出せないし、ボロが出ないように気を付けないといけないからね。


「今日は一人なのね。そういえば蜘蛛の話、聞いたわよ。どうせセリカでしょ?」

「そうだけど、よくわかったね」

「基礎の発表と合わせてどちらも学園のやり方ではないからな」


 まぁスキル依存じゃないから珍しいよね。


「ナビール祭が終わって一週間経ってるのに、その話ばっかり」

「え、そんなに噂になってるの?」

「かなり派手な噂になってるけど。セリカの名前は出てないみたいだけど、時間の問題かもね」


 発表にいなかったから名前が出てないみたいだけど、昨日メリルといたことで結び付けられる可能性があるということだ。別に基礎に関してはばれても問題ないんだけどね。


「それよりさ、今週末、罠の練習に付き合ってくれない?」

「罠の練習?」

「そう。虫の迷宮の十階より下ね。罠解除のスキルを上げたいんだけど、本を読んだくらいじゃあんまり上がらなくて」


 サオン抜きの三人でもいいんだけど、サオンが気にするし。その点この二人なら友達づきあいだと言い張ればあんまり気にしないかと思って。オネエも行かないんだし、サオン一人を贔屓しているわけでもないし。

 

「それはいいな。アカネも罠解除を上げたいと言っていたし」

「それは良かった。じゃあ今週末ね」


 待ち合わせ場所とか馬車の手配を話し合う。あとでスケッチにも報告しないとね。罠解除は一先ず私だけでいいか。今のところそんなに必要なスキルでもないし、必要な場面が多くなったら考えようっと。






「というわけで、今週末は虫ね」


 スケッチにこっそりと週末の予定を伝える。


「わかった。……あれ、メリルはそこに座るの?」


 いつも後ろの端っこに一人で座るメリルが、私とスケッチの並びの席に座った。時空魔法に続いて火魔法もか。弟子の件、諦めてないとかだったら嫌だけど、たぶんゲームでいう友好度が上がった状態なんだろうね。

 火魔法にはエフィムもいるが、彼はクラスメイトと一緒に前の方の席に座っている。


「駄目?」

「ううん、構わないよ。珍しいと思っただけ」

「二人の近く、楽しい」


 楽しいんだ……。スケッチもびっくりして目を瞠っている。


「そっか。私もメリルと一緒だと楽しいわ」

「僕もだよ!」


 メリルがうっすらと笑う。貴重な笑顔頂きました。

 ゲーム内でも笑う事がなかったから本当に貴重だ。


「最近よく笑うようになってくれて嬉しいな」

「……そう?」

「うん」


 おぉ、スケッチが誑してる! 笑える! いや微塵もそんな気がないのはわかるんだけど、傍からみると誤解されるよね。ほら、びっくりしてこっち見てる人がちらほら。がんばれスケッチ。

 ゲーム内だとすでにエフィムに恋をしているはずのメリルだが、そんな様子は全くと言っていいほど感じられない。かといってスケッチ相手にもそういう感じではないけど。やっぱりゲームはゲームで今とは別なんだなと感じる。


「魔法の研究も、話も楽しい」


 基礎の内容はちょっとマイナーだからね。話の合う人は少数だろう。人付き合いが苦手なのに大勢の中からマイナーな趣味の合う人を見つけるのはなかなか大変だ。


「一人じゃ思いつかないようなこと、話せる」

「僕も楽しいな。来年も基礎があるといいね」


 魔法院から視察が来るくらいだし、来年も継続の可能性、高いと思うんだよね。念の為お願いはしておくけど。

 それよりも、ナビール祭や魔法院の視察の影響で逆に人数が増えるんじゃないかと思う。そうなるとやり難いだろうなぁ。クラス分けてくれたりしないかなぁ。せめてグループ分け。実技だと分けてるんだし、出来ないことはないと思うんだよね。合わせて提案しておこう。



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